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ぼくの罪

 十二の時分に起きたこと

 破滅の種はすでに自らの手でかれていた

 当然の罰がやってきただけだ

 罪は回帰するものなのだと

 その教訓と引き換えに

 生きるすべうしなった

 明るく人懐っこいわらべが一人

 この世からいなくなっただけのこと

 影として残された子どもはもう

 光を理解できなくなった

 境界を越えてからの歳月は

 風が降りそそぐガラス片のように

 呼吸が内向きの毒矢のように

 他人がいばらの廻廊のように

 こころを血まみれにさいなんだ

 十二の破滅を憎もうとしても

 その罪は

 その悪は

 まぎれもなく自分のものだった

 この世を善悪で分けるなら

 自分は善の側にいる

 そんな思い上がった自尊心を

 粉々に打ち砕かれた

 完膚なきまでに世界に敗北した

 それならばいっそ

 殺してほしかった

 そんなに悪い存在なら殺してほしかった

 そんなに醜い存在なら殺してほしかった

 でもだれも殺してくれなかった

 砕かれたこころを拾ってくれなかった

 だから自分で葬ったんだ

 だから自分で廃棄したんだ

 これで満足だろ

 もっとも幸福だったぼくの

 もっとも穢れた罪の数々よ

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