表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/916

小箱

 無関心だった誰かが

 醜聞しゅうぶんを晒したとき

 やっぱりな きっとそうだと思ってた おれは前から見抜いてた 見ろよあの顔 いかにもだ 他のやつにはわからない おれはちゃあんと見抜いてた

 そんな誇りがしゃべりだす

 そのときの自分なら

 ためらわずに殺せそうだ


 別の道をたどった誰かが

 壁に当たって挫折したとき

 やっぱりな きっとそうなるに決まってた おれはやめろと言ったんだ 見ろよあの顔 情けない 分ってものをわきまえない おれは忠告したはずだ

 そんな叡知えいちがしゃべりだす

 そのときの自分なら

 迷わずに殺せそうだ


 生来せいらいの無神経で

 好きな相手を傷つけたとき

 しょうがない おれはなんにも悪くない 勝手に傷つくほうが悪い 見ろよあの顔 泣いている 弱いやつにはお似合いだ おれは毛ほども悪くない

 そんな強さがしゃべりだす

 そのときの自分なら

 惜しまずに殺せそうだ


 自分を殺したいと思ったときを

 小箱に集めてピンに留めれば

 死をおそれずに済むだろうか

 げらげら笑いながら寂滅じゃくめつできるか


 となりで猫があくびしてる

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ