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萎れた花

 おまえ誰なんだよ

 ぼくがせっかく錠を何重にもかけたのに

 なんでその扉を叩くんだよ


 誰も孤独に閉じこもることなんて

 本当に望んではいないでしょう?

 外には光が差し、花が咲いていて綺麗ですよ


 おまえ馬鹿なんじゃないのか

 光にも花にも吐き気がするから

 暗くした部屋から出たくないんだよ


 あなたの暗さは豊かですよ

 影を知らない者は

 輝くものの真価がわからない


 なんだ、おまえも暗いやつじゃないか

 そんな戯言で慰められれば満足か?

 反吐が出るから消えてくれ


 扉を開けるまでは消えませんよ


 おまえが消えるまでは開けないよ


 それならあなたには開く意志がある


 本当にうっとうしいやつだな


 あなたもなかなかの頑固者だ


 死んじまえ


 ええ、死にますよ


 死ね、死ね、死ね


 ええ、あなたが望むなら


 その声が消えてから数時間後

 少年が気まぐれで扉を開けると

 すぐ外に

 しおれたハナショウブが落ちていた

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