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死の本

 もうこれからは

 全詩集と聖書しかめくらないでおこう

 そう決めたときは清々したな

 自分を島流しにするような楽しさ

 思えば眠りと読書の時間を除いたら

 ぼくの人生は死児のように短い

 それは死児たちに失礼か

 でもダメだった

 結局めくらなくても

 こころに刻まれた書物の言葉は

 音楽と等しく許可なく思い浮かぶ

 物語のせせらぎ

 たまゆらの詩情

 顔も知らないだれかの記憶

 顔も知らないだれかの夢想

 幻でしかない人たちの恋

 幻でしかない人たちの死

 本がなければ死んでいたけど

 本があっても死ぬんだろうな

 死を忘れない本だけを読みたい

 死児たちを忘れない本だけを読みたい

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