10.弟子入り
目を覚ますと僕はベッドの上にいた。誰かが助けてくれたのだろうか。だとすればお礼を言わなければ!
僕は傷だらけの体を無理矢理起こし寝室であろう部屋から出る。そのドアの向こうにいたのは青髪のおじいさんと、白髪の少女だった。
「おお、目を覚ましたか。わしは『レマン』じゃ。そっちの子は『アルル』。よろしく。」
「ぼ、僕はレイです。先程は助けてくれてありがとうございました。」
僕は深々と頭を下げ礼を言う。
「レイ君、お礼はアルルくんに言うんだね。君を見つけてくれたのはアルルくん。ここまで運んでくれたのもアルルくんだ。」
僕は、アルルさんに頭を下げた。
「ありがとう、アルルさん。」
「んっ……」
僕が頭を上げるとアルルさんは逃げていってしまった。
「済まないね、レイ君。あの子は昨日わしが森のなかで見つけてここに連れてきたんだ。ボロボロになって倒れていたもんだからね。」
ワケありってことですかい?
「わしがあの子を拾ったのは可哀想だったからってだけではない。物凄い潜在能力を感じたからだ。だからわしは、あの子を弟子にした。一応わしはランク18だからの。」
僕は目玉が飛び出そうになった。
「ランク18ってすごいじゃないですか!」
「まあ落ち着きなさい。そこで提案だ、レイ君。わしの弟子にならないか?アルルくんにとって今1番必要なものは、友だ。だから、わしから頼む。わしの弟子になってくれ!」
超一流冒険者のレマンさんが僕に頭を下げる。
「頭を上げてください!僕もこの国に来て少ししか経っていないので友達が少ないんです。そして僕も強くなりたいのでこちらこそよろしくお願いします!!」
「ありがとう、レイ君。」
今日、僕はレマンさんの弟子になった。