マッチ売りの少女...だよww。
初めまして。メンタイコです!
作品を書くのは初めてですが、満足して頂けるものになっていると思うので、感想等お願いします。
私の考えたifは「もしも、マッチ売りの少女が父親思いの娘だったら」です。
年の瀬も押し迫った大晦日の夜、私は一人でマッチを売っていた。
それは、何もかもあの親父のせいだ。
それは、数時間前に遡る。。。
「おい、酒がもう、ねぇじゃねぇか!」
『は?そんなもの自分で取りに行けよ!』...なんて言えず、私は親父に言われるまま酒を棚から取り出し親父に渡した。
「何なんだ!この酒は!?安酒じゃねぇか!」
昔の親父は私の意見を尊重してくれるいい父親だったのだが...二年前、自らが営んでいる酒場が経営難らしく、毎日のように何らかの理由をつけては私を怒鳴る。...冗談じゃない!!
「そんなの私には関係ないじゃない。それに、もう、お金がないの!」
私は、初めて親父に反抗した。
しかし、それがまずかった。
「誰に口をきいているだ!」
『パチーン』
私は親父に頬を強く叩かれた。
「っつ...」
半泣きになっている私に親父はバスケットボールが1個分くらい入るサイズの籠にマッチが沢山入った物を私に突き出してきた。
「これを売って、金に変えてこい」
「はい。」
私はもう1回親父に打たれるのが怖ったので、籠を受け取り外に出た。
「リア充爆発すればいいのに...」
街は完全に年越しムードでリア充共がイチャついているのが視界に移り込む。
「マッチは要りませんか?マッチは要りませんか?」
私は親父に言われた通り、マッチを売り出した。
しかし、いっこうに誰も買ってくれない。
私は体が冷えてきたので、親父に怒られるのを覚悟でマッチに火をつけた。
そうすると火のの中に、一年前に亡くなった祖母の姿が現れた。
私の祖母は親父が経営難に陥り、私に暴力を振るおうとする度に親父から私を守ってくれるような人だった。しかし、祖母は私の首に手を伸ばし、首をきつく握った。
「く...くる...しい...」
私は必死に祖母の手を振りほどこうと抵抗するが、祖母の手は透けており、触れることが出来なかった。気を失いかけたその時、祖母が口を開いた。
「可愛い、可愛い、私の孫や...お前の父親は酷い男だ。一緒に天国へ行こう」
私はハッキリ言って親父とこれ以上一緒に暮らすのは、キツかった。
「うん、お願い。私を楽にさせて」
私は祖母の手に触れようとすることは辞めて目をつぶり、死を迎えるのを待つことにした。
しかし、私の脳裏には私が死んだ後、残された親父の姿が浮かんだ。
周りの人々に迷惑をかけないか...一人で寂しくないか...きちんと生活を送れるのか。。。
そればかりが脳裏に浮かぶ。それに、親父はもしかしたら、昔みたいに優しかった親父に戻るかもしれない。そんなことばかりが脳裏に浮かぶ。
しかし、もう、遅かった。
私は死んだのだ。
体から抜けだし、霊体となった私は段々と空高くへ登っていった。
その時、私の体の元に誰かが駆寄ってきた。...親父だ。
私の元に駆け寄ってきた親父は、私の遺体をみるや泣き崩れた。
「どうしてこんなことに...俺が悪かった。お前が居なくなってようやく分かったよ...お前の大切さに。お願いだから戻ってきてくれ!もう、暴力は振るわない。お前の好きに生きたらいい!だから...だから...」
親父は今まで見た事のない顔をしていた。泣き崩れている親父を面白がって写真を撮る若者もいたがそんなのには目もくれず、親父は大きな声で泣いた。
...戻りたい。親父の元へ...戻って親父の背に抱きつきたい。親父のあんな顔は見たくない。笑っている顔がみたい。
しかし、私は段々空高くへ登って行く。もう、戻れない。私は死んだのだ。もう、いくら戻りたいと思っても戻れないのだ。
...どうだったでしょうか?
もしかしたら、物足りなく感じた人もいるかもしれません。
それなら、そうと感想をしてくだされば光栄です。
今はオリジナル作品を執筆中です。なのでその作品をより良くするための糧にさせていただきますσ(´ω`*)