ピルグリミッジ
※この話は「pilgrimage」の歌詞からイメージした超短編です。
15歳の今日。ぼくは、旅人になった。
母と兄が泣きながらぼくを見送ってくれた。ぼくも泣きそうだったけれど、強くなったぼくは泣かない。だって、ぼくは旅人になったのだから。
何をするかは決まっている。
まずは都に行く。次は世界のへそにある花畑に行く。そして竜の棲む山に行って、天空にある島の遺物が落ちてきてできた遺跡を通って、時計台と海の町に行く。そこから国境にある野原へ行って、英雄ルルイの墓に行くのだ。
旅はとても長く、とても険しい。なぜなら英雄ルルイの旅路を行くからだ。
ぼくはこの旅を通して知りたいのだ。英雄ルルイがどんな人で、どうして姿を消したのか。ぼくは、なぜ英雄ルルイは英雄であるのかでさえ知らない。それでも、ぼくは英雄ルルイのことを知りたくてたまらないのだ。
だって、英雄ルルイは、ぼくの父さんだから。
待っていて。父さん。ぼくは父さんの背中を追うから。
さあ、旅に出よう
忘れないうちに
私、今探しに行きたい
トトリ、大好きだったなあ。