官と民 3
《了解、度肝抜いてやりますよ。ギーク、通信終了》
その言葉を聞いて、メガロドンはマックの顔を見上げた。
「マジでやるつもりだぜ」
「ああ、ずさんな作戦だ。あの戦力では仕方ないかもしれんがな」
ギャルド・モンドのチームはシャンプーシャン村周辺で待機している隊員の無線を傍受し、溜息をついた。
確かに五つかそこらの銃では数百の軍団を排除するのは困難だが、頑丈な大型兵器が一つあれば戦意を圧し折って無力化することなら出来る。彼らはアイアンドッグの武装をフル活用し、軍団としての機能を破壊しようとしているのだ。
部隊を無力化するには十分だろう。しかし、逃げ散った敗残兵が生き残るために何をするかを考えれば、完璧な作戦とは言えない。もちろん最善を尽くしているのはわかるが、それはまた別問題である。
「どうする?」
《全員、聞け》
シャンプーシャン村を狙うダギーズが張る陣地の背後には、彼らが突破してきた深い森がある。そしてダギーズにはアイアンドッグを破壊するのは極めて困難。十中八九、傷一つつけられずに散り散りになるだろう。果たして、脱走兵に冷静な思考があるかどうかは怪しいものだが、道理で考えれば安全なのは森だと考えるだろう。
そこで集結した戦力は果たして、ダギーズなのだろうか。それとも強盗か。マックは後々の事を考えて、どちらにせよ始末しなければならないと考えた。
恐らく、彼らをこの地に向かわせた新自由国家同盟はこうなる事を予期していたのだろう。
《俺とメガロドンとギュスターブ、ママキーヤとウージーに別れて森に展開する》
相手は連携もへったくれもない小規模な集団だ。戦意のない獲物を狩るなら、その程度の戦力で十分だ。
《一人か二人、投降してきたら捕虜として確保しても問題ないが、無理はするな。少しでも懸念があれば投降しても撃て。連中は正規軍じゃない犯罪者だ、条約は適用されない》
《それに、ウダウダ抜かす奴らの目もない。だろ?》
実にその通りだ。ギュスターブの発言に一同は笑った。
《それじゃあ野郎ども、退屈な仕事だろうがよろしく頼む》
全員とハイタッチを交わすと、不気味な一団は暗い森の中散開した。




