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へんてこなオオカミとヒツジの話

作者: やまくま
掲載日:2017/07/27

これは、へんてこなオオカミとヒツジのお話です。


林のなかで、一ぴきのヒツジがのんきに草をたべていました。

そこへ、一ぴきのオオカミがあらわれました。


「あのー、わたくしオオカミというものですが……」


オオカミがちかづくと、ヒツジはかおをあげました。


「見たらわかるよ。どう見たってヤギには見えないもん」


「そ、そうですね。しつれいいたしました」


オオカミは、へらへらわらっています。


「いやあ、ヒツジさんはいいですね。たべるものがいっぱいあって。

ほら、あっちにもおいしそうな草がはえていますよ。うらやましい」


ヒツジは、だまって草をたべつづけました。


「それにくらべて、わたくしたちオオカミときたら、

ほかのどうぶつをたべないといきていけないんですよねー。うーん。こまったもんだ」


オオカミは、ヒツジのまわりをうろうろしています。

ときおり、ちらちらとヒツジを見ています。

ヒツジは、もくもくと草をたべつづけました。


「あー、おなかすいたなー。このまえしょくじをしたのはいつだったかなー。

たしかウサギをたべたはずだけど、ずいぶんまえだなー」


オオカミが、ひとりごとのようにいいました。

コホンとせきをすると、ヒツジにかおをちかづけました。


「そこでごそうだんなんですがね。あなたをたべさせてもらえないかと思いまして……」


オオカミは、にっこりとわらいましたが……。


「だめだよ」


ヒツジは、しらんかおで草をたべつづけました。


「そ、そうですよね。ヒツジさんのいうとおり! オオカミにたべられたいヒツジなんて

いない、いないばあですよね。ははは……」


オオカミがじょうだんをいっても、ヒツジはわらいません。


「では、これならどうでしょう。おしりをひとくちかじらせていただくというのは……」

「いやだ」

「うーん。そうですか。それじゃあ、こうしましょう。足一ぽんだけでがまんします」

「だめ」

「じゃあ、じゃあ、みみだけは?」


オオカミがなにをいっても、ヒツジのこたえは「だめ」「いやだ」ばかりです。

オオカミが、あたまをさげました。


「ああ、おねがいしますよ! あなたをたべさせてください! もう、はらがへってしにそうなんです!

もしかしたら、もう、しんでるかもしれないんですよ!」

「しんでるわけないよ」


ヒツジはやっぱり、しらんかお。

オオカミは、とうとうひっくりかえって、だだっ子みたいに足をばたばたさせはじめました。


「ああ~ん。やだやだやだやだ、たべたい、たべたい、たべたーい。

たべさせてくれるまではここかからうごかないぞー!」

「それじゃ、ずーっと、ここにいればいいよ」


ヒツジは、とことことかけだしました。


「うわ~ん、まってよー」


オオカミがなきながら、ヒツジのあとをおいかけてきます。


「はあ、しつこいなあ。これだからオオカミっていやなんだよなあ」


ヒツジは、ためいきをつきましたとさ。


おしまい


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