外へ
赤ん坊の頃の僕らの世界は
小さくて狭くて、まるで鳥かご
入れられたばかりの僕らは
その小さい世界が退屈で外の世界に憧れた
少し成長した僕らの世界は
家の中、鳥かごが開けられたのだ
だんだん窮屈になってきた家の中
僕らは窓の隙間から外へ飛び出した
大人になった僕らの世界は
ついに家の外、大きくて広くて
出たばかりの僕らは
これ以上の広がりを怖れて、入れそうな家を探した
年老いた僕らの世界は
狭くて小さくて、また鳥かご
自分で望んで入った
あの家から飛び出す勇気が湧いてこなかった
外の世界に憧れた
その憧れた世界は広すぎた
いや広いと思い込んでしまった
壁が見えなかったから怖くなってしまったんだ
そんな僕らに構まず遠くへ飛んでいく奴がいた
そいつの目には僕らには見えていない景色が映っていた
そいつに聞いた、「どこまで行くんだ?」
そいつは言った、「壁の外まで」