第一章 14話 オーディ
『ハル?ハル!?』
人間界にも戻れず精霊界にてどうする事もできず起きないハルを心配する一同
そんな中、一人の(?) 女性が話しかけてきた
『人間界の者を精霊界に入れるなんて…そりゃ耐えれんわ』
姿は神々しい女神様のような外見の人間らしい精霊だった
『オーディ様…お久しぶりです。そのこの方は私の恩人で…どうしたら…』
レインは泣きそうな顔をしながらオーディと呼ばれる彼女に助けを求める
『レイン、貴方は今までどこにいたのよ!?心配かけて…まったく』
オーディは腰に手をあて、レインを叱り始めた。
『あ、あのオーディ様?』
そんなオーディにレインは珍しくタジタジになり引き気味だ
『……まぁ、聞きたいことは山程あるけど後にしましょう。その少年、儂が預かるわ、いいよな?レイン』
『はい、ハルをよろしくお願いします』
『ハル君って言うのね…しばらく待ってて、そこの少年の事は気になるけど…』
アルビスの事を指さし睨み、そしてハルを治療する為に奥の部屋へと入っていった
『……オーディ…様?だっけ?私の正体バレてたりするかい?レイン』
『バレてるでしょうね、オーディ様は精霊界での上の方にいるお方ですし…』
『私……消されるんじゃないか』
『そもそも貴方が精霊界に来るのが間違ってるんです、消されるに決まってるじゃないですか』
レインは呆れた顔だが内心、邪魔者が減るな…と喜んでいた
『お望みなら消してやるが』
後ろにオーディがニッコリと笑って立っていた
それを見た二人は恐怖で体が凍りつくが、アルビスはぶんぶんっと取れそうなほど首を横に降る
『ははっ、まあ、そんな事よりレインどういう事だ?ハルと言った少年あれは…』
『わかりましたか…そうです…ですが…』
レインはアルビスの方をちらりと見た
『なるほど、アルビスと言ったか…貴様は…タートルの息子だな』
『な、何故それを?』
『似ておるし…同じ波動を感じる』
波動とは、上位精霊が見る事のできる生きる者全てに流れてるもの、その波動をオーディは感じとる事ができる
『波動、ですか…でも父上ってそんなに有名だったりするんですか?』
『貴様知らんのか、タートルはレイヴを作った…この世に一番最初に生まれたレイヴ』
『はっ?え?父上が?でも!え、』
アルビスはわけがわからないと言った様子で混乱していた
『ふむ、レイヴとは元はと言えばあいつ…タートルの本名だ』
『…待ってください、おかしくないですか?私の父上は不老不死だとでも言うんですか?それに、レイヴは一族として希少とは言え何人もいたはずです、いろいろと矛盾してるかと』
『アルビスよ、一遍に聞くな落ち着け。説明してやる』
タートルの本名はレイヴだった!?今、レイヴ誕生秘話、壮絶な過去が明かされる…予感




