本音
ついに20話目になりました。
ブックマークや評価してくださった皆様どうもありがとうございます。
凄い作者のやる気になります!
これからも書いていくのでよろしくお願いしますm(._.)m
俺が父様達の居る部屋の扉を開けると、
あれ?父様一人しかいない?
他の人はどうしたんだ?街が騒がしいのはやっぱり何かあったのか?
そんな事を考えていると。
「アルフォンス、ちょっとこっちに来なさい。
大事な話だ。」
「はい。」
呼ばれたので正面の椅子に座る。
「今この街が騒がしいのはわかっているな?
寧ろその件についてここに来たのだろう?」
「その通りです。
街で何かあったのでしょうか?」
「今からそれについても説明する。
…この街が今騒がしいのはこの街に向かって魔物の群れが向かってきているからだ。
魔物の数はこの街の住民よりも多くかなり危ない状況になっている。
だからお前には今すぐこの街を出て他の街から援軍を読んできてほしいのだ。
もちろん護衛に騎士数名をつける。」
「その魔物の群れは強いのですか?」
「ーーいや、そんな事はない。
ただ、数が多く今この街にある戦力では少し手間取りそうでな、だから援軍が欲しいのだ。」
嘘だ。
きっと魔物の群れは話以上に強いか他の何かがあるはずだ、自分でもよくわからないけど、なんとなく嘘をついてることはわかった。
それにそもそもの話、いくら領主の嫡男だからといって伝令を任せるのはおかしいはずだ。
伝令は速さが大事のはず、それなのに態々お荷物をつける必要は無いだろう。
ここで「はい、そうですか。」と返事をして伝令に出てしまったらきっと後悔する。
それだけはしたくない。
また両親は失いたくない。
生まれ変わって、
人生をやり直して前世では知らなかった両親っていう温かさを教えてくれたこの人達を置いていきたくない!
一緒についてきた騎士さん達だって帰りを待つ恋人や家族がいるはずだ!
だから、俺は…
「それは出来ません。」
「ーー何故だ
これはこの地をおさ「そう言って俺だけを逃すのか⁉︎」…なに?」
俺は悲鳴のような声をあげていた。
気が付けば俺の両眼からはボロボロと大きな雫が溢れ絨毯に大きなシミを作った。
「俺はっ!後悔したくないんだっ!
ここで伝令役をやってこの街から離れたらきっと後悔する。
伝令役なんて方便で俺を逃すためなんでしょ?
俺だって戦える!
ここで父様達と一緒にこの街を守る!
『貴族は民を守るためにある』
いつも父様が誇らしそうに言ってた言葉です。
俺だって貴族だ、この街を治める領主の息子だ!
ケイニッヒ家の、父さんと母さんの息子なんだ!」
「しかし、それは…」
「…もう家族を失いたくないんだ。
父さんと母さんが居なくなったら俺はどうすればいい?
これからもずっと一緒に家族で暮らしていきたいのに一人残されるのは…もう嫌だ!」
これはアルフォンスでもありながらも如月空の言葉。
俺の前世からの魂の言葉だった。
ボロボロ泣きながら俺は断固拒否の姿勢を見せると父さんは、
「わかった…
お前に伝令役を頼むのは止めにしよう。
色々聞きたいことも出来たしな。
まずはこの戦いを生き残ってから色々と話し合おうじゃないか」
そうカッコつけてる父さんも涙声だった。
父様…いや父さんと話し合ってから何処かに感じていた心の壁の様なものは無くなっていた。
なまじ前世の記憶があるせいで俺は父さんと母さんに勝手に心の距離を置いてた。その事に気が付きながらも気付かないふりをしていたんだ
前世から欲しがっていた親の愛情にもどこか「これはアルフォンス・ケイニッヒへの愛情であって如月空への愛情ではない」と思っていた。
だけど今回の件でまた両親がいなくなるかもしれないと思った時やっと気付けた。
今度の人生だって俺の人生だ、どっかの知らないアルフォンス・ケイニッヒじゃ無い、前世だって今世だって俺だけの人生だったんだ。
こんな簡単な事に気がつくまで3年もかかったけど、今度の俺の人生はまだまだ終わらない、終わらせねぇ。
俺の第2の人生邪魔する奴は悪魔だろうが魔王だろうが関係ねぇ全部ぶっ潰してやる。
俺はそう誓って魔物を迎え撃つための準備に入った。
読んでいただきありがとうございます。
これからアルフォンスのチートが発揮される予定です!
次の投稿もできたら今日中には投稿する予定です




