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ページ10 決めた!!

「王子様…」


あれからずっと探してるけど、王子様は見つからない。


「妃波、大丈夫よ、きっと!」


「死んでないよね…?」


「だーれが死んでるって?」


突然草むらから声がした。


それは紛れもなく王子様の声!!


「王子さ…じゃなくて壱斗くん!!」


「心配かけてすまない。俺は…」


「無事で良かったっ」


私は思わず抱きついてしまった。


「…!ごめんなさいっ」


ぱっと離れる。


なんて大胆な事、しちゃったんだろう…。


恥ずかしくて顔が真っ赤に火照ってる。


「…おい壱斗、もしかしておまえ…」


リッシュが何かに気付いたのか、王子様に近付いて言った。


「グリニーダという方にお会いしてました。」


「グリニーダ?」


誰なの?っていう私の疑問はスルーされて。


2人で話し始めた。


「やっぱり…この花の匂いはグリニーダしかいねぇ」


私には何も感じないけど、リッシュには分かるみたい。


「あの方は一体…」


「グリニーダは草木の精霊。俺様達より遥かに年上だがな。」


王子様はこの答えに納得している様子だった。


「リッシュってグリニーダ苦手だもんね〜

いつも説教されててさっ」


フィーナが話に入ってく。


「フィーナ言うな!!

…まぁ確かに苦手だが。」


俺様リッシュにそんな弱点があったなんて。


「グリニーダから全部聞いたのか?」


「…あれが全部かはわからないけど」


「ねぇ、全部って一体何の話?

もしかしてさっきの化け物の事?

私にも教えてっ」


私だけが何も知らないなんて。


「……」

「……」


リッシュもフィーナも、王子様も沈黙した。


「…妃波、さっきの化け物は…」


やっと沈黙を破り、王子様が話し始めた。


そして、グリニーダという精霊といた事。


さっきの化け物の事。


スタールージュというリッシュが拾っていたあの赤い石の事。


私達だけが使える力。


グリニーダから聞いた全てを話してくれた。


「……世界に訪れる災厄って、スタールージュなの?

そして私達は化け物を倒さなきゃいけないって事?」


「化け物を倒し、スタールージュを回収するのが俺様の役目。

それには石の力を消す事ができる、妃波や壱斗の力が必要だ。

石は生物に憑く時に全ての力を使い変化する。

つまり化け物を倒してしまえば、石の力は消えるという訳だ。

だが、完全に破壊する事が出来ないから封印しなければいけない。

それが出来るのは神だけだ。」


「…私達はさっきのみたいな化け物をいっぱい相手にしなければいけないって事だね」


それが私達に課せられた運命ならば、やってやろうじゃない!


もし元の世界に帰れるなら、きっとコレはやり遂げなきゃダメなんだと思うから。


「私、決めた!!

壱斗くん、リッシュ、フィーナ…闘おう。

私はこんな運命なんかに負けない!

絶っっ対この国に平穏を取り戻す!!」


王子様はコクンと頷いた。


「おまえ達だけじゃ頼りないから俺様も頑張ってやるか!」


「まぁたリッシュは!!

やらなきゃいけないんだよっ」


フィーナはそう言ってリッシュの背中をバシバシ叩く。


……こうして私は世界を救う決意をした。


他の誰でもなく、私と王子様にしか出来ない事。


だから、私達がやるしかない!


決意新たに、私達はまた歩き出した。


次に私達を待ち受けるものは何だろう――。


―――その頃のグリニーダは…


「すぅ…すぅ……」


久々に術を沢山使ったので、魔力を回復中。(ようするに昼寝中)


そのあたりは精霊でも普通のおじいちゃんと変らない。

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