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あの夏を忘れない  作者: エイノ(復帰の目処が立たない勢)
第一章 陸上と野球 一年生編
11/88

成南高校戦開始!

 サードを守る僕の左手に、尋常じゃないくらいの汗が吹き出る。

後がない公式戦は、こういうものなのかと実感した。



 ここで捕捉として、明秋高校の守備位置を紹介しよう。



ピッチャー 二年生 木下(きのした) (つよし)

右投げ右打ち


投手力C

打撃力D

守備力C

走力C

ガッツB



キャッチャー 一年生 内藤(ないとう) 大翔(ひろと)

右投げ右打ち


強肩A

打撃力A

守備力B

走力D

ガッツSS



ファースト 三年生 石塚(いしづか) 真人(まさと)

右投げ左打ち


強肩B

打撃力B

守備力B

走力C

ガッツC



セカンド 二年生 鈴木(すずき) (まこと)

右投げ右打ち


強肩C

打撃力B

守備力A

走力A

ガッツD



サード 一年生 山岸(やまぎし) (れん)

左投げ左打ち


投手力A

打撃力D

守備力AA

走力S

ガッツS



ショート 三年生 住田(すみた) 龍之介(りゅうのすけ)

右投げ左打ち


強肩B

打撃力A

守備力B

走力A

ガッツA



レフト 二年生 東海林(しょうじ) 武彦(たけひこ)

右投げ右打ち


強肩B

打撃力C

守備力C

走力C

ガッツA



センター 三年生 五十嵐(いがらし) (つとむ)

右投げ右打ち


強肩A

打撃力E

守備力B

走力A

ガッツB



ライト 二年生 神田(かんだ) 東信(とうしん)

右投げ左打ち


強肩A

打撃A

守備力E

走力E

ガッツC



 以上が、明秋高校の守備位置だ。



 ピッチャーの木下さんは深呼吸をした後、両手を空高く掲げる。


「締まって行こう!」


「オォォォ!」


 気合いを入れるように、それに答える。以前までは、この声だしさえままならなかった。チームの団結力を作るには、声だしが必要不可欠だと皆知ったのだ。


 成南の一番バッターが、右バッターボックスに構える。内藤は木下さんにサインを送る。どうやら、一球目は木下さんに任せるらしい。サードの位置からでも、そのサインは容易に掴める。




――ザシュ――




 木下さんはマウンドの土を蹴りあげ、大きく振りかぶり、第一球を投げた。

 風を切り裂き、内角低めにボールは外れた。結果的にボールにはなったが、ストライクになってもおかしくないくらいのコースだ。

 どうやら、立ち上がりは悪くないようだ。最初の一球を見て、僕はそう思った。

 続く二球目は、目の覚めるような投球だった。




――ズバン――




 ど真ん中に投げられたボールは、内藤のキャッチャーミットに吸い込まれた。文句なしのストライクだ。

 ベンチの佳奈さんと千秋は、思わず声を上げる。


「ナイスピッチング!」


 その声援を聞いた木下さんの白い歯が溢れる。

 カウント、ワンストライクワンボール。

 三球目、外角に僅かに反れたボールをバッターが振り抜く。詰まった当たりは、ツーバウドしてショートの住田さんに転がった。

 住田さんは、これを難なくさばきワンナウトをもぎ取った。

 住田さんは、人差し指を高々と挙げ、


「ワンナウト!」


 と、叫ぶ。

 照り付ける太陽の下、僕は思った。


『野球をやって良かった』と。


 その後、二人目の打者を三振に打ち取り、三人目はピッチャーゴロに打ち取った。

この回僅か三人……三者凡退に打ち取ったのである。


 そして、我が明秋高校の攻撃が始まるのであった。


打順は、

一番 山岸

二番 鈴木

三番 内藤

四番 住田

五番 神田

六番 石塚

七番 東海林

八番 五十嵐

九番 木下


 一番バッターの僕は、ネクストバッターサークルで軽く素振りをした後、左打席でバットを構えた。


「お願いします」


 ヘルメットを取り、一礼をする。

何だか、嘘みたいだ。昨日、今日始めたばかりの野球で、この場に立てるとは。

 そんなこと思いながら、マウンド上に立つ成南のピッチャーを見つめた。



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