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彼と彼女の…  作者: 羽海野 八尋
彼と彼女の出会い
3/3

2.10年ぶりのはとこ



千代子さんのお家に泊まり込みでのお世話キャンプもそろそろ3週間目に突入しようとしている。

1週目の間、チェックにチェックを重ねて千代子さんのお家内部を把握した結果、徐々に家事にも慣れてきた。

午前中にあらかたの家事をササッと済ませて午後は千代子さんとお茶をしながら語らう、なんていう素晴らしい生活リズムができあがってきて私はたいへん幸せです、むふふ。


そして只今、今日も今日とて元気に朝から洗濯物を干してる真っ最中。

千代子さんのお家では洗濯物を日当たりの良い庭に干せるから、洗い立ての洗濯物からお日様の香りがしてすごく気持ちが良い。

洗ったタオルケットを物干し竿に掛けながら今夜就寝時に嗅げるであろうあの香りを想像すると、自然と顔がにやけてきちゃうし、鼻歌まで歌っちゃう始末。

153cmと微妙に低い身長の私にとって物干し竿に洗濯物をかけるのは重労働だけど、頑張って背伸びしながら干してます。

物干し竿に挑んでいる間の鼻歌がすごくきつそうなのはゴアイキョウで。

そうやって洗濯物片手に物干し竿と格闘を繰り広げていたら、背後の縁側の方から誰かが歩いてくる音がする。

まぁ、誰かって言っても千代子さん以外あり得ないんだけども。


「ふんふふ~ん♪千代子さ~ん、今日のお昼は野菜炒めとお素麺で~すよ~♪」


と鼻歌交じりに今日のお昼の献立を発表しがら千代子さんの方を振り向くと




「・・・あれ・・・・ち、ちよこさ・・・・あれ・・・・。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・・・・・だ、だれぇぇ!!!」




そこには優しい笑顔を浮かべた千代子さん・・・ではなく、超絶美少年が困惑した表情で立っていました・・・。







  □ ■ □ ■






「あら、なぎちゃんはゆうのことは覚えてなかったのかい?」

「ほ、ほら・・・だって10年ぶりの再会だし・・・なんというか・・・ねぇ?」


縁側に立っていた美少年は千代子さんの体調不良を聞きつけて様子を見に来たはとこの山中悠樹くんだった。

悠一おじさんのとこの長男坊で、とっても落ち着いた雰囲気を持った15歳の中学3年生。

薄いとはいえ本当に私と血のつながりがあるのかと疑いたくなるくらいとっても綺麗なお顔の持ち主だ。

たしか最後に会ったのは、我が家(大野家)が大分から福岡に引っ越す日で、私が9歳の頃・・・つまり、ちょうど10年前だった。

当時はけっこう仲良くしていたからか、悠樹くんは久しぶりの再会でも案外すんなり私を受け入れてくれたようだった。

問題は、さっきのこと(鼻歌とか鼻歌とか鼻歌とか)が恥ずかしくて、穴があったら入りたい状態の私の気分的なものだけで・・・まあそんなもん、そう大して長続きもしないんだけども。


「僕はなぎ姉ちゃんのことしっかり覚えてたのになぁ。」

「えぇぇ、だって悠樹くんすごく成長してるんだもん・・・」

「そう?」


そうですとも。

だって、あんなに小さくて天使のようだった悠樹くんが私の身長を越してるから。

10年前の悠樹くんは9歳の私のみぞおちくらいまでしか身長がなかったのに、今では私の目の高さに顎が。

顔も大人っぽくなってる。

これで気付け、っていうのも厳しいくないかい?


「まぁ僕もなぎ姉ちゃんに会ったのは5歳の時が最後だった気がするし、仕方ないのかな?」

「5歳と15歳の違いは大きいよ。特に男の子なんてもうすごい成長しちゃってるし・・・」


そう言いながら悠樹くんの身長を確かめるようにチラッと頭の位置を確認した。


「ん?何、なぎ姉ちゃん?」

「なんでもないよ。」

「僕、今163cmだよ。」


き い て な い の に。いや、正直気になってたけど・・・。

そして私より10cmも高い。私のみぞおちくらいの天使のような可愛い悠樹くんが。

小さい頃から変わらないのは、そのびっくりするくらい整ったお顔だけですか、なんなんですか、もう。

嗚呼、神様って不公平。




やっと男の子出ました・・・!

のろのろペースですが、がんばります!

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