表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

聖夜クリスマス ―彼らはいかに過ごすのか― アンジェル・サージュ&トイフェル・ディーナーver.

作者: 森野涼子

クリスマス。それは確か、キリストたちを祝うようなそんな日。

今の日本ではカップルたちがワイワイとしはじめる頃。

そんな非リア充にはきつい一日であるが。


彼らは、いかにして過ごすのだろうか。


『聖夜クリスマス ―彼らはいかに過ごすのか― アンジェル・サージュ&トイフェル・ディーナーver.』



___________________________________________


「おねーさまー!」


「どうしたの?」


「今日はクリスマスですよおねーさま!」


「そうね、今日はクリスマスね」



森の奥の大きな館で二人の少女がわいわいとしていた。

言うまでもないだろう、堕天使のアンジェルとその使い魔のトイだ。

世間はクリスマスというが、この森にはそんな気配は全くない。

ごく普通の、当たり前の一日と変わらない朝だ。


「そんな淡白な感じに言わないでください―!」


「そんなこと言われても……ねぇ?」


「もー!おねーさまー!!」



えらく対称的な二人だが、普段はもちろんこんな風ではない。

男がらみとなれば一致団結してその男を「討伐」しにかかるし、二人が力を合わせたらそれこそ大惨事間違いないのだ、色んな意味を込めて。


そんな中、どうしてこんなにアンジェルが淡白な反応しか返さないのかというと――――


(今年、雪降らないのかしら……)


昨日の夜からずっとこのことについて考えていたからである。


当のトイは知らないのだが、この森は毎年24日から25日にかけてホワイトクリスマスになることがほとんどだったのだ。

昔は吹雪という名の話し相手がいて、楽しかったのだがここ数年は一人で寂しくホワイトクリスマスを迎えていた。


ようやくトイという名の話し相手ができたというのに、その1年目に異例の雪の降らないクリスマスを二人で過ごすなんて、と少し気が沈んでいるのだ。

今日はその25日。一日の始まりは、この真冬にしてはとても温かい朝だった。



「おねーさまー?」


「……え?」


「ずっと外見てますけど……どうかしたんですかー?」



あまりにも外が気になりすぎて、中にいるトイに全く目がいかなくなっていたアンジェル。

ふと目をトイに向けてみると、ものすごく不機嫌そうな顔で我が主の顔を見つめていた。


「そんなに外が気になるですか―?」


「え、いや……」


柄にもなく返す言葉が見つからない。正直さっきまでトイが話していたことが全く耳に入ってこなかった。

それほどに楽しみにしていたことから見放された痛み。おわかりいただけるだろうか。



「それじゃあ、ちょっと外出るです!」


「え?でも外寒い――――」


「そんなの知るかです!おねーさまがそれで満足するなら、外出て思いっきり遊ぶです!」


「いや、そう言うことじゃなくて――――」


「そうときまれば早速準備です!お手伝いするです!」


「ちょ、準備くらい一人で―――――」


「だーめーでーす!むしろ私がやりたいです―!」


「や、やめっ・・・・・・」


ここまで押し込まれているアンジェル。

ここからは少々お待ちください――――――――


「と、トイそこは……あっ」


「細かいことは気にするなですっ!」

________________________________________



「全く……着換え位一人でできるっていうのに・・・・・・」


すっかり暖かそうなコートに身を包んだアンジェル。そのよこでコーディネートしたトイが満足そうに微笑んでいる。


「やっぱりおねーさまはどんな服を着てもかわいらしいくて美しくて、さすがって感じです!」


「褒めちぎっても何も出ないわよぅ……」


そんなアンジェルは白いコートに紅い毛糸のマフラー、ニット帽と白い手袋という、シンプルな感じではあるが、白いコートが彼女の金色の髪の毛を際立たせている。

さすがトイのセンスと言わざる得ない。完璧に着こなしているアンジェルも凄いが。



「さぁ、外へ出て一緒に!」


「あ、うん……」



きっと外に出ても雪は降っていないんだろう。

そんな風に思うとまたちょっと鬱々とした気分になる。

嫌いじゃないのだ、むしろ「雪」という新たな話題が出るから好きなのだが。



「おねーさま、いまからそんなてんそん低かったら絶対楽しくなれないですよ―?」


「雪……」


「へ?」


「いつもだったらね、昨日の夜から今朝にかけて雪が降ってホワイトクリスマスになるの。だからそれを話のネタにして、トイとさらに楽しく話がしたかったんだけど……今年は例外みたいね」


「?何言ってるです?」


「え?」



何を言ってるんだこの人は、と言うような目で主の顔を見た後、ガチャと扉を開けると―――――



「……ほえぇ?」


「確かにおねーさまがさっきみてたところは日当たりが良くて雪溶けてたですけど、確かに昨日は降ってたですよ?それに今夜も寒気が来てまた雪が降るって言ってたです!」


「……ホント?」


「あったりまえです!だから元気だして、存分に遊ぶです!」


「…そうね!!」


「雪合戦です!負けないです!」


「私だって負けないわよ?トイ、さっきの着替えのお返し、忘れてないわよね?」


「ふ、ふえぇ?あれはおねーさまを元気にさせようとですね――――」


「か・く・ご、しなさい?」



「ひええええええええ!!」





_________________________________________


そんな彼女たちのクリスマス。

あなたはいかが、お過ごしだろうか。

いかがでしたか?どうも森野です!

今回は百合カップr……もといアンジェルさんとトイちゃんのクリスマスの過ごし方でした。

設定的に隠れ家的な所に住んでいる設定なので、そんな隠れ家でのクリスマスを書いてみたつもりです←


いかがでしたでしょうか?

感想等はいつでもお待ちしています!よろしくお願いします><


では、この辺で失礼いたします(`・ω・´)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ