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練習試合

相変わらず主軸に入らずに終わってしましました

次こそは… 頑張ります

駄文にお付き合いいただいている皆様 本当にありがとうございます。

とても励みになります m(_ _)m

「水森さんって?」

「インハイに出た人だよ 表彰台は逃したけど 5位になった強者」

「すごいね 全国5位かぁ 」

「夏美も強いと思ってたけど… 綾乃は別物だわ」


ふっと笑ってこちらを見て話を続けた


水森みずもり 綾乃あやのさん それが先ほど見た黒髪の美少女の名前だった

佳織の話によれば 旧家のお嬢様で成績優秀 身体能力抜群 性格も良く 容姿端麗

非の打ち所なんて無い『完璧人間』って言葉がぴったりな人 らしい

そんな人間がいるなんて… すごいね

うんうんと聞き入っているうちに 目的地についてしまった


「ここがロッカールームです」

扉を開けて 手で押さえて皆さんには中へと入ってもらった


すれ違いざまに佳織が

「絶対に試合してもらいなね もちろん私とも試合しようね」

と言い残し 中へと入って行った


道場に戻ると 部員総出で試合の準備を行っていたので 

遅ればせながら私も準備に参加した


胴着に着替えた成風高校せいふうこうこうの部員たちが揃うのを待って 

練習試合が始まった


男子の方は 相手校の顧問が審判を行っている 

ということは…

「お~い 女子 始めるぞ」

はぁ 藤村先生の審判か ちゃんと見ているのかいまいち信頼できないんだよね


そのまま視線を泳がすように 道場を見渡すと 

出入り口近くの壁際に智兄の姿があった

バタバタしていたから気付かなかったけど いつの間に来ていたんだろう

ぼ~と眺めていると もう1人男の人が入って来て 智兄の横に並んで腰を下ろした


誰だろう 知り合いかな?

目線を外せずに眺めていると 何かを喋っているようだった

後で聞いてみようかな… などぼ~と考えていたもんだから

藤村先生の声など まるっきり耳に入っていなかった

隣に座る茜にわき腹を肘でつつかれ はっと我に返る


「九条 今すぐ出て来い 出てこないと試合放棄とみなすぞ」

前にも何度か呼ばれていたのだろうか 先生の声はイラついていた


「すみません 行きます」

面を付け竹刀を持ち 立ち位置へと移動する

そういえば 誰とやるんだろう? 相手の名前も聞き損ねていたが

向かい合った相手の顔はもちろん面で隠れているが 面越しに目が合う


一瞬だったがその瞳が 暗く深い悲しみ…それとも絶望の色をしている

と なぜだかそんな様に見えた


「始め」

審判から合図がかかる 再び見つめた瞳には先ほどの色は無く

そんな事を感じた事すら忘れてしまう なぜなら

相手の構えには 一分の隙もない それどころかこちらが

一瞬の緩みでも見せれば 躊躇なく打ち込まれる


緊張感から喉の奥がヒリヒリと焼け付くように熱くなる ごくりと唾を飲み込んだ瞬間

「胴っ」

中段に構えた相手の竹刀が動き そして気づいた時には

「胴 1本」 

見事にクリーンヒットを貰ってしまっていた


立ち位置に戻り 再び構えを取ろうとすると

「今日は時間も少ないし 正式な試合じゃないから1本勝負だぞ 

聞いてなかったな… 九条」

と藤村先生から言われてしまった


礼をして戻ろうとすると

「九条はそのまま 後3試合行くぞ」

「えっ?」

「うちは圧倒的に人数少ないからな まぁ頑張れ お前ら体力だけはあるだろう」

先生は 嫌味たっぷりな笑顔を浮かべていた


それからは ひたすら一心に竹刀を振る時間が続いた

茜が出ている間が唯一の休憩時間だが 汗を拭き水分を取り一息つくと

すぐに面をつけて立ち位置へと向かう 

結局 成風の女子全員と一本勝負をした


「はぁ~ 疲れた」

怒涛の練習試合は終わり 私と茜はぐったりとしていた


「夏美 お疲れ 」

佳織が爽やかな笑顔でやってきた


「ホント疲れたよ 」

「夏美 強くなってたね さすが男子と練習してるだけはあるね」

天井を仰ぎ見て 一瞬考える 私本当に強くなっているのかな

「そうかな 実感あんまり無いよ 最初の試合なんて何もできないで終わったし」

「あぁ 相手が綾乃じゃしょうがないよ」

「そっか あれが全国レベルなんだ」


「そんな あなたも強いと思いましたよ 九条さん」

佳織とは違う声に 視線を戻すとそこには黒髪の美少女 水森 綾乃さんがいた

突然の事に驚いていると

「綾乃 変な気使わなくて大丈夫だよ 夏美は体も心も丈夫だから」

と佳織が茶々を入れた

「ひっどい言い方 私だって落ち込む事ぐらいあるよ」

「あはは 冗談だって  ところで綾乃どうしたの」


「先生が そろそろ着替えて出ないと 

お昼食べる時間なくなるから呼んでくるように言われたの」

と皆が集まってるほうに目を向けた

「そっか 今日帰るんだもんね 」

久々に会えたのにゆっくりおしゃべりもできないなんて 寂しいな

「そんな顔しないで夏美 部活引退すれば時間もできるし

今度は個人的に遊びに来るからさ」

にこっと笑って言う

「そうだね そしたら観光案内してあげるよ」

「それはいいね じゃあその時にゆっくりしゃべろうね」

佳織は笑顔で手を振ると 水森さんと一緒にいってしまった


「全員 武道場の下に集合」

男子部の部長から号令がかかる

ぞろぞろと階段を降りていくと 先に下りていた先生同士が楽しそうに話をしていた


成風高校のメンバーが着替えて下に下りて来ると

誰に言われる訳でもなく 顔を向け合わせ互いに一列にならんだ


「本日はお忙しいとこ 時間を取っていただきありがとうございました」

主将の言葉に続き全員で

「ありがとうございました」

と頭を下げると 成風の男子部から主将が

「こちらこそ よい練習になりまいした ありがとうございました」

続き 全員で

「ありがとうございました」

挨拶をして 本日の練習試合は終了した





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