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悲しい声色

どうしようと悩んでいた事を話しに使ってしまいました 

そなたは 本当に我を忘れてしまったのか 常に共に合った我を

誰かの悲しげな声が頭に響く 誰 誰なの私に話しかけているのは

周りを見渡しても誰もいない 声は再び私に問いかけてくる


我とそなたは 遥か昔共に合った そなたのうつわが滅び離れ離れになってから

幾年月 我はそなたを忘れた事はないというのに こうして再びめぐり合えた

そなたは我を忘れたというのか 


その声色はひどく儚く悲しみに溢れていた 思っていてくれた人を私が忘れた

ことにひどく落胆しているようだが 私には何のことやらさっぱりわからない


門から再び厄災が溢れ出そうとしている 我を手に闇を祓うのだ『神楽』

えっ いま『神楽』って言った!? 

違うよ私の名前は 九条 夏美 神楽さんとは別人だよ

いいや そなたの魂から感じる波動は間違いなく『神楽』のもの そうでなければ

我を受け入れる事など出来るはずがない


違うよ私は 夏美だよ 思考回路が止まりそうだ いったい誰と何の話をして

いるというのだろう 

今生の名は 夏美 と言うのか 神楽が別にいるというならそなたを夏美と呼ぼう

だから夏美 我の名を呼んでおくれ さすれば我は再び真にそなたと共になれる

貴方の名前? それはもしかして…


ピピ ピッ ピピピ

耳元で電子音が響く 朦朧とした意識が現実へ引き戻される 

あれは夢だったのか…そう思った時 頬を伝い涙が流れていく

あの儚くも悲しい声色が今でも脳裏に焼きつくように残っている 

それを夢と呼ぶにはあまりにも鮮烈過ぎた


ご飯を食べて 会社に行く支度をし 家を出る そして事務所につき課題を

始めるが その間何をしていても

『そなたは我を忘れたというのか』という物悲しい声が頭の中で反響して

何も手につかない状態だった 


誰かに相談しようかと思ったが午前中はよっぽどの事がないと他の人たちは

出社して来ない (夜中働いているのだから仕方ない事なんだけれど)

それに なんとなくだけれども誰にも言わないほうが良いのかなとも思っていた

だって夢の中とは言え私が『神楽』と呼ばれたなんて 言い難い事だった


「九条様 また難しい顔をなさっていますが 大丈夫でしょうか 」

左手には青いしるし 気遣いを見せてくれたのは

「ありがとう アキちょっと考え事していただけだから大丈夫 」

「そうですか では 神楽様からの言伝です 本日は13時過ぎに出社するので

それまでは自由に時間を使ってかまわないとのことです 」

「分かりました ありがとう 」そう答えるとアキさんは部屋を出て行った


今日は神楽さんが訓練に付き合ってくれるのかな だとしたらなんとなく

だけど気まずいな と夢の話なのにそう思ってしまった


だらだらと課題のプリントを終わらせると時刻はもう12時前になっていた

一人でご飯を食べるのはちょっと寂しいなと思っていたら

「よかった まだお昼食べてないわね 」

ドアを開けて遠野さんが入ってきた なにかいつもと雰囲気が違う感じだ

珍しくジーンズにポロシャツというラフな格好をして メイクも薄めだ

 

「こんにちわ 昨夜仕事だったから今日はお休みじゃなかったんですか 」

「そう 休みだからランチに誘いに来たわけよ いい店があるんだけど 

どうかしら 」

「神楽さんが13時頃出社されるので それまでに帰ってこれるなら 」

時計にチラッと目をやると

「じゃあ 急いで行きましょう 」と私の腕を取って歩き出した 

 

お店は会社からすぐの場所にある 大人な雰囲気のイタリアンレストランだった

「ここのウェイターが皆カッコいいのよ 」

席に着くなり 小声で話しかけてきたが  

私はメニューとにらめっこして 真剣に何を食べるか考えていた 

だってどれも美味しそうで決めきれないだもん

「う~ん 遠野さんのお勧めのランチってありますか 」

あまりに真剣に選ぶ私の姿を見ていた彼女は クスッと笑って

「まだ 色気より食い気か 」こちらを見て言った


その後 お勧めの冷製パスタを食べてコーヒーを飲みながらおしゃべりをした

美味しいランチと何気ない遠野さんとの話しがとても楽しくて 朝から沈んで

いた気持ちが少し軽くなった感じがした


「遠野さん 誘ってくれてありがとうございました 」

「色々お勧めの店があるから また行きましょうね じゃあ私は部屋に帰って

もう一休みするわ 」

そう言って会社のビルにそのまま一緒に入っていく

「遠野さん 帰るんじゃなかったんですか 」

「あぁ ここの2階から4階は個人の部屋になってて神楽さん以外の守り人は 

ここに住んでるんだけど 知らなかったの?」

「今始めて聞きました 」

「ふ~ん そうだったんだ 夏美ちゃんも近々ここに引っ越して来るものだと

思ってたんだけど 」

「何にも聞いてないです 」

「そっか 守り人の仕事は日が落ちてから昇るまでだから 自宅から出勤じゃ

なにかと不便なんだけど どうするのかしら 」

確かにその時間に家を出て一晩中帰ってこない事が続けば 親も心配するだろう

「古賀君辺りが何か考えてると思うから 任せておきなさい じゃあね 」

と言い残し 3階でエレベーターを降りていった


転生ネタは 本当は使わない予定だったのですが… 如何でしたでしょうか

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