表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/37

思い出せない形

人は新しい事を覚えるため 過去を忘却していくんですね きっと…

「まずは 空間転移からだ 」 一度出来てしまえば自信がつくもので

古賀さんから札を受け取り 言われた大きさの空間を作り転移させる


「さて ここからが本番だが 言葉で説明するより見せた方がいいか 」

そう言うと 左手の平を上に向け そこに右手を重ねたすると

その間から薄紫の淡い光が溢れ 離れて行く右手に引っ張られるようにして

段々と形を作っていく そして左手の光がなくなると古賀さんの右手には

薄紫の淡い光を放つ50cm程の長さをした不思議な形の物が握られていた

それは先端が尖っていて 持ち手と本体の間にU字型の物が上向きで付いている

再び手を合わせるとそれは2つに別れ 両手に1本づつ握られていた


「これは『さい』という琉球古武術で用いられる武器の1つだ 」

「琉球古武術ですか 」

「あぁ 一時期沖縄に住んでいた事があって その時習っていたんだ

だからこれが俺には合っていたんだろう 九条はやはりかたなか 」

「そうですね 剣道は子供の頃からやっていましたが… 」

「それ以外にも 何かあるのか 」

「いえ そうじゃなくて剣道は竹刀を使うもので 刀なんて見た事も

触った事もないから 」

「そうなのか じゃあ竹刀でいいから やってみるぞ 」

そう言うと 具現化の説明を始めた


まずは 神威を中心に集め 自分に馴染む武器のイメージを作りながら

左腕に神威を流し込み 右手を重ね それを体内から取り出すようにして

神威を具現化させればいいと教えてくれた 

言葉で聞くと難しくは感じないし 神威を制御できるようになり自信もあった


言われた通り竹刀の形を思いながら神威を少しづつ流す そして右手を重ねると

月の光に似た物が重ねた手の平の間から溢れ出す 後はそれを取り出すだけだ 

右手で光を掴むようにして 竹刀の形を作るよう思いながら左手から離していくと

「あれっ 」 光は宙で弾けるようにして消えてしまった


「先ほど言い忘れたが武器の具現化を長時間維持する為には 具現化したものに

常に一定量の神威を流し込み続けなければ 形を維持できる時間は短くなるんだ 」

確かに空間転移の要領でやったから 光が溢れた時に神威の流れは止めていたけど

それだけじゃなくて イメージこう何かしっくりこなかった気がするんだよね


「竹刀じゃなかったのか 」

「えっ もしかして呼びかけ使ってましたか 」

今思った事が伝わっているって事は きっとそうだと思ったのだが

「九条は顔に出やすいと前に言っただろう 渋い顔をしているぞ 」

「あはは そんな顔してましたか… 」

「でどうなんだ 何を感じたんだ 話さないなら呼びかけを使うぞ 」

古賀さんが訓練で呼びかけを使わないのは 私がそれにはどうしても抵抗

があるから 絶対使わなきゃいけないっていう時意外は言葉で教えてください

と懇願したからだ 

「何かしっくりこない感じがしたんです 漠然とですが 」

「そうか 他になにか気になる物があって上手くイメージが作れてないのじゃないか 」

「他に気になる物 ですか 」

なんだろう 何かあったかな… しばらく考えていると久しく見ていなかった

夢の事を思い出した あの時私の手にあった物はどんな形をしていたっけ

“それが気になる物か”気づくと頭に声が響いていた 

“悪いが使わせてもらったぞ この方が早いからな”

確かに言葉では伝えられなかっただろう 当の本人も朧げにしか覚えてないのだ

“かなり曖昧な形だな このままでは具現化することは無理だ”

そんな… なんとなくだけれどもこれが自分に合う物なのだという感じがするんです

「一旦 解除して戻るぞ 」 古賀さんの言葉に頷き 元の部屋へ場所を戻した


「さて 場所を変えるぞ 」 そう言うと私に背を向けて歩き出す

そして6階にある手前の部屋の前で足が止まる ここって彼女達が使っている

部屋だよね 「許可がないと入れない」と今朝ほど言われたばかりの場所だ

「どうした 入らないのか 」古賀さんは普通に部屋に入ってしまった

「入ってもいいんですか 」中を覗くと彼女達はデスクに座りモニターを見ながら

何かやっているようだった

「俺が許可する だから入って来い 」

おずおずと足を踏み入れるその部屋は 正面の壁一面に書類棚が置かれ 

その中にはびっしりと本や資料と思しきものが詰まっている 

その前に大きなデスクが1つ置かれているが その上はなにやら書類らしき物が

乱雑に散らばっている そこから少し離れた場所では4つのデスクが向き合う

ように置かれ彼女達が使っている それぞれに大きめなモニターが設置されていて

うち一つは京都市内の映像を一定間隔で映し出していた

「ここは 何をやっているんですか 」

「門及び闇人や囁く者・落ちた者が事件を起こした時に 逸早く行動出来るよう

ここで市内の監視をしている 後は俺の研究室ってところだ 」

散らかったデスクの前に腰掛けると PCを操作し始めた

「あの 監視ってモニターに映すだけで分かるんですか 」

「いや あれは神楽の所有する物件についている防犯カメラの映像を流して

いるだけだ 監視しているのは寺社仏閣に張り巡らされた結界のほうだよ」

「結界ですか 」

「あぁ 闇に係わるものがそれに触れれば 結界が反応して人形くぐつ達が監視

しているモニターに出るようになっているのんだ 」

「すごいですね ネットってそんなこともできるんですか 」

「いや 単純にネットだけの話ではない これにも天音さんの力が使われている 」

天音さんって自分のこと『一般市民』と言ってたけど ホントかな色々凄すぎる

「そんなことより こっちへ来て九条のもつイメージと似た物を探すんだ 」

呼ばれて行った先のモニターに様々な形の剣が映っていた

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ