歓迎会
本当は京都弁を使いたいところが多々ありますが 調べてみてもそれであっているのかわからないんです 京都弁の先生が欲しいです
学校から送られてきた参考書を読みながら 問題を解いていくのだが
思ったよりも時間がかかる 普段なら先生が分かりやすく説明してくれるが
本の文面って意外と分かりにくい こんな調子でちゃんと課題終わるかな
卒業の為の条件として出されたのが 数学・英語のプリントを毎日1枚づつと
送られてきた文学本を月1冊づつ読み 感想文を書くという内容だった
なんとかしてプリント2枚を終わらせる頃には 11時になろうとしていた
そろそろ人が来るかもしれないし キリがいいからここまでにしよう
勉強道具をカバンにしまい 背中を伸ばしていると部屋のドアが開く音がした
「おはよう夏美 今日から社員になったんだろ 」
「聡君 おはよう そうなんだよね 何の実感も無いけど 」
他愛もない話を続けていると 次々と人が入ってきて気づくと皆いた
守り人全員が揃うなんて 私が始めてここに来た日以来のことだ
「今日って何かあるの 」気になって聡君に小声で聞くと
「まぁ ちょっとな 」否定しないって事は何かあるのかな なんだろう
「おはよう 」部屋に神楽さんが入って来る 口々に挨拶を返すと
「じゃあ 行こうか 」そう言い
自分の机には行かないで 踵を返すとそのまま部屋を出て行ってしまった
「夏美ちゃんもほら 行くわよ 」
隣の席に座っていた遠野さんに腕をくまれ 皆の後に続いた
「さあ 乗って 」 駐車場に着くとそう言われ
そのまま腕をくんでいた遠野さんと一緒に 神楽さんの車の後部座席に乗った
残りの人たちは 古賀さんの車へと乗り込んでいく
聡君が何かを言っているみたいだったが 古賀さんは後ろのドアを開けて
荷物を扱うかのようにして聡君を車内に放り込んでいた うゎ~容赦なしだ
京都市役所の前を通り過ぎ四条通をひたすら走る 前には桂川が見えてきた
「遠野さん どこまで行くんですか 」さすがに気になり聞いてみたのだが
「もうすぐ着くから 楽しみにしていなさい 」としか教えてもらえなかった
しばらく走ると車は 桂川沿いにある立派な建物の駐車場へと止まった
「さあ着いたよ 」
「行きましょう 」
再び遠野さんに腕を組まれ 車から一緒に降りた
古賀さんの車も駐車場に止まり 降りてきた皆と一緒に建物の中へと入った
「あの ここに何があるんですか 」
「いいから いいから 」と背中をおされ 建物の奥へと連れて行かれ
日本旅館の客間のような部屋に入ると 神楽さんの隣の席に座るよう言われた
いったい何が始まるんだろう なんだか緊張するな
しばらくすると襖が開き 着物を着た品の良い女性が頭を下げてから
「ようお越しやす 東薫院さま お料理お運びしてもよろしいでしょうか」
神楽さんに挨拶をする
「あぁ お願いできるかな 」
そう言うと 机の上に上品な塗りの箱とお椀 お茶が並べられていく
「どうぞごゆっくり 」そう言い残し女性は部屋を後にした
「それじゃあ ささやかではあるけど夏美ちゃんの歓迎会を始めようか 」
「えっ 」神楽さんから思いもかけない言葉を聴き面食らっていると
「今日から 神楽の特別警護部に正式採用された 九条 夏美さんです
皆もうよく知っていると思うけど 九条さん主役だからちゃんと挨拶してね」
さらに追い討ちをかけられてしまった 皆が私を見ているちゃんと何か言わなきゃ
「あの 改めて今日からお世話になります これからもよろしくお願いします」
「勉強も訓練もきっちりこなすんだぞ 」 古賀さん 痛いところをつく
「九条君 共に頑張っていこう 」 井上さん やっぱり体育会系だ 熱いね
「一緒に買い物行ったり 甘味処めぐりしようね 」 遠野さん 女だなぁ~
「困った事があったらちゃんと言うんだぞ 」 智兄 そんな事…私は小学生ですか
「一緒に仕事する為にも 早く訓練終わらせろよ 」聡君 なんだか楽しそう
「それじゃあ お茶でだけど乾杯しようか 」
「どうせなら お酒が良かったんだけどね 」
「遠野君 諦めろ この後仕事だろ それに神楽さん古賀さんは運転あるし
残り2人は未成年だ 」井上さんが諭すように言う
「仕方ないか で誰が音頭とるのよ 」
「そのまま遠野がやればいい 」古賀さんに言われると
「では 夏美ちゃんの入社を祝して乾杯 」
「「「乾杯」」」 皆の声が重なり湯のみを掲げた
なんか変な感じだけど 歓迎会開いてもらえたなんて嬉しいな
美味しい料理を食べながら 皆で色々な話をしていたらあっという間に
終わりの時間になってしまい 来た時のように車に乗り会社へと戻った
車を降り 古賀さんと私は5階のいつもの部屋へと移動する
「さて 闇を祓う為 神威で自分に適合した武器を形作る必要がある 」
「空間転移を行う時と同じ要領ですか 」
「あぁ そんなところだ 実際にやればわかるが 」何か含みのある言い方だな
でも空間転移と同じ感じでいいなら案外早く出来ちゃうかも なんて甘い考えは
この後すぐに打ち砕かれる事になるなんて この時は微塵も思っていなかった




