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月の形(イメージ)

文章で表す難しさを日々感じています 読みにくいところ多々あると思いますが 

それでもココを訪れて下さるみなさま ありがとうございます

駅で聡君と別れ 途中で夕飯の買出しをしていたら 

家に着く頃には5時を知らせるチャイムが鳴っていた


慌ただしく夕飯の準備をしていると陽菜が予備校から帰ってきた

「ただいま お姉ちゃんが台所いるなんて珍しい 」

冷蔵庫を開けて 炭酸水のペットボトルを取り出している

「仕方ないでしょ お母さんまだ帰ってこないし 」

カレーを鍋いっぱいに作ったので しっかり火を通せば明日もこれでいいだろう

父の帰りを待って少し遅めの夕飯を食べ 片付けを済ませ部屋へと戻った


机に向かい ノートパソコンの電源を入れて『月』と検索する

科学的な知識が書かれたところから 個人の思いまで色々なサイトが表示されるが

「ふぅ~ ますます分からなくなるな 」

イスの背に仰け反るように背中を預けると 視界に窓の外に浮かぶ三日月が映った

おもむろに立ち上がり窓を開けてベランダへと出る 

外の空気はまだ熱を持っていたが 月は涼しげな青白い光を放っていた

古賀さんに「月のイメージを固めておけ 」と言われたが なかなか難しい


夜空に浮かぶ月を見ていると 淡く優しい光に包まれて 

とても穏やかな気持ちになる でも月自体は発光していないので

たとえ満月であっても反対側は真っ暗である 光と影 白と黒 そう考えると

月ってオセロの駒みたい 両方存在するから形を成すものなんだ

そう思うと漠然とではあるが 自分の中での『月』のイメージができた気がした


それからお風呂に入り出てくると 携帯のメールサインが点滅していた

確認してみると1つは智兄からで もう1つは知らないアドレスだった

「誰だろう 」件名には《お疲れ》と入っているが 不審に思いながら開くと

 

《聡だけど まだ起きてたか 新堂からアドレス教えてもらったんだけど… 

迷惑だったか?これから仕事だから明日は会えないかもしれないけど 

陰険古賀に負けずに頑張れよ》と書かれていた 


そして智兄からのメールの一文に《野上が突然部屋に来て夏見のアドレスを

教えろと あまりにもうるさかったから教えたが 面倒なら着信拒否しろよ 》

と書いてあった それと今日は休みだから明日は顔を出すとも書かれていた

智兄が来てくれると心強いな イメージも漠然とだができたし明日はきっとうまくいく

そんな上向きな気持ちになることができた それから二人にそれぞれ返信をして 

聡君のアドレスを登録してからベットに入り眠りに就いた


朝が来て 約束の時間に私は再びあの部屋で古賀さんと向かいあわせに座っていた

その手には相変わらず新聞紙を丸めた物が握られている 

良かった 定規に変わってなくて少しほっとした

「おはようございます 」

「あぁ おはよう どうだイメージは固まったか 」

古賀さんはなんとなく腫れぼったい目をしている きっと寝ていないのだろう

なのに私に付き合ってくれているんだ なんとなく申し訳ない気持ちになった


「余計な気は使わなくていい これも仕事の内だ 」

言いながら 2枚の式札を出した 1枚は昨日と同じだったが

もう1枚を見ると『明暗』と二つの漢字が書かれていた

奇しくもそれは 昨夜私が感じた月のイメージと重なるものであった


「あれから考えてみたんだが 九条の言うとおり月は色々な面を持っている

だからこれを作ってみた 二文字の空間転移式札は初めて作ったから

きちんと発動するか俺にも分からないが 試しに使ってみて欲しい 」

「わかりました 」

『明暗』と記された札を取り 昨日と同じように意識を集中させ 自分のイメージ

した月の姿をそこに乗せていく 白と黒 明と暗 2つの異なるものから成り立つ形

右手が熱くなり その熱が札に吸い込まれるように収まっていく そして

式札の上に白と黒がちょうど半分づつ合わさった球体が浮かび上がった

古賀さんはそれを見て満足げな顔をして言った

「上出来だ 一度札を離していいぞ 」

「今のって 」札から手を放し机に置くと 球体も消えてしまった

「九条の中にある神威の具現化に成功したんだ 二文字の式札でも問題なく使えたな 」

そうか 今の感じが神威を具現化するっていうことなんだ 

意外なほど簡単にできたことに驚いていると 新聞紙でポンと頭を叩かれて

「これからが本番だから気を抜くなよ 」と釘を刺された


「さて 次の段階だが 昨日俺が見せたように式札の上に具現化されたイメージ

空間を広げ大きさを固定する所までだが 分かるか 」

「いえ さっぱり意味が分かりません 」

「そうか まぁそうだろうな 例えて話すと 」と言葉を続けた


まぁ簡単に言うと 風船を膨らますのと同じことだ

具現化されたイメージは神威を注ぐことで大きさを増す 

だが大きければいいって物ではないんだ 風船も空気を入れすぎるともろくなり 

少しの衝撃で破裂するだろ まずは俺達二人が入れるくらいの大きさになるまで

力を注ぎ込んだら 札に流れる力を止めて 「空間転移 」と唱えれば 

式札に記されたまじないが発動し 空間が転移・固定される


話を聞く限りでは なんだか意外と簡単そうだった

「やってみます 」

式札を再び手に取り 意識を集中させて札を通して神威を具現化する  

よし ここまではうまくいった 次は風船に空気を入れるように神威をイメージに流し込む

札を持つ手に再び熱が集まり それが吸い込まれるように札に流れ込んでいく

そしてイメージは一瞬グラリと揺らぐと 急速に大きさを増していった 

あっという間に私達はおろか 部屋全てを飲み込む位になっている

「九条 札に流れる神威を止めろ 」

「どうやったら止まるんですか 」

「制御できないなら『空間転移』と唱えるんだ 」

こうしている間にも 空間はどんどん広がっていく 早くなんとかしなきゃ 

「空間転移っ 」

叫ぶように唱えると札に熱を吸い込まれる感覚は消え 空間の膨張も止まっていた

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