休息
ちょっと一息いれました
再び部屋に戻ると 古賀さんは眠そうな顔をしてぼーとして
智兄は 不安げな顔をしていた
「契約は無事に終わったよ これで夏美ちゃんも仲間だよ 」
「そうですか お疲れ様でした 天音様 神楽さん 」
「はぁ 本当に疲れたね 今日はこれで解散にしよう 夏美ちゃん
明日からは会社の方で会おうね 」
と言い 軽く手を振りながら神楽さんは部屋を出て行った
「古賀 新堂 彼女をちゃんと送って行きなさいよ じゃあ九条またね 」
天音さんも部屋をでる その傍らにはいつのまにかヨキさんがいてびっくりした
「じゃあ 俺らも帰るか 」
古賀さんは大きく伸びをして 眠気を払うかのようにして立ち上がると
「行くぞ 」
と言い歩き出す 私と智兄もそれに続き車に乗り込み 東薫院家を後にした
家の前に着き お礼を言って車から降りようとすると古賀さんが
「本当に大変なのはこれからだけど まあ今日はゆっくり休むといい 」
なんだか意味深な笑みを残して 去っていった
「智兄「これからが大変」ってどういうことなのかな 」
「まあ 明日になればイヤでもわかるけど 今日は何も気にせずゆっくり休め 」
確かに昨日は波乱の一日だったし 正直もう眠くて目を開けているのも限界に近い
「うん わかった 」
玄関を開け部屋に戻り ベットに身を投げ出すとすぐに意識が無くなった
誰かが肩を掴んで揺らしてる まだ眠いよ 止めてよ そう思っても全然止まらない
寝返りをうって逃れようとすると 今度は頬をぎゅーっとつねられた
「痛いっ 」 あまりの痛さに目を開けると 携帯が目の前にあった
「お姉ちゃん 夏休みで予定が無いからって こんな時間まで寝てるなんて
ありえない だらしない 」見せられた時計は15:25となっている
陽菜は冷たい目でこちらをみているけど…
「タンクトップに短パンでガリガリ君片手にした陽菜には言われたくないな 」
ベットの上から反論してやると
「私はいいのよ 模試終えて帰ってきてやっと一息いれてるところなんだから 」
「私だって 色々あってまだ眠いの 」
喉が渇いていたし暑かったから 陽菜の手からアイスを奪おうと起き上がる
「何よ色々て どうせ小説でも読んでたかネットしてたかでしょ 」
伸ばした手を振り払い アイスを自分の口に入れてしまった
「陽菜のケチ くれたっていいじゃん 」
「冷凍庫にまだ入ってるから 顔洗って自分で取りに行きなよ 」
仕方なく言われたとおりに起き上がり 部屋をでようとすると
「あっ そういえばリビングで智樹さん寝てたから 起こさないようにね 」
と言い残し 陽菜も自分の部屋に行ってしまった
疲れてて当然だよね リビングのドアをそっと開けるとソファーの上で眠っていた
起こさないようにそっと入って冷凍庫を開けたつもりだったんだけど
「夏美か 」
「ごめん 起こしちゃったね 」
「いや うとうとしてただけだから大丈夫だ さっき陽菜が来ただろう 」
身体を起こして 眠そうに目をこすっている
「本当に大丈夫なの あっ智兄もアイス食べる 」
「いや 何か飲み物くれるか 」
冷蔵庫から麦茶を出し コップに入れて渡した
「ありがとう 」
「明日から会社って神楽さん言ってたけど 」
「夏美 その話ストップ 」
コップを口から離し 慌てていう
「なんで 」
「あの件は他言無用なんだ 外で話すことはできない 」
そんなに秘密にしなければいけない事なのかな… でも確かに
にわかに信じられないけど 事実だと証明されれば色々大変そうだもんね
「じゃあ 明日どうしたらいいかだけ教えて欲しいな 」
「それは 夏美に直接連絡あるだろうから その時に聞けばいい 」
そっか まあ連絡あるならいいけど携帯番号もアドレスも教えてないけど
もしかして智兄からもう聞いてるのかな
それから なんだかんだしているうちに父が出張から予定より早い時間に戻り
智兄へのお礼もこめて 皆で焼肉を食べに行った
「ふぅ お腹いっぱい 」
「みんなよく食べるようになったな 」
父は満足げな顔をしていた
「叔父さん ご馳走様でした じゃあ俺はここで 」
「智樹君 ありがとうな 助かったよ 」
「たいしたことしてませんよ じゃあ夏美 陽菜 またな 」
と言うと 地下鉄の駅へと向かって歩き出した
家に帰り 風呂に入って部屋に戻り携帯をチェックしても
「着信もメールもないな 」
友達からのメールやメルマガは何件か届いたが 肝心の連絡はまだ無かった
変な時間に寝たせいか 時計は23時を過ぎていたけど 全く眠くなくて
前に茜から 「これはぜったいお勧めだから 読んでください」と言って無理やり
渡された恋愛小説に手を伸ばした 読み出せば面白いもので時間を忘れてページを
めくっていると 「夜更かしはお肌に悪いんだよ 夏美ちゃん 」と声が聞こえた
えっ 今のって神楽さんの声に似てたけど 部屋を見回してももちろんいる分けない
幻聴?まずいそうとう疲れがたまってるんだ 早く寝たほうがいい
「そうそう いい子は早く寝なきゃ 」さっきよりはっきり聞こえる
頭がおかしくなったのかな 昨日からろくな事がない
「違うよ 大丈夫だから安心して聞いて 」言う声が笑っているように感じられた
「どういうことなんですか 」思わず声に出てしまうと
「しゃべらなくても 思えば伝わるから
いまのって独り言いってる変な子になっちゃうよ」
確かにそうだ でもなんで神楽さんの声が聞こえて 会話してるんだろう
「それはね 勾玉の力を使って夏美ちゃんの意識に直接呼びかけをしているからだよ」
そんな事もできるんだ なんだか本当に現実離れしている事だらけだ…
「まぁ 細かい事は直接会った時にね それで明日なんだけど 13時に市営地下鉄
御陵駅の改札で新堂を待たせておくから そこからは一緒に来てくれるかな 」
これが『連絡』だったのか…
色々腑に落ちない点はあるけど 用件は分かったからよしとしよう
「じゃあ 伝えたからね また明日 」そう言った後
神楽さんの声は聞こえなくなってしまった なんだか本の続きを読む気分も失せたし
もう寝よう 明かりを消して目を瞑った




