水
長い廊下を歩くのは面倒である
この古い校舎は、木造であり、剣から重要な建築物に指定されているとかで、未だに改築もできず、二階のない、ただただながっぽそい廊下が、続き、授業が教室で、行われないと、それを、歩いていかなければいけないからめんどくさい
特に、体育館なんて言うのは、行くまでだけで、徒競走のような長さなのだ
その日私は、トイレに入ってから授業に出ようとしていた
休み時間に、水を飲みすぎたせいだろうか
急いで駆け込んだが、なかなか出れず
ようやくトイレから顔を出したときに、私の目には、始業まで、残り一分を切った時計が、向こうのほうに見えた
「まずいぞ」
そう思うが、今から、教室で着替えて、体育館まで走ることを考えると
あまり良いこの先は見えない
しかし、立ち止まることもできず
必要最低限の怒られることを考えながら、私は、着替えると教室から出て、体育館へと向かう長い廊下を走ろうとして、スピードを緩めた
廊下の一部に、誰か掃除中に溢したのだろうか
水が、ばらまかれたように、濡れていた
私は、それにかまうことなく、走りはじめた
急がなくては
そう思いながら、廊下を曲がった時、足に何かが触れる
「ポシャン」
水である
そう思った瞬間に、私は、水の中に突っ込んでいた
水没である
何故か、廊下に、大量の水がたまり
校舎の低くなっている西側に、水が入り込んでいた
私は一瞬パニックになりながらも、急いで、陸地のある反対方向へと、這い上がる
サイワにして、2.3段の階段を上ると、
水につかることはない
「おい、何やっているんだ」
私は振り返ると、体育の木島がそこにジャージで立っていた
「っあ・・・水が」
「水?・・そういえば、お前、びしょ濡れだけど、どうしたんだ」
気が付くと、水などなく、私は一人、
乾いた廊下の木の板の上に、ジャージから水を、滴らせていた
後日「オモラシマン」と言う不名誉なあだ名を中学生にもなりつけられたが
良くよく調べてみると、あの学校は、1878の大洪水をもろに受けた城跡なのである




