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みずしらず
私はその日、一人歩いていた。と言うのも、母親とはぐれてしまいデパートの中を、さまよっていたのだ。そのころは、小さいこともあって、誰かに声をかける事も出来ず、ただ、母親の姿ばかりを探していた。
そんな時、大きな大人の人ごみの中、母親の服を見つけた
向こうのほうに行ってしまいそうなところを、私はなんとか、その手を、人をかき分けて、掴むことができた「やった」私は、そう思った時、それはバランスを崩し、私のほうへと倒れてきた「っあ」見ると、服を着たマネキンであり「あんた、何やっているの」と、見ると、母親がこちらを見て助け起こしている「ああ、良く似た服を、マネキンとも知らず、見間違えたんだ
私はそう思ったが、しかし、あの時つかんだ手は、やけに、名まあ高く柔らかい気がした。振り返っても人ごみの中、あの服は見えなくなっている




