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入学初日

美少女との邂逅

一年遅れで何とか入学まで漕ぎ着けた大学への入学。

ずっと憧れていたキャンパスライフがスタートする。

一年遅れという劣等感は多少あるがここは知り合いもいない。

誰も私のことを知らないのだからあの頃のようにビクビクしながら生きていかなくてもいいのだ。


周りを見渡してみるとみんな同じようなスーツの子ばかり。

あ、あの子お化粧してる。あの子なんて金髪だ。

とりあえずスーツだけ着とけばいいと思っていた自分が少し恥ずかしくなる。

でも今まで化粧なんてしたこともないし道具も持っていない。

身なりに全く頓着が無かったことに少し恥ずかしくなる。

みんなきっとキラキラした青春を送ってきたんだろうな。


入学式会場は大ホールで行われる。

ざわつく会場。ぼっちで適当に案内された辺りの席に着く。

医療系なだけあって男の子の方が多いな。

適当に女の子の多そうな所を選んで座る。

うわ、みんなかわいい。少しの劣等感が心をチクチクする。

まともにオシャレとかに興味なかったことがここにきて後悔するなんて。


あ。あの子めちゃくちゃ美人だ。言い方悪いけど八方美人そう。

色白、緩く巻かれた髪、ピンクの艶のある唇、キラキラしたアイシャドウ。

女の子には珍しいパンツスタイルのスーツから伸びるスラッとした手足。

もう周りの子にニコニコ声を掛けてる。貼り付けたような笑顔も可愛いな。

高嶺の花って感じがする。

きっとモテモテのキラキラした大学生活を送るんだろう。

約束された未来に羨ましさと劣等感を感じ、あんまり関わらないようにしようと思った。

こういうところが自分の駄目なところなんだろうな。


長い学部紹介や偉そうなおじさんの話が終わり、クラス分けされた教室へ移動する。

入学式初日なんて適当に資料を貰って終わるだけだろう。

早く終わることを願いつつ自分の席に着いた。


周りは自分よりも実は一つ年下であると思うと謎の余裕が生まれてく。

幸運なことに席は一番後ろ。

腕を組んでも脚を組んでも誰も文句は言うまい。

前の席の子背が高くて隠れやすいのもいい。


「すんません、ここの席空いてますか?」


少し関西訛りの敬語だ。

声を掛けられたことにびっくりする。

緊張したような声に俯いていた顔を上げる。


げ、入学式で見た美少女だ。

まさか隣の席だったとは。

隣の空いている席に鞄を置きたいようだ。


「ああー、うん。いいよ」


どうせ年下だろうと反射的にタメ口で話してしまった。


「ありがとう。仲ようしてな」


なんか苦手なんであんまり仲良くしたくありません。

なんて口が裂けても言えなかった。


「うん。よろしく」


無愛想極まりない。

これが初めての会話だった。

ゆっくり更新していきます。

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