「準決勝」
準決勝の舞台。闘技場に足を踏み入れた時、アーケオは相手を凝視した。目の前には口元を布で覆った男がいた。
しかし、その男の履物と短刀といい、どこかヤマトを彷彿とさせるものがあった。
「それではアーケオ選手VS美濃部選手! 試合開始!」
アーケオは剣を構えた時、美濃部が星のような形をした刃物がいくつも飛んできた。飛来物を躱しながら、距離を詰めていく。
美濃部も腰から担当を抜いて、刃同士がぶつかった。
「中々の腕だな。童!」
「あなたも凄い動きです。その履物や武器。おそらくヤマトの方ですね」
「左様!」
アーケオと美濃部が目にも止まらない速さで剣をぶつける。壮絶な光景に観客の席から無数の声が上がった。
「剣の腕はほぼ互角。ならば! 忍法。分身の術!」
美濃部がアーケオから距離を取って、手を重ねた。その瞬間、美濃部の横から煙が立った。
アーケオは目を見開いた。煙の中からもう一人の美濃部が出て来たのだ。
「さあ、勝ちに行くぞ!」
二人の美濃部が短刀で襲いかかって来た。
「ぐっ!」
二対一の攻撃でアーケオは押され始めた。現状を打開するためにアーケオは剣に力を込めた。
「勇者の斬撃!」
黄金の斬撃を美濃部に打ち込んだ。分身は当たって、消えた。本体の美濃部は態勢を立て直して、星型の刃物をいくつも投げつけて来た。
「こんなもの」
アーケオは迫り来る刃物を弾いていると美濃部がまた分身した。今度は五体だ。
「なっ!」
「一体だけだと思ったか? 甘い!」
美濃部達からの攻撃を躱していく。勇者の斬撃で薙ぎ払うという考えがよぎったが、マナの消費が著しいため、後々に差し支える。
アーケオは足元に星型の刃物を投げ返した。するとは物が当たった分身が煙となって消えた。
「なるほど。分身はそんなに強くないね」
アーケオの予想が当たったのか。美濃部の目が笑った。
「見破ったか」
美濃部が短刀を振るって来た。周囲が観客の声で溢れる。
「分身の術!」
美濃部が分身した。しかも十人ほどに増えていた。このまま刃物を投げ返していても勝負はつかない。
アーケオは目を閉じた。迫り来る脅威を感じながら、意識を研ぎ澄ませる。足音。気配。殺気。それらを感じ取る。
「一閃!」
アーケオは複数の美濃部の中から一人を斬りつけた。斬りつけた途端、周囲の分身が煙になって消えた。美濃部が腹部から血を流して、倒れた。
「何故。わかった」
「殺気です。分身の術もおそらく回数に限りがある。だからあなたは焦りから殺気を隠しきれていなかった」
「俺もまだまだだな。お見事」
美濃部がそう呟いた後、気を失った。
「あなたも強かったです」
アーケオは倒れた美濃部に頭を下げた。その瞬間、観客が湧き上がった。
「勝者! アーケオ選手! 決勝進出だ!」
美濃部に勝利して、アーケオは決勝への駒を進めた。
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