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「奇襲する毒牙」

月明かりが照らす街の中、アーケオとマシュロは奇襲者達とにらみ合っていた。


「サーペント家ってこんな物騒なの?」


「サーペント家は代々、暗殺を生業としてきた一族です。それとローゼン王国が手を組んだ事で今の強大なローゼン王国が生まれたのです」 


「その通りだ。だからローゼン一族繁栄のためにここで消えてもらう」

 緑髪の男が懐から鉈を取りだした。


「鉈の腕は鈍ってないか? アダー」


「問題ねえよ。タイパン」

 タイパンと呼ばれる小太りの男も図体に似合わない程、小さな針を指の隙間にはめていた。


「三枚おろしにしてやるよ!」

 アダーと呼ばれた男が緑色の髪を揺らしながら走ってきた。暗殺を生業にしているだけあって、動きがかなり俊敏だ。そして何度も、鉈を振ってきた。


 その後ろではマシュロがタイパンと戦闘を切り広げていた。そして、奇襲者二人を援護するように覆面達が懐から短刀や鎖鎌など様々な武器を持って、襲いかかって来た。


「シャドー・ステップ」

 マシュロが呟いた時、影が彼女を覆った。そして、瞬く間に覆面達を切り刻んだ。


「おっかないねー」


「次はお前だ。痴れ者」

 マシュロが凄まじい速度でタイパンを攻撃して、壁際に追い込んだ。そして、アーケオもアダーを追い詰めた。


 追い詰められたアダーとタイパンが集まって、アーケオとマシュロを睨みつける。


「本気でいくぜ。タイパン」


「おうよ。アダー」

 二人の周りからマナが溢れ始めた。凄まじい気迫にアーケオは警戒していると二人の腰部分からそれぞれ二匹の蛇が顔を見せた。同時に二人の目の蛇と同じく縦長になった。


「第二ラウンドだ」

 アダーが不気味な笑みを浮かべた。異様な感覚にアーケオは剣を強く握った瞬間、アダーとタイパンが凄まじい速度で迫ってきた。


 あまりの勢いにアーケオは後方に飛ばされた。


「アーケオ様!」


「よそ見している場合か!? メイドさんよお!」

 タイパンがいつ間にか付けていた手の甲から生えている鉄の爪でマシュロに襲いかかってきた。


 アーケオのそばでマシュロが攻防を繰り広げている。アーケオ自身も速くなったアダーの動きに動揺していた。


「速さが上がっている!」

 それだけではなかった。攻撃力も反射神経も全て先ほどとは比較にならないほど上がっているのだ。よく見ると鉈の刃の部分が変色している事にも気がついた。


「シャー!」

 さらに腰から出てきた二匹の蛇も攻撃を仕掛けてくる。


「その鉈。まさか毒が」


「正解。俺とタイパンの魔法だ。力を解放して、身体能力強化と体内から毒を生み出す事が可能になる」

 能力を説明しながら、アダーが鉈の先を舐めた。すると舐めた場所がさらに変色した。おそらく毒がさらに強くなったのだ。


「ポイズンカッター!」

 アダーが鉈を振った時、紫色の斬撃が飛んできた。アーケオは斬撃をかわすと、斬撃は壁に当たった。当たった壁の部分が煙を上げて溶け始めた。


 胆を冷やしながらも、アーケオはアダーとの距離を詰めた。


「ローゼン繁栄の為に消えろ!」

 アダーが猛毒の鉈を振り下げてきた。アーケオは攻撃をかわして、腰から生えた二匹の蛇の首を落とした。そして、残った蛇の胴体を掴んで、アダーを引き寄せた。


「これで終わりだ!」

 アーケオは蛇でアダーを引き寄せて、勢いよく背中を斬りつけた。


「がああああ!」

 アダーが背中から血しぶきを上げて、地面に倒れた。


「アダー!」


「よそ見している場合ですか!? 痴れ者!」

 仲間が倒れて動揺するタイパンをマシュロが天下一とも言えるナイフ術で切り刻んだ。


「これで終いです」

 マシュロが力強く、タイパンの睾丸を蹴り上げた。タイパンが口から泡を吹きながら、ゆっくりとその場に倒れた。


「命を奪わないだけ感謝なさい」

 マシュロが気絶した暗殺者にそう吐き捨てると、アーケオの方に駆け寄った。


「アーケオ様大丈夫ですか!?」


「うん。なんとかね」

 アーケオはなんとか無事だった。マシュロも軽傷でなんとか済んだ。その後、アーケオ達は街の騎士団に知らせて、奇襲者達を連行してもらった。


 宿の方に戻っていくと宿の中からは多くの宿泊客が起きているのが見えた。

 おそらく一連の騒動で起こしてしまったのだ。


「窓代。弁償しないとね」


「そうですね」

 アーケオは重いため息をつきながら、宿舎に戻った。

 



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