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魔装秘警発足

―2220年―


「お姉さんこの後時間ある?よかったらお茶でもいっしょに」

「これから予定があるので」

「そんなこと言わずにさぁ」

 待ち合わせ場所について見たのは咲姫(さき)が二人組にナンパされているところだった。

「僕の連れに何かご用事でも?」

「彼氏さん居たんですか、嫌だなぁそう言ってくれればお誘いなんてしてないですよ」

 男が軽い調子で言う。

「それで?」

 少し凄みを効かせて圧をかける。

「はい、なんでもありません。失礼しましたー」

 言うが早いか男達は一目散に逃げて行った。

「ごめんね姫、遅くなって」

「いいわよ、まだ時間前だもの」

「それじゃ、行こうか」

 咲姫の頭をポンと撫でて目的地へを歩き出す。

「それにしても、便利ね、男装(それ)

「彼氏持ちに手を出してひどい目に合うなんてこともザラみたいだし、大分治安が悪くなってきたね」

 近頃、不法に滞在する外国人が増えてきているらしい。

 それに伴って治安が悪化しているのが現状だ。

「それを何とかするための私たち、でしょう?」

 二人で並んで歩き、目的地へたどり着いた。

 僕たちの目的地、ぱっと見はなんてことない一軒家だった。


 静かに扉を開け、中へ入る。

 階段を降り、地下に降りる。

「おはよう、奏君、咲姫さん」

「おはよう、真名ちゃん」

「おはようございます、真名さん」

 挨拶を交わした女性、九十九真名(つくもまな)さん。

 彼女と僕と姫の三人は警察学校の同期だ。

「ロッカーの中に制服があるので着替えてきてください」

「うん、ありがとう真名ちゃん」

 ロッカールームへ向かい、制服へと着替える。

 制服とはいっても、警察用の制服ではない、ダークスーツだった。

「やっぱり奏はそっちなのね」

「こっちに慣れちゃってるからね」

 僕は男物のスーツに袖を通す。

 姫を守るためにはこっちの方が何かと便利だった。

「姫も似合ってるよ」

 姫はレディーススーツを綺麗に着こなしていた。


「おはよう、諸君」

 ロッカールームから戻ると威圧感を滲ませる女性がいた。

「おはようございます、ボス」

「ボスはやめてくれ、照れ臭いじゃないか」

「すぐ慣れますよ、ボス」

 ここの部署のボス事、玲香さん、前の部署からの付き合いの上司だ。

「おはようございます、玲香さん」

 姫も合流する。

「今日集まるメンバーがそろった、これより会議を始める」

「「「はい」」」

「私達は、新たに設立される【魔装秘密警察(まそうひみつけいさつ)】として任務にあたる。私達は秘密警察だ。故に公には警察関係者ではない」

 【魔装】、正式名称を魔法兵装、魔法を科学に織り込んで開発された装備だ。

 魔法が科学技術として研究開発され数年、治安への影響が懸念され、その存在は隠されていた。

「まず諸君に配られた制服、これは防弾性そして防刃性がある。一定以上のダメージを負うと破損する可能性があるから過信はしないように」

「そしてこれだ」

 ボスが2つのケースを取り出す。

 中には銃が2丁ずつ収まっていた。

「今まで使っていた銃とは違い、魔力を使うことによって静音性を高めてある。そして片方はスタンバレット専用銃だ」

「諸君の任務は生死問わずの他に情報を聞き出すために生かして捉える必要も出てくる。その時に使ってくれ」

「そしてこれだ。ぱっと見はただのメリケンサックだが魔力でナイフが出せ、長さも調整できる。隠密任務の時より静かに行動する際に使ってくれ」

 ボスが支給される装備について説明を終えた。

「あれ?真名ちゃんの分は?」

 装備品が2セットしかないので気になってボスに尋ねる。

「彼女はオペレーターだ、任務の際君達をバックアップしてくれる」

「そういうこと、よろしくね、奏君」

「さて、これで一通り説明が終わった訳だが、何かあるか?」

「大丈夫です、ボス」

「上の家は使っても良いのでしょうか?」

 姫が予想外の事を聞いた。

「ははっ、好きに使ってくれ」

 これにはボスも思わず笑ってしまったようだ。





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