とある青年ととある新精霊③
「ほう?新精霊をスケッチするのか」
「うん、コタツ義姉さんから出された冬休みの課題。夏休みは課題として野外活動だったから」
冬休みのある日、父さんの居る書斎に足を運んでいた。
「そう言えば・・・そうだったな。だったら帝国に行ってみるか?向こうは既に豪雪地帯になってるぞ?」
「でしたら暖かい格好になりませんと」
飲み物を持ってきたトールがそう言う。
「トールの毛で厚手のヤツ作って貰っても良いかな?」
「私は細かいのが苦手なので伝手に頼りますね」
トール以外は用があり、遠征だったり調査に必要な人員確保だったりとで呼ばれているらしく一昨日から不在である。
「しかしまぁ~、またお金がパンパンになったみたいだ」
「金銭管理大丈夫?前にお金に困った盗賊の人達に恵んだりとかは?」
ここの所、最近まで異様に犯罪者の遭遇率が増えた。
お金がらみで盗賊や強盗など、犯罪に手を染める人達が増えているのだ。
「あぁ、今じゃユウのやり方で金利の利子による貸し借りも導入したから一斉に減ったけど」
「王位の魔物の二人の身体から取れる毛や羽なんかは結構高値で売れちゃうもんね~」
今ではお金を借りに来て金利の代わりに食材や素材なんかを貰い受けるリサイクルをしている為、金銭に関して少しだけ問題は減ったと聞く。
『旦那ァ~!』
「おっ、噂をすれば・・・」
元犯罪者のスキンヘッドの男は漁師をしている。
そんな彼が予定日ではないが領主邸に来た。
「どーした?」
「ここらの気候に合わない真っ白な精霊を保護したんでさ。お二人に保護させて貰おうと思いやして」
「ん?・・・・それ季節の精霊の・・・冬の精霊じゃないか?!」
漁師の彼から冬の精霊を受け取る。
「父さんはみた事ある?」
「いや~、父さんの時は滅多に見ないな。今初めて見る」
「海岸辺りで浮遊してたんで、保護して良かったっす!では!」
序に漁で取れたらしい魚を数尾程貰ってお昼ご飯にする事になった。
「う~ん、やっぱり冬に食べる魚は身が締まってて美味しいわぁ~」
「次の時はこういったヤツを使ってしゃぶしゃぶにしてみるか?」
「やる時は私は食材を買いますね♪」
今日貰った魚を殆どフルコースで刺身や焼き魚や開きなどの料理で消化した。
「ふい~っ。お腹いっぱい」
「~♪」
一緒に食事をした冬の精霊も満足気にベットの上でゴロゴロしていた。
「そうだ・・・お前さん、冬の精霊で寒さの気候を操るんだよな?」
「――――」コクコク
俺の質問に冬の精霊は何度も頷く。
「~~~?」
「あ~、ウン。君と同じ冬の精霊を帝国でスケッチをしようと思ってな」
冬の精霊に対してそう言うと―――難しそうな顔をする。
「――――、――――!」
「・・・マジで!?」
俺は急いで父さんの元へ行き、冬の精霊から聞いた話をする。
「何?帝国では去年より厳しい気候になる?冬の精霊がそう言ってたのか?」
「そうらしいんだよ!しかも成人男性位の腹の位置まで埋まってしまう事になるって!」
俺の話を聞いた父さんは直ぐに立ち
「トール!急いで厚手のコートを俺と息子の分を作ってくれ!すぐに帝国に行く!」
『分かりました!!!すぐに用意します!』
丁度廊下に居たトールがそう言って足音が駆け足と共に通り過ぎていく。
数時間後――――
「シヴァ様!本当に助かりました!」
「妻や息子の彼女のやり方で強化したがこれほど激しいとはな~」
先輩の方で俺は被害を受けた人の対応をしている。
「村の作物は駄目かもしれんが・・・暫く生活費と食料の輸送を精霊の里から皆さんの分を送るので、大きな被害を受けた方から順番に精霊達から受け取って下さ~い!」
「綺麗に列を整えてくださいね~!」
幸いにも、猛吹雪、豪雪以上のヤバイ気候だったが死傷者は一人もおらず、それぞれの領村は領主たちの指示に従って他の領主による帰属外の村の村人たちの避難も纏めた事で全員無事だった。
「しかし・・・・結構ありますね?」
「俺とユウが狩りをした所為で余計に食材やら金やらが増えてな。調味料等は既に取り寄せてあるから好きなだけ使っていきな!」
暫く帝国の城内外による猛吹雪の猛攻は続いていった。
今回の話はここまで。
当作品以外の四作品もお勧めです。
是非ご覧ください




