とある青年ととある転生女子—その②
暫くして――――
「元の世界はどんな所でしたの?!」
「そちらの世界では私たちより頭の良い人達がいるって本当ですの?!」
「いや、その・・・・あはははh・・・」
白狼皇お爺さん―――フェンリルおじさんからこの世界の事を学び、学園に通えるまでにはシオリさんは学習能力や魔法は身に付いていた。
母さんや父さん、そしてエレアお祖母ちゃんなどに許可を貰った彼女は即日で学園に通う事を許られた。
生徒達も皆そんな彼女に興味を持ち、色々と話しかけていた。
「はいはい。シオリさんにはソウル君が居るから君達は席に戻りなさい」
「「「は~い」」」
クリムデムズ殿下に諫められ、生徒達はそれぞれ席へ戻る。
「今回は僕自身が君達に国々の違いについて授業を始めようと思う。因みに僕自身は全てを修めているからね、王族としてやれる事は全て終えている。だから僕の知っている全てを君達と授業を学びお互いに正しい歴史を知って欲しい」
こうして、クリムデムズ殿下の授業は生徒一人一人が理解を示し、より良い学びへとなった。
王城にて――――
「よくぞ来てくれた。息子からは聞いているよ」
「はっ!・・・して俺と彼女を御呼びして何かあるのでしょうか?陛下」
クリムデムズ殿下の父親であるエルデスタズ=アビス国王陛下は咳払いをし
「実は・・・全ての国々でよりよい生活をする為に・・・彼女の力を借りたいのだ」
「成程・・・出来そうかな?シオリさん」
「何人か手伝ってくれる方々が持っている資材を出来る限り集めてくれるのであれば多少は改善出来ます」
エルデ国王への謁見を終えて、精霊の里に一度立ち寄った。
「あら、いいじゃな~い♪土の精霊の皆さん!早速レンガ用の粘土を生成してくれるかしら?」
「―――!」
母さんの周りに居た土の精霊達は承諾し、早速作業に取り掛かった。
「公共国に転移して貰っても良い?」
「分かった。着いたら公王にお願いしてみようか」
早速エルフの公王であるシグル=レイド公王に会いに来た。
「やぁ!精霊魔導皇子殿!」
「突然お邪魔してすいません。折り入って話がありまして」
一通り説明をすると――――
「成程、分かりました!私の国の住民達に頼んで出来上がった日に里に届けるよう伝えておきますね」
「お願いします」
「それで、必要な資材なんですけど――――」
話を終えて、早速学生寮に戻る。
因みに義姉さん達専用の寮がある為、シオリさんはそこで居座る事になった。
「よっ、理事長たちの寮に送ったんだってな?」
「ディーノ・・・あぁ、流石に男子寮にある俺の部屋に居座ったら体裁が悪いからな」
同室であるディーノ=ウィンターナにそう話しかけられた。
「授業の合間に多分資材用意して貰ってるだろうし、旅に出てる父さんが代わりにやってくれる気がする」
「お前の父さんスゲェもんな~」
父であるシヴァ=ソリティカは色んな所に長期の依頼を受けているので暫くは母さんも父さんの故郷で暮らしている。
父さんなら珍しい素材も持ってきてくれるだろうし・・・
「後は父さんにお願いするだけかな~」
「行動力だけは凄いよな、お前やシヴァおじさんは」
だって、父だもの。
「親子揃って似た者同士ってのはこの事だわな」
「ははっ。確かにな」
そろそろ寝る時間になったので――――
「んじゃ、おやすみ~」
「おう、おやすみ~」
今回の話はここまで。
当作品以外の四作品もお勧めです。
是非ご覧ください