とある青年ととある従者①
一方で―――――
「ヘックシ!」
「あら、くしゃみ?」
苦労人、精霊魔導皇のシヴァは自身の精霊魔導皇と言う職を辞めたがっていた。
彼自身やるべき事は既に終えたからである。
「誰かが噂を流してんのかねぇ~・・・さてと、母さん他に依頼されてるのは?」
「あるわよ~それにしても・・・本当に辞めちゃうの?」
彼の母親である精霊皇エレアは彼にそう聞いてきた。
「せっかくだし、息子が学園を卒業するまではまだ現役を続けるけど流石に俺もユウも歳だよ母さん」
「確かに、妊娠する前までは仕事は熟す事は出来た記憶があるわ」
人間は大人になるにつれて少しずつ衰え始める。
「シヴァは元から人間だから仕方ないわね~、でも魔力量だけはまだ現役よね?」
「なんかもう殆ど魔力頼りになってるよ」
神の肉体かもしくは精霊か魔族でなければ体の衰えは徐々に出始める。
これこそ生きとし生ける者達による自然の摂理である。
「ソウルに精霊魔導皇の職を託してからこの里と直結してる家で余生を過ごしたい」
「私もそうしたいかも」
二人の意思を尊重するエレアはもう何も言うまいと頷く。
「さてと、久しぶりに料理でもするかぁ~」
「それじゃ、私とお義母さんは食卓に行ってくるね」
二人だけ先に食卓へ行って彼だけ台所に行き、早速料理を始める。
「母さんも俺やユウのご飯を楽しみにしてたからなぁ~」
「シヴァ様、私達も手伝いますよ」
彼が料理を始めている間に、彼の従者達が仕事を終えて戻ってきた。
「おっ、助かる。トール、台所に置いてある野菜の皮むきと細切れを頼む」
「畏まりました」
王猿のトール=フォートレアは包丁を受け取り、早速始めた。
「グリモ、外にある処理場で精霊達が狩りで捕まえた魔物の解体処理を頼む」
「畏まりました」
王鳥のグリモ=ヴィレイシスは精霊達が持って来た多種の肉食系の魔物を持って解体処理場に行く。
「シエル、母さん達にアイスを作りたいから息吹で氷を幾つか用意してくれないか?あと、寝かせてあるクリームを冷やしながらかき混ぜてくれ」
「畏まりました」
シエル=ファーライトはそう言ってお菓子作りにも使用される調理器具とボウルを使ってアイスを作り始めた。
「シヴァ様、幾つかソウル様の元へ届けておきましょうか?」
「あ~、そうだな。カルアー、グリモに完成したやつを届けるよう伝えておいてくれ」
元人間で人型死霊となったカルアー=トルケスは承諾して伝えに行った。
「(さて、ソウル達は頑張ってるだろうか・・・?)」
場面は戻り―――四日目のお昼
「―――って事で精霊の伝手でこっちに俺と義姉さん達の従者が美味しい物を届けてくれるらしいぞ」
「「「「「「?!」」」」」」
荷物整理をしている俺がそう言うと、その場にいる全員が本気を出して片付けと掃除を手早くし始めた。
「どれ位で着くんだ?」
「夕方前には多分着くと思うよ。道中で邪魔をしてくる魔物が居なければだけど」
誰か届けてくれるかは俺は既に予想がつく。
今回の話はここまで。
当作品以外の四作品もお勧めです。
是非ご覧ください




