起
扶桑学生民族派連合から扶桑改革党に名称を変えた、愛国青年ヨハンは裏では扶桑決死隊として暗躍していた
平民院のブリテイン主義議員フランクリン・チャーチルを暗殺した今、次に彼が起こすこととは〜
「ブリテイン主義廃絶運動をしているテロリストがいるらしいよ」「怖いね〜、平和にいこうよねぇ」
街中ではチャーチル平民院議員暗殺事件の話題が飛び交う。
元は帝都と呼ばれたTOKYOでは、すでに戦争の話題は禁句で、ブリテイン主義に反する話題などもってのほかという風潮ができていた。我ら決死隊が内部工作に至った理由は、外部での衆目演説や交渉が「扶桑人だから」という理由で対等にできないからである。しかし大衆は既にブリテイン主義の第一改革案であるブリテイン資本導入経済要項に疑問を抱かない迄に洗脳されていた。
ブリテイン資本導入経済要項の概要は以下である
I項・軍事、医療、工業、その他全ての経済活動にはブリテインや国際同盟資本が使われる
2項・株式や債券などの扶桑内取引を固く禁じ、また銀行設立は枢密院、貴族院のブリテイン知識階級議員により命じられる
3項・集金制度を設け、経済流通弁を作る
これらを扶桑大衆は外資による経済復興システムだと本気で信じているようだ、更にI項を賛美しており
「扶桑のためにお金を使ってくださる!」
「これで暮らしは安泰だねぇ」
などと言っているが、我々から見れば扶桑経済を管理下に置くための政策であると一目瞭然であった。
外資流入による扶桑資本の暴落を考えられる大衆ではなくなってしまった扶桑人に我々はひたすら辛苦を噛み締めていた。
リョウム「おい、ヨハン。おーい!」
、、、
リョウム「おい!!何また一人で考えてんだー?」
ヨハン「すまん、、ちょいと考えごとだ。今夜は次の作戦を実行するぞ。」
リョウム「了解。センリも引き締めとくぜ」
リョウム、こいつは改革党、、、いや扶桑決死隊幹部だ。勿論「リョウム」はコードネームだ。素性や過去は我々の中では明かさないのが暗黙の了解になっている。
センリも同じくコードネームで決死隊書記だ。
決死隊には階級はあれど身分差はなく、構成員は平等であり皆決死の誓いを交わした中だ。
ヨハン「まあ夜まで長い、街を散歩でもするか」
俺はふと何に誘惑されたか都心まで来てしまった。
通行人A「今日から連合軍がTOKYOに治安部隊を置くらしいよ!」
通行人B「マジかよ!!これでテロは治るな!やったぜ!!!」
ヨハン(チャーチル暗殺がよほどこたえているらしいな、今夜には侵略者共に治安部隊などと甘い奴らを送り軍隊配備しなかったことを後悔させてやる)
俺は往来の中ひたすら色々な街の風景を眺め歩いていた。側から見れば観光者だ。服は浮かれたカラーにし、なるべく治安警察隊に目をつけられないようにした。
とまあ言っても我々決死隊が活動する時は常に
ヘルメット、暗視スコープ、防弾チョッキ、軍用マスク、軍用ブーツを装備しており個人が特定されることは無いだろうが、、
街は春が近いにもかかわらず、寒空に覆われていた。どこか物静かなこの時期は、旧陸軍が革命を起こしたとある事件をどうしても連想してしまう。
そんな物思いに耽っていると、無意識に街の中枢まで来てしまった。それもあろうことかブリテイン総督府前である。
ヨハン(ふむ、警備体制や構造確認でもするか、、)
魔が刺したわけではない、至って冷静に総督府外周をしていた。その時だ
警備員「君、何してるんだ?さっきから何か確認してるようだけれど」
ヨハン「いえいえ、でっかい建物だなーと思いましてね!」
警備員「そうかい?まあとりあえず、持ち物検査だけしていいかな?」
ヨハン「勿論」
そう言いながらポケットの中にある小型無線機に打電する。
『シグレ ド キ』
その瞬間、警備員の顳顬には穴が空き、血が垂れ出す頃には彼の息はなかった。
すぐに打電を続ける
『アメ アガ リ』
次にヨハンは無線通信で直接命令する
「スワロフはすぐに撤収せよ、処理班は遺体に爆薬を仕掛ける為狼班と行動せよ」
ヨハンは言い終えると突如路肩に停められたバンに飛び乗りその場を後にした。
こうして第二の事件、総督府警備員射殺体河川敷発見事件の一報が1週間後朝の緊急ニュースで流れることになった。
ニュースキャスター「臨時速報、臨時速報、今朝5時頃に荒中川河川敷で先週から行方不明になっていた警備員のものと見られる遺体が発見されました。遺体には爆薬が仕掛けられており、チャーチル平民議員暗殺グループとの関係性を示唆するものと思われます。総督府外苑で防犯カメラに記録された怪しい男と車が関係しているとし、捜査しています。」
世間では学生の卒業式が盛り上がっていたが、反ブリテイン闘争がこれにより一層激化し、自らの明暗を分けるだろう命題になろうとは誰も予想していなかった。
ヨハン「これは俺の不祥事だ、償いきれない、、指導者を降りるよ」
ヨハンは1週間総括をするため幾度も自決を図ったが、リョウムら幹部に止められていた。精神状態が極めて良くないことは構成員全員にわかっていた。
リョウム「いや、お前じゃないと務まらないし、本当に償うなら指導者として俺らを引っ張ってくれよ」
構成員の中には事件当時、ヨハンを本気で総括させようとした者もいたが、リョウムやセンリの説得で彼らの怒りは治った。
センリ『私達は今、革命聖戦共同体なのよ!団結しなければブリテインに心まで蝕まれてしまうの。責任を押し付け合うのではなく、失敗をカバーし合うのが決死隊でしょ‼︎さ、持ち場に戻って!』
センリは決死隊唯一の女性幹部で皆の精神状態をよく管理できる高い知能とコミュニケーション能力を持っている。一家の母のような存在だと構成員は思っていて、よく渾名に「お母さん」とつけられるほど皆に慕われていた。
ヨハン「その通りだなリョウム、俺は二度と失態はしない。二言はない。絶対だ」
リョウム「そうだ。その意気だよヨハン。お前らしくないぜ。第一、顔がバレてなくてよかったじゃねぇか!ガハハ」
センリ「笑い事じゃないでしょ!!にしてもバンのプレートも変えたし、鼠班がタイヤ痕や落下物を確認したものの何もなかったそうなの。型バレしたのは痛いけれど、むしろこれで済んでよかったじゃない。ヨハンが捕まっていたら小型無線やトランシーバーから改革党だとわかって、大弾圧に繋がるところだったんだからさ!」
スワロフ「しかし、俺が狙撃した警備員は不幸だったな。ま、ブリテインに命を売ったからこうなったんだ。仕方ないわな」
ヨハン「、、、ありがとう。次に行こう。前進するために今日は休むよ、、、、大丈夫だ自決はしない。俺は奴らブリテイン、そしてブリテイン主義者に総括させる天命があるからな」
そう言い残したヨハンの背中は哀愁が漂っていたが、顔はどこか嬉しそうであった。
ヨハンは寝床のコンクリートをぼーっと眺めながら意識が遠のく直前まで自分に語りかけ頭を整理していた。
(この失敗をも糧に俺は飛躍する。ゼタ、必ず扶桑を取り戻すからな。。。明日には治安警察本庁爆破作戦の発表と共に、治安警察内部にいるキアに連絡を入れて、、、、、、)
今回も誤字脱字やミスがあると思いますが、フッと浮かんだ時にまた投稿して長編小説にしようと努力します
_:(´ཀ`」 ∠):