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 それは、唐突に訪れた。

 都内に構える私立学校の中では、最大規模の面積と設備を備え、まさにお金持ちの通う学園という名に相応しい場所、「玲明学園」。


 その初等部への入学を一月後に控えたとある昼下がりのことだ。

 最愛の母が病に倒れ、余命幾ばくもないという状況を目の当たりにしたところで、頭の中で光が弾け、自分のではない他人の記憶が、ダムから放水される水のように勢いよく流れ込んできた。

 耐えきれず、俺はその場に倒れた。

 五歳の子供には明らかに処理しきれない情報量だった。俺は吐いた。おまけに知恵熱を出して、数日寝込んでしまった。

 ベッドに横になりながら、数日かけて記憶を整理していく中で、なんとここが、前世の自分の世界で大流行したゲームの世界観と酷似していることに気がついた。


 ゲームの名前は、「X線上のノア」。


 恋愛アドベンチャーとRPGを融合させ、見事なバランスとストーリーで数多くのゲームファンを魅了し、平成の時代に一大ムーブメントを引き起こしたコンシューマゲームである。

 とすると、これが果たして転生した結果なのか、ただの夢に過ぎないのか……前世(?)の常識ではあり得ないいくつかの事柄を目の前に、俺は分からなくなってしまった。

 ひとまず転生したものと仮定しておく。というのも、前世の自分は病弱で、幼い頃から入退院を繰り返していた。

 入院生活も長くなりがちで、やることがなかったため、病室では読書やゲームをして過ごすことが多かった。その中で、このゲームにどハマりして寝る間も惜しんでやり込んだ記憶がある。

 そして、病弱だった前世の俺は、二十歳頃からの記憶が朧げになっており、少なくとも三十路を迎えた記憶はない。


 つまり、病気で二十代のうちに他界したのかもしれないのだ。


 前世に遺してきた父や母を思うと複雑な心境だが、この世界を転生先と考えれば、せっかく健康な身体が手に入ったわけでもあるし、ここは第二の人生を謳歌しようーーそう思ったのだが、これが中々そうもいかなかった。

 なぜなら、俺が転生したのは、ゲームの中で主人公に嫌がらせや妨害の限りを尽くし、最終的には殆どのルートで殺される悪役、明前咲也だったからだ。

 ほぼ初投稿です。感想などありましたら頂けると嬉しいです。

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