コロッケパンとメンチカツサンドどっちが好き?
撃った。自分のこめかみを、自分の頭蓋を、自分の脳みそを。だってつまらなかったから。それに俺は日本が、地球が好きだった。それに最強なら存在する意味無くないか?冒険しても正直一人で動いた方が良いだろう。何も楽しくないじゃないか。最強というのは性に合わない。もういっそ世界をぶっ壊して創造主になるのもアリだ。しかし人の不幸などみて誰か楽しい、そんなので喜ぶのは貴族の偉い奴ぐらいだ。独断と偏見だけど。世界に何でもできる人間は要らない。人間が沢山居るて非力なのは、助け合って生きていくためだ。全てこなせるなら、人間は一人で良い。70億の非力な人間と1人の最強なら70億の命の方が重いだろう。
俺はもう人間じゃない、だから死んでも俺の持論に反しない。
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「まぁそうだよね」
死んでいない。だって最強だもん仕方ないじゃない。
「砂漠にコート着て来て自殺しようとしたけど失敗した。」
訳がわからない。暑さで頭やられてしまったのだろう。
俺は氷を半球状に生成する。涼しい。
「とりあえず帰りたいけど、ワープ魔法ってあったっけ…えっと設定書いた紙は……あ家だわ。」
今世紀最大のミス。自分の能力把握してないとかまじでないんですけどー。
「大体ワープ系の魔法ってアニメとかじゃ場所の把握が必要だったりするし、適当に座標打ってワープするか?いや壁に挟まってスタックとかしたら困る。高速移動的なものは…確かあったけど…アレ確かクラウチングスタートでめっちゃ速くなるみたいな謎の設定付け足しちゃったような気がするなぁ…。しょうがない」
俺はクラウチングスタートの構えをした。
「On your mark」
「Set」
「オリャー!!!」
ガシャーン!バサバサ!と嫌な音がする。
「いってぇ…なんだよ…。あ…これは…」
散らばる本の山、割れていく皿。それはもう地震でもあったのかというぐらいの散らばりよう。
理解した。理解したくなかったけど、なんとなく理解してしまった。
「なんでいつもこうタイミング最悪なのかな」
帰ってきたのだ。家に。
「日付は……12/20…変わってない…。時間も多分変わってない。ということはもしかしてあっちの世界に居る時は時間は進まないのか?」
それはとても好都合だ。時間が知らぬ間に進んで休みが削れるのはごめんだ。
「とりあえず腹減ったなぁ。そういえばコンビニ行こうとしてたんだった。扉を開けたら異世界に繋がっているのか?そして扉を開けてしまうと帰るまでになにかしらの条件を満たさないと帰れないのか?」
とてつもなく面倒だ。しかし腹減って死にそうだ。…異世界の中で食べ物を食べたら満腹になるのだろうか。唾液を飲む。
「ものは試しだ。もう一度行くしかない。」
家のドアを開ける。
「ただいま俺の異世界〜♪」
人がいた。白髪で恰幅のある愉快なじいさんだ。そしてその人のことを俺は知っている。
なんてったって大家だもの。
「あれ?」
「ハハハ異世界て兄ちゃん!引き篭もってるからって外が異世界なんかえ!ハッハッハッハ!」
めっちゃ笑われた。とんでもない恥晒しだ。もうやだ死にたい…。いやそんなことではない。扉を開けても現実世界だ。どうなっているんだ。扉の向こうが異世界というのは違うのか。これは中々苦労しそうだな…。
「アハハ……」
俺は愛想笑いをかまして急ぎ足でコンビニへ向かう。
「コンビニの自動ドア入ったら異世界とかやめてくれよ」
とかいいつつ大分期待してる。
コンビニに着く。自動ドアが開く。入る。コンビニだ。
俺は思わずため息をつく。
「何食べよっかなぁ。異世界召喚された人が食べてるものってカップヌードル多いよな。引き篭もりだからか。じゃあ俺はコロッケパンとチョコチップスティックパンと冷凍ボロネーゼと食パンとシュークリーム買お。」
「872円になりまーす。1022円ですねー。お釣り150円でーす。」
とりあえず帰って色々考えたい。異世界のこと、現実のこと、魔法のこと、他にも色々。
次回!めんどくさい!
コロッケパンが好きです