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第20話「再び王都へ①」

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 数日後……

 ダンとスオメタルはヴァレンタイン王国王都セントヘレナの街中を歩いていた。

 追放されたダンは、王都も含め王国全域へ立ち入る事は禁止されている。

 それ故、ふたりはとがめられないよう魔法で別人に擬態している。


 背恰好はさほど変えてはいない。

 だが、ふたりとも髪と瞳の色を全く印象の違う金髪碧眼に変えていた。

 年齢も5つほど上に設定している。


 この変わり身だけで、ふたりを元黒髪の少年勇者ダン、銀髪の少女従士スオメタルと判別できる者は殆ど居なかった。


 はたから見れば、ふたりは無口、殆ど話さないカップル。

 無言でひたすら並んで歩くせいか、王都ではお馴染みのナンパも皆無である。

 何となく近寄りがたい雰囲気があるらしい。


 でも……

 こっそり念話で、ふたりは熱々な会話を交わしていた。


『マスター、これからの予定はいかがでございますか?』


『ええっと、午前はいろいろな商店や市場で買い物……か、かなぁ?』


『何か、語尾を噛みましたが、どうしました? マスター』


『い、いや何でもないぞ。ええっと! 買い物が済んだら、早めのランチにする。食べ終わったら冒険者ギルドへ移動し、依頼探しをする! その後、情報屋と午後3時に会う約束になってる。打合せが終わったら帰還と!』


 しかしダンの本音は違っていた。

 本当は買い物の後、世の中から打ち捨てられた『お宝』を探しに、

 ゴミ集積場やリサイクルショップへ寄りたかった。


 しかしダンは我慢する。

 折角、機嫌が直ったスオメタルを再び刺激したくないからだ。


 案の定、性癖のかけらも見せないダンに対し、スオメタルは至極上機嫌である。


『うふふ、素敵でございます。マスターのスケジューリングは最高でございます。ちなみにランチはどこで食べるでございますか?』


『せっかくの良い天気だ。市場の露店で食べようか? 共用のテラス席が使えるはずだ』


 ダンの提案に対し、スオメタルは躍り上がって喜ぶ。


『わあお、嬉しい! スオメタルは露店大好きでございます。いろいろ好きに気楽に選べるし、気に入った料理は、マスターに習い、作り方覚えたいでございます』


『了解! ただし俺、今日はダンじゃなくルウだぞ』


『そして、私はスオメタルではなく、ツェツィリアでございますよね、うふふ』 


 そう、今日ふたりは名も変えている。

 ルウとツェツィリアという偽りの名で、冒険者ギルドの登録をしているのだ。


 という事で、ふたりは買い物へ……

 

 もう残り少ないと言っても……

 現在の持ち金は金貨1,000枚余りも残っている。

 ダン愛用の収納腕輪に勇者時代に溜めた金の残金全額が入っていた。


 ちょっとしたモノを購入したり、ぜいたくな食事さえしなければ全く支障はない。

 ふたりは張り切って、商店街と市場へ向かったのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 買物も終わり、今日のランチも終了。

 ランチは……やはり露店のハシゴだった。

 いわゆる食べ歩きである。

  

 串焼き肉、揚げ肉、ミートパイ、パテ、ラグーなど、

 目移りしてあれもこれもと、い~っぱい食べてしまった。

 最後に果実を絞ったジュースを飲むと、

 珍しくデザートが食べられなかったほどである。


『わぁお! 美味しかったでございます!』


『だな!』


『買い物もめぼしいものは、無事購入出来ましたし、全くのノープロブレムでございます』


『うん、良かった、良かった』


 スオメタルは機嫌が良い。

 ダンも「うんうん」と気分よく頷いていた。


 しかしスオメタルが何故かジト目となる。

 これは、疑いの眼差しかもしれない。


『でも……』


『え? ええっ? でもって何?』


『珍しくマスター、ゴミ集積場やリサイクルショップへ行かないと思ったら……』


『お、思ったら何?』


 いきなりの突っ込み。

 やはりチェックされていた。


『滝のように、マスターの額に汗が流れ、完全に動揺しているのが、凄く怪しいのですが、とりたてて行動に不審な点はございませんし……』


『ないない、ないない!』


『でも、スプーンいっぱいあるのに、何故金物屋さんで、たくさん買ったでございます?』


『い、いや! あ、新しいスプーン使いたいと思ってさ』


『まだ今のは使えるでございますし……金属フックとかもいろいろと、い~っぱい買ったでございますよね?』


 スオメタルはぐいぐい迫って来る。

 ダンの滝汗も止まらない。


 こうなったら、ちゃんと約束するしかない。


『まあ、城に帰ったら分かるって! スオメタルも絶対喜ぶって!』


『スオメタルが喜ぶ? じゃあ私は、マスターを信じるでございます』


 そんなこんなで、念話のやりとりが盛り上がっているうちに、

 ふたりは、冒険者ギルド王都支部へ到着した。

 

 時間は午後0時30分過ぎ。

 業務カウンターは多分昼休み。

 だが、午後1時の業務開始とともに並ぶつもりだ。


 正門の守衛に挨拶し、しれっと1階フロアに入るダンとスオメタル。

 当然だが……

 正体がバレる気配はない。


 と、その時。


「あ~!! 久々にぃ! わけありクラン来た~!!」


 ダンとスオメタルの姿を見つけ、ひとりの女性職員が絶叫すると、

 脱兎の如く、駆け寄って来た。


『わけありクラン?』


『どういう意味でございますかね、マスター』


 ダンとスオメタルが首を傾げていると、 

 ふたりの傍らに立った女性職員は、身を乗り出し、ぐいぐい迫って来る。


「待ってたよぉ! 私の事、憶えてるよね!」


「はあ、何となく」

「確か、ネリーさんでございましたか?」


「そうよ! 念の為、ルウさんとツェツィリアさんよね?」


「はあ、そうです」

「その通りでございます」


「じゃあ、こっち来て! 早く!」


 ギルドの職員ネリーは……

 別人の冒険者に擬態したダンとスオメタルをもどかしそうに促し、

 業務カウンターへ連れて行ったのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

宜しければ、下方にあるブックマーク及び、

☆☆☆☆☆による応援をお願い致します。


東導号の各作品を宜しくお願い致します。


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