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第14話「その日の為に買いました」

スクウェア・エニックスの月刊雑誌Gファンタジー10月号が大好評発売中です!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』

◎コミカライズ版、最新話が掲載されております。

ぜひ読んでみてください!


⛤特報! 

『重版』決定!!

⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版コミックス第3巻

《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》


皆様のご愛読と応援により

『重版』が決定致しました!

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 ダンとスオメタルは魔境の空を飛翔していた。

 「敵襲だ!」と叫び、走り去った人狼アルパッドの後を追ったのである。


 まずスオメタルが、アルパッドの放つ波動を捉えたようだ。


『アルパッドの魔力を捕捉! 西方1km、速度は約時速80Km……全速力を出していると思われます。こちらは少し速度を押さえましょう。追い越してしまいますゆえ』


 一般の狼の走行速度が時速50kmから60㎞ だという。

 さすがに人狼、時速80kmは相当早い。

 しかし、ダンとスオメタルから見たら……遅すぎる。


『了解! 俺もあいつの魔力をキャッチしたぞ』


 同時にふたりの飛翔速度が下がって行く。

 「ちら」と眼下を見やれば、転がるように駆けるアルパッドの姿が認められた。


『あいつ、目的地へ向かうのに夢中で、私達に気付いておりませぬ。このまま追尾致しますか?』


『ん~、だな! このまま追尾続行。だが念の為、気付かれないよう、隠れ身の魔法で姿と気配を消す』


『了解! マスター、隠れ身の魔法発動、お願い致します』


『よっし! 任せろ!』


 瞬間。

 ダンとスオメタルは消え失せ、そのままアルパッドを追った。


 一方、アルパッドは必死に駆けている。

 やがて彼の行き先に多数の気配が感じられた。

 アルパッドと同じような気配である。

 多分、人狼達の『巣』であろう。


 そして反対側から迫っている数多の気配。

 こちらは『人狼』ではない。

 大型の人型魔物《ヒューマノイド》の群れである。


 この気配はダンとスオメタルにはもうお馴染みの気配であった。

 そう、魔王の下級眷属として数多く使われた、大型の人型魔物オーガだ。

 ダンとスオメタルは、オーガとは散々戦っている。


 オーガは別名人喰い鬼と呼ばれる通り、人間を捕食する魔族である。

 だが知能は低く、魔法は殆ど使えない。

 人間のように得物も使わない。


 彼等は強靭な身体に絶大な膂力を活かした肉体的な物理攻撃――巨大な拳が主な武器なのである。


 ダンがぽつりと言う。

 ある言葉が思い浮かんだらしい。


『成る程、昔から犬と猿は仲が悪いと言うからなぁ』


『何か、仰いましたか、マスター』


『いや、何でもない。どっちに加勢するかで迷っているんだ』


『迷う? ストーカーワン公に、味方するではないでございますか?』


『いやいや俺達は基本中立だ。理由もなしに、どちらも殺したくねぇ』


『御意でございます! じゃあ、あの作戦で行きましょ、マスター』


『了解!』


 あの作戦……だけで、ちゃんと意思疎通が出来てしまった。

 それだけ、ダンとスオメタルは息がぴったりである。


 ふたりは姿を消したまま、人狼とオーガが対峙する、丁度真ん中へ降りて行った。


 わおおおおおおおおっ!!


 ごああああああああっ!!


 降り立ったダンとスオメタルが、見やれば、

 オーガの数は軽く1,000以上。

 ひと際大きいのはオーガキングという上位種でリーダーなのであろう。

 

 対して、人狼の数はオーガの1/3以下というところ。

 人狼が不利なのは明らかである。


 ふたつの群れは、正面から対峙し、にらみ合っていた。

 辺りには殺気が満ち、まさに一触即発である。


 その瞬間!

 オーガの大群が……忽然と消え失せる。


 何と!

 ダンの転移魔法が広範囲の対象、つまりオーガ全てに行使されたのである。


 人狼を喰い殺そうと威嚇していたオーガ達は……

 一瞬で数百キロ先に送られてしまっていたのだ。


 わお??????????


 戦うべき相手が、いきなり居なくなり、脱力した人狼達は、

 呆気に取られていたのである。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 数時間後……

 夜も更けた。

 

 既にダン達は、城へ戻っていた。

 砕いた石灰岩も敷地内へ移してあった。

 

 夕食も終わり……

 城内の大広間で、ふたりは向かい合って、紅茶を飲んでいる。

 辺りは紅茶の香ばしい匂いで満ちていた。


「今日は……いろいろあったなあ」


「本当にいろいろありましたでございます……でも基本的にはマスターと初デートする事が出来て大変楽しかったでございます。またいろいろ素敵な場所へ連れて行ってくださいでございます」


 スオメタルは笑顔で、ダンに再度のデートをせがんだ。

 機嫌は完全に直ったようである。


 ダンも安堵し、大きく頷いた。


「おう、ガンガン行こう。というかまた鱒釣りに……あ、そうだ! あいつに鱒渡すの忘れた!」


 鱒を渡そうとした時、丁度オーガ来襲の遠吠えがあり、ダンは『友好の証《あかし》』を渡し損ねていた。

 

 スオメタルが苦笑し、


「致し方ありませぬ。渡すタイミングは皆無でしたし、人狼とオーガが対峙していたあの場へ置いて来ると、ベタに、俺がピンチを救ってやったぞ! な~んて、あざとい奴だと思われますゆえ」


「そうだよなあ……うん、いいや。また機会があるだろ」


「で、ございます。丁度良いから、その鱒使って、何か作るでございます」


「了解! 保存食は勿論だし、いろいろな料理も作れるし、きっと美味いと思うぞ!」


「わお! でもスオメタルは生身の頃、魚をあまり食べた事がありませぬ。ホントにおいしいでございますか?」


「ああ、美味い!」


「うふふ、すご~くすご~く楽しみでございます! 今夜からは、ふたり一緒に寝るでございますし!」


「おお、そうだったな!」


「スオメタルは抱き枕でございますゆえ、ぎゅっとしても、モミモミしてもOKでございます」


「お、おう! 女子からあっさりそう言われると、却って恥ずかしいな……」


「恥ずかしくなどありませぬ。ふたりは将来夫婦になるでございますよ。本日着ていた肌着より、もっとエッチな肌着もございますゆえ」


「はあ!? エ、エッチな肌着ぃ!! えええ、ど、どうして持ってるの?」


「いつかこのような日が来ると予想し、マスターに内緒で王都にて買い溜めていたでございます。ムードが盛り上がりますゆえ」


「…………」


「どう致しましたでございます? マスター」


「うん、エッチな肌着を着たスオメタルを想像したら、だんだん興奮して来た」


「うふふ、その想像は、すぐリアルな現実となるでございますよ」


「ま、まあ……そうだよな」


「はい! それに私を見て興奮するのは、健康な男子の証拠でございます。良き事でございますよ」


 スオメタルは慈愛を込めた眼差しでダンを見つめ、

 にっこりと微笑んだのである。

いつもご愛読頂きありがとうございます。

※当作品は皆様のご愛読と応援をモチベーションとして執筆しております。

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