第10話「人狼君、再び①」
本日9月18日は、
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』◎コミカライズ版コミックス第3巻
《スクウェア・エニックス様Gファンタジーコミックス》
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『重版』が決定致しました!
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美しい花々が咲き乱れ……
ハーブの放つ清潔で瑞々しく心地良い香りに包まれながら……
互いの唇を重ね、愛を交歓したダンとスオメタル……
ふたりにとっては、一生の想い出となるに違いない。
その後も、ふたりは魔境の『散策デート』を満喫した。
広大な美しい湖のほとりを散歩したり……
その湖でたくさん魚を釣って、「鱒だ!」「大漁だあ」と「わあわあ、きゃあきゃあ」はしゃいだり……
この近辺で、最も高い木の梢へ飛翔魔法で「ひょいっ」と登り、
遠くに連なる美しい山々の景色を鑑賞したり……
結果……
甘いムードに酔った感もあるダンとスオメタルの心は「ぐっ」と近くなり、
ふたりの愛は進展。
更にしっかりと絆が結ばれた。
まずは……めでたしめでたしである。
さてさて!
楽しい時ほど、あっという間に時間が過ぎるのは世の常である。
既に西の地平線に陽が落ちかけていた。
魔境の空は紅く染まり、眺めていると幻想的な気分となる。
だが、ロマンチックな雰囲気に浸ってばかりもいられない。
帰宅してもやる事がいっぱいのふたりは、城への帰還を急いでいた。
しかし何故か……
ダンは一瞬で帰る事が可能な、転移魔法を使おうとしなかった。
その理由とは……
心と心の会話――
念話による、ふたりの会話で判明する。
『なあスオメタル、気付いているか?』
『はい、マスター、当然です』
『あいつ……デート中からずっと居たよな』
『はい、私とマスターがキスした後、ハーブ園から出てから、ひょっこり現れました。超うざいと思っていましたが……折角のデート中ゆえ、放置しておきました』
『でも、4時間くらいずっとだろ? まだ来るとはしつっこいな……それに尾行もだいぶアレだな』
『はい! 姿もろくに隠さず……もう1㎞くらい、ず~っとくっついて来てます。ドが付く超下手クソな最低の尾行ですね』
そうなのだ。
ふたりの後方、100mくらいに一頭の大きな狼がつかず離れず、
とことこ歩いていた。
ダンが苦笑する。
『今は狼形態だけど……放つ波動で分かる。あいつ、俺が昨日、魔力抜いて転がした人狼の一体だよ』
『もう! ホントに! 気分は最低! 更に更に地の底でございます』
『おお、スオメタル……その様子だと、相当怒ってるな?』
『当然でございます。私にとって生まれて初めて! 記念すべき初デートなのでございますよ! 一生の想い出なのでございますよっ!』
『おお、何か、スオメタルから凄まじい怒りの炎が立ち昇ってる。そんな光景が見える気がする……』
『当たり前でございます! 折角、マスターとの超甘初デートが出来てウキウキルンルンだったのに……うざいあいつのせいで全てぶち壊しですから!』
『ん~、でも困ったな、あいつ城までついてくるつもりだな』
『何故困るのですか? ……まだ距離がありますから、ぱああっと転移魔法で跳んじゃいましょう』
スオメタルは転移魔法で振り切る事を提案したが、
ダンは難色を示した。
『う~ん……』
『マスター、何を悩むのですか? あんなザコ狼一匹、放置プレーで構わないのでは?』
『いや、放置プレーしても良いけどさ……あいつ、相当しつこそうだ』
『御意でございます。超が付くしつこさだとの分析結果が出ておりますゆえ』
『スオメタルは知ってるだろうが、猫族と違い、狼を先祖に持つ犬族は基本的に、長距離走が得意なんだ。ず~っとついて来て、終いには、城の前で、ず~っと待ってるつもりじゃないのか? 徹夜とかしてさ』
『て、徹夜で待ってる!? 私達の家の前で!! うっわ、超うざ!』
『だな!』
『ず~っと家の前で待ってるって……変質者というか、ストーカーじゃないですか? そんなの冗談じゃありまっせん。ぶっとばします? もしくは殺っちゃいます?』
スオメタルは眉間にしわを寄せ、猛毒を吐いた。
ダンは苦笑し、制止する。
『いやいや、スオメタル。奴らは捕食者で人間にとっては敵なんだが……』
『はい! 私にとっても! 人の恋路を邪魔するクズの最低野郎でございます』
『まあまあ……俺達は魔境では新参者だ。何でついて来るのか、一応問い質してみよう』
『どうせ、マスターから魔力を抜かれ、気絶させられたのを逆恨みした、リベンジ狙いですよ』
『う~ん、そうかな?』
『きっとそうでございます! 絶対にっ!!』
スオメタルの機嫌はとても悪そうだ。
無理もないかもしれない。
ダンとのデートの素敵な余韻を、人狼のストーカー行為&尾行でぶち壊しにされたのだから。
『じゃあ、こうしよう』
『どうするのでございます?』
『隠れ身の魔法を使う。姿と気配を消して、やり過ごし、隙を見て奴を捕獲しよう、束縛の魔法も併せて使う。良いかな?』
『御意でございます! その上で、マスターとの楽しい想い出を、思い切りぶち壊しやがったあいつを、報いとして万倍返しで粉々に打ち砕く! ……と』
『おいおい、万倍返しで粉々って、……殺すなよ』
『保証は出来かねますが……極力、努力致します』
こうして……
ダンとスオメタルは執拗に尾行する人狼を、
生け捕りにする事を決めたのである。
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⛤『魔法女子学園の助っ人教師』
◎小説版第1巻~7巻
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☆遂に本日発売!!
9月18日発売の月刊Gファンタジー10月号に『最新話』が掲載されております。
一見超ドライですが、本当は優しいルウ、可憐なヒロイン達の新たな魅力をどうぞお楽しみください。
また「Gファンタジー」公式HP内には特設サイトもあります。
コミカライズ版第1話の試し読みも出来ます。
WEB版、小説書籍版と共に、存分に『魔法女子』の世界をお楽しみくださいませ。
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毎週月曜日更新予定です。
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