心象風景
2009-04-21 「流れ去る 時の中で」追加
2009-04-22 「春の夜の夢」 追加
2009-04-23 「幼き日のショートケーキ」追加
2009-05-05 「枇杷の木」追加
2009-05-07 「霧笛咽ぶ 夜」追加
2009-05-13 「雨が降る」 「夢旅行」追加
2009-05-24 「雨の国道」 追加
2009-05-27 「霞む 山を見て」副題:核実験への怒りを込めて 追加
2009-05-28 「今宵も更けて 見た夢は」追加
2009-05-30 「旅の空を 眺めながら」追加
2009-06-04 「山梢に 里の音」追加
2009-06-10 「梅雨入り」追加
2009-06-14 「夕方のひととき」追加
2009-06-17 「朝陽の中で」追加
2009-06-20 「のどかな 休日に」追加
2009-06-21 「雨の 休日」追加
2009-06-24 「海から見た 太陽の光」追加
2009-06-25 「子犬とじゃれた 夕方」追加
2009-06-26 「石榴の花咲く頃」追加
2009-06-28 「自動車道を 走りぬける」追加
2009-06-29 「朝の風景」「しとしと 降れば」追加
2009-06-30 「果てしなき 心の旅」追加
2009-06-30 「銭湯風呂につかって」追加
2009-07-01 「静寂の朝に」追加
2009-02-02 「曇る朝」追加
2009-07-02 「愛に包まれた 君よ」追加
2009-07-04 「心の 花」追加
2009-07-06 「星たちの 出会いは」追加
2009-07-08 「一夜の夢」追加
2009-07-09 「一度も終わりまで見たことがない番組」追加
2009-07-16 「ブランデーとウッドベース」追加
心象風景
「蒼林深く 静湖あり」
蒼林深く 静湖あり
森深く 分け入りたる
木々 どこまでも深く
進めば 静寂 湖あり
どこまでも澄みいり 深く
蒼く 揺らぎなく
湖面は静かに そこにあり
空に 綿菓子浮かべたる雲
浮かべり
我 ここに今 在り
ああ なんと静寂な時間
喧騒を離れ 心穏やかにして
目に映る 景色
自由にして 長遠 時間過ぎて
ここにあり
足下 可憐に生き 花あり
紫色に染め 大地色添えん
湖面脇に 一本の木立
鳥鳴く 声聞こゆ
ま白き 鳥 羽広げ
湖面に向かいて 啼く
その勇姿 勇ましく
また可憐に見ゆ
時 まさに今
大きく羽ばたき
湖面に向かい 飛び立つ
その美しき姿 我に勇気与う
静寂 湖面に 波たち
揺れん
彼の勇気を 讃嘆するか
鳥も大空 雲に向かい
征せんと向う 勇姿なり
人もかくあるべし
揺らぐを恐れず 波立つを恐れず
いのちあらん限り 使いて
勇気持て 飛びたたん。
かくの鳥の如くに
羽広げ 胸張り 進みゆかん
大空目指し 飛びたたん
今日出発の日 いのち燃やして
*****************
「夢 思い」
小川流れる 田舎道
一人の老婆が 腰を曲げ
肩に鍬を 担いでく
皺と染みが多い その顔は
私と出合って 笑顔に満ちあふれ
苦労をしてきた その体は
小さくなっているけれど
逞しいその腕は
まるで女性と思えぬほど
人生の重みなど 薙ぎ倒さんと
思えるほど
小路の中ほど
二人を隔てる 小さな小川
それを繋ぐ
木の橋一つ
その上二人 立ち止まり
交わす言葉は 天気と世間話
田んぼに続く畦道は
雑草生えて緑色
小川の水は透き通り
かわす会話に せせらぎの
音さへ 心ゆったりと
あの日の 夕暮れ
空舞うは
家路に帰る からすだけ
空は真青に 色あるも
その色深く かわりつつ
次第にあかねに 染まり行く
老婆の笑いが 我救う
優しき目には その人の
人生 全て見えるよう
我など 赤児同然と
思えて頬が 染まりける
夕日は次第に 西空に
赤く燃えつつ 沈んでく
遠きあの日の 夢思い
今も忘れぬ 老婆の笑顔
*********
「桜並木の海岸線」
桜並木の 海岸線
波の音が 通り過ぎる
海岸線に 一人の女性が
ブルーの ノースリーブ
スカートは 淡いピンク
風にスカートが 揺れていた
手にサンダルを持ち
海に向って 佇んでいる
僕は車から降りて 一言
声をかけようかと 思うのだが
その後ろ姿は 何故か
僕を 寄せ付けようとしない
桜が 綺麗ですよ
それだけ言えれば
話ができる。
どうしたのかも 知りたい
でも 出来ないのだ
何者をも 拒むように
太陽にきらきら光る
波打ち際の海が
まるで彼女と大切な
お話をしているように
僕を避けているのだ。
あなたの心に 溶け込む
余裕など 微塵もないかのように
ただ虚しく
通り過ぎる風だけが
桜の花びらを 散らしている
あなたの姿と 海が溶け合って
海の妖精のように 通り過ぎていく
車から思い切って降りる
そこには 砂に汚れた ピンクの
サンダルだけが上向きに落ちていた
僕の目の前を 小さな桜の花びらが
まるで蝶のように 舞って
落ちていった。
波の音が 何かを唄っている
清らかな メロディが
耳を通り過ぎていく
春の夢か 幻か
多分 それは 花びらの
いたずらなのかも 知れない
真昼の太陽は 僕の体に
気持ちよい 暖かさを
もたらして くれている
春の爽やかな ひと時の事
桜並木の 海岸線の
一瞬の できごと・・・
**********
「山の奥の小さな公園」
小さい頃山の奥にある小さな公園で
よく遊んだものだ 木々の間から
漏れて来る木漏れ日を見るのが
大好きな少年だった。
公園には地面いっぱいに枯葉が落ちて
歩いているとまるで 雲の上を歩いて
いるような気持ちがして走り廻って
遊んでいた 公園に三つの遊具が
置かれていた
一つは ブランコ 座る木の部分が
腐りかけていて ブランコで遊ぶには
コツがいった 木を止めている金具に
足を乗っけて 思いっきり揺さぶると
すごくいい気分で 前後に揺らされて
飛んでいるような 気分になった
たまに落ちる事もあったけど 枯葉の
絨毯がやさしく 僕を受け止めてくれた
二つ目はシーソーだった
でもこれは仲の良かった Yちゃんとじゃないと
遊べない ある日彼女が病気で遊べなかった時
すごく寂しくて 山の中腹の秘密の洞穴で泣いた
三つ目は鉄棒だった 鉄棒も誰も遊ばないから
錆びていて 何回も遊んでいると手が茶色に
染まって痛かった
そんな日々を 何か大切なもの
のように思い出すのは 何故だろう
もう帰ってこない あの日の山は
夕日に赤く 染まっていた
*********
「お遍路さん」
道をとぼとぼ 歩きながら
歩いてくる 一人の老父
傘もささずに 濡れながら
河川敷を 歩いてる
声をかけて 聞くと
四国巡礼に いくという
このあたりは 寺がないのに
不振に思って 尋ねると
親戚が ここにいるという
何故傘もささずに 歩いてるの
と聞くと出かけるとき忘れてた
という返事 これからどこへ
と聞くと 食事にいくと
何故 巡礼をと 問いただすと
娘が病気で 平癒祈願にと
何か哀れで切なくて その後聞けずに
その場を去った。 傘だけあげて
とってかえして 考えた
あの人自身が 病気ではないかと
悪い事をしたかなと 思いつつ
人には色んな悩みや 苦悩があるんだと
それに必死に 立ち向かっているんだなって
思った
今日から僕は また一つ
一歩から道を 歩いていこう
あのお遍路さんのように まっすぐに
四国の山は やさしくお遍路さんを
見守っている
**********
「孤独な星の物語」
青い大地に 風が舞う
空に輝く 一つ星
何を思って そう光る
一人で青く 光る君
もっと仲間を 集めれば
きっとあなたも 楽しかろう
一人輝く あなたの横
大きな月が笑ってる
きっと寂しい 君の事
案じて側で いるのかも
君の事が 心配で
そうしてそこに
いるのでしょう
一人で輝く 君を見て
他の星々 あの月と
同じ気持ちで きっといる
いつかは君も 星たちと
月の周りで 輝いて
楽しいお話 聞かせてよ
とおい昔の物語
僕にも聞かせて身の上話
**********
「大きな空へ」
青い大きな空へ
きっと私も飛んでいける
あの雲のように どこへでも
空はどこまでも青くて
果てしなく 広いから
今の私は 大地につながれ
身動きすら できないけど
必ずいつかは あの空へ
小さな種になってふわふわ
飛んでいくの 風にまかせて
あなたの元へ たどり着けたら
あなたの庭へ降りて
あなたを見つめて
黄色い花を咲かせましょう
あなたが喜ぶ笑顔が見たいから
あなたの優しい手に包まれて
私はきっとあなたの庭に
綺麗なお花を咲かせるわ
だからいつも私を見てて
今は大地に繋がれてどこへも
いけない私だけど きっと
きっとあなたの元へ飛んでゆくから
**********
「母よ」
台所でいつもの音がする
寝ぼけ眼で目をさます
ひんやりとした部屋の中に
小さな音だが暖かい音がする
布団から這出て階段を下りる
キッチンの隙間から
母の老いた姿がみえる
いつもの何気ない 風景なのに
寒さが消えて キッチンにあったかさが
部屋いっぱいに広がる
気持ちいい朝だね と声をかける
「ああ早く着替えてきな ご飯だよ」
「うん」
洗面所にいって顔を荒い歯をみがく
しゃかしゃか・・・ その間にも
トントントン・・ 料理の音がしている
いつもこんな朝
でも大切な朝
もう今ではその音も
聞く事はない
寒い部屋だけは
あの頃と変らないのに
**********
牙 風
副題:いのち溢れるこの地球
牙剥く 風は我を刺す
虚空の空気は 我 裂かん
胸刺し 貫く刃には
言葉の切っ先 貫かん
空浮くわが身 芥と化し
何くんぞ
身を置く場ありやと 訊ねゆく
虚しくも 去りゆく船も
救うものなし
何ゆえに この身 晒して
ここに置く
牙剥く 風は我食らい
虚空の空気 我求め
空高く 持ち上げん
寒気の鉈を 我あびて
大地に 強く叩かれん
凍りついたる 大地には
いのちのかけら 無かりせば
大地の嘆き 聞こえなん。
草木も 動物も消えうせて
茶色き 大地そこにあり。
月の姿も 消えうせて 星も見えぬ
宇宙には 生命のかけらなかりしぞ
無限の地獄 この地図は いずくの
誰がかきたまう。
原子の 悪魔描き給う
光の果ては かくのよう
爛れる大地 嘆きしが
後にはそれを 治すもの
この世になくて ただ無空
長きいのちの 変革が
起こる時間の 長さかな
原子の 争い打ち辞めて
手を繋ぎし 平ら道
求めと 我は祈るのみ
花咲き乱れ 空に鳥
大地を駆ける生物の 宝庫と
なれや我らの地球
輝く いのちの花が咲く
そんな大地を願うのみ
大地に太陽無用なり
空に輝く太陽の恩恵あれば
それで良し
願わくば 人類争い打ちやめよ
懇願するも
人と人殺しあう 性 うち捨てて
平和の鐘を打ち鳴らせ
永久に平和を求めぬけ
そんな国土を 喜ばん
そんな平和を 楽しまん
いのちの 尊さ いつまでも
人の 心にあるように
こうして祈らん いつまでも
いのち溢れるこの地球
********
流れ去る 時の中で
作詞:たけぼんだぬき
僕の 意識とは別に
空に流れる 雲のよに
目の前の出来事が
あっという間に過ぎ去り
今の瞬間にも 過去になっていく
見ている僕が おかしいのか
感覚がおかしくなっているのか
すごい勢いで 時間が流れて
過ぎ去っていく
タイムマシンに乗ったような
そんな気分
止まらない その速度は
きっと自分が 時空間の中で
時計を 止めたからだろう。
周りの速度は そのままなのだ
僕が 止まっているのだ
だから全てが 早く見えているのだ
それは 何時からなのかな
どうして こんな風になったのかな
人とあって 話して楽しんで 全てが
あっという間に 過去の記録になる
いやな感覚。
今という時間を 失ったのか
今日も雲は 流れていく
青い空を 悠々と
僕にはそれすら 不思議に見える
時間よとまれ っていうけれど
それは自分が 時空間の速度と
おなじ速度で 動いている時
感じるんだ。
自分の時空間が 止まると
きっと 今の僕の感覚
全てのものが 飛び去っていく
あの雲たち どこへ行くのかな
幸せな人たちの所へ いくのかな
悲しんでいる人の所へ いくのかな
笑顔を絶やさない 人の所かな
絶望している 人の所かな
何れにいくにしても
僕の前をあっというまに
通り過ぎていくのは
寂しいな
あの雲に乗れればいいのに
笑顔が僕に 何時戻ってくるのかな
流れ去る 時間の中で
むり なのかな
*************
春の夜の夢
作詞:たけぼんだぬき
あなたに 会えた夢を見た
あなたはとっても素敵な
ピンクのドレスを身にまとい
華麗に花園を舞っている
顔には満足に満ちた笑顔
僕が声を出す 名前を呼ぶ
でも音が出ない
精一杯叫んでみる
声が出ない いや 音がない
静寂というものではない
音そのものが存在しない
全くの無音
お日様も 水も 花も 草木も
こうしてあるのに 音だけがない
君と僕の間を隔てる 透き通った川
その流れにも 音がない
さらさらと 流れているはず
どうして聞こえないの
僕の声が どうして君に届かないの
僕は ここにいるのに
涙が 溢れて出て来て
悲しみに包まれていく
スポットライトのように君だけに
光はあたる 僕の周りは真っ暗
悲しくて 寂しくて
胸が詰りそうになった
足元の草原が涙が落ちるのと
同時に消え去った
ぽっかり 空いたその場所から
真っ青な空が見えている
そして僕は涙があふれる
次の瞬間に真っ青な空に向って
すごい勢いで落ちていく
落ちるというより吸い寄せられる
どこまでもどこまでもぐんぐん
ぐんぐん下へ 下へ どこまでも
落ちていく
落ちても 落ちても 大地がない
永遠に 落ち続けるのだろう
体がふわーっと軽くなる
その瞬間に目が覚めた
見たものは全て夢だった
だけど、流した涙だけは
枕を濡らすほどに流れていた
切ない程の悲しみだけが
僕の周りに残っている
濡れた涙の冷たさと共に
一人 部屋に残された
僕だけがそこにいる
刹那の春の夢
時間は無情にも
私を置き去り 行ってしまった
遠い彼方へ 君と共に
***********
幼き日のショートケーキ
作詞:たけぼんだぬき
あれは 何時のころだろう
まだ僕が 小さかった頃かな
近所にいた 同級生の女の子
僕はその頃 ひ弱な子だった
すぐに熱を出して
学校を休んでいた
その子は いつも学校帰りに
僕が休んでいると 家に来てくれて
僕に声をかけてくれた
優しい子だった
その頃の僕は 年齢の割りに
幼稚で 未成熟な子として
扱われていた。
熱を出せば
すぐに39度近くまで出た
だから 僕にとっての 記憶は
熱にうなされている記憶ばっかり
トイレに行くのも ふらふらしていた
熱こそ今は出ない体になったけれど
ふらふらしている感覚は あの頃と
よく似ているなあ と感じている
その子が一度 僕のお見舞いに
ショートケーキーを持ってきて
くれた。
綺麗な箱に収まったショートケーキ
初めて 食べた 甘いものだった
熱にうかされ 舌が 変になっていた
僕だけど その甘さが今も
彼女の優しさと 一緒になって
残っている。
もう今ではおばさんになった
彼女
可愛い記憶は いつまでも
僕の中に 残っている
*********
枇杷の木
作詞:たけぼんだぬき
昔住んでいた 実家
川のほとり 小さな裏庭
象頭山が見える景色に
溶け込むように
枇杷の木が一本あった。
枇杷の木は木自体が軟らかい
登ろうとすると折れやすく
何度か川に落ちた
川の流れは早くはない
そのためか 蛭がいる
足にとり付いて吸われたものだ
ナイフをいつも持っていた
木を削って竹とんぼを作ったり
二股の木の枝を加工してパチンコを
作る。
遊び道具の殆どは自分で作る。
川に落ちた時 ナイフが便利だ
蛭の口元吸い付いている所を
ナイフでしごく
見事に綺麗にとれる
吸われた部分からは血が止まらない
蛭が血を固めないものをその傷口に
入れるためだ
たらたらと足を伝って流れる血
家に帰って 赤チンを塗る
不思議とよく効いてすぐに治る
そしてまた 枇杷の木に登る
実った枇杷の実を採りたいためだ
捥ぎ立ての枇杷は格別 うまい
そのうちに要領を覚えてくる
枇杷の木は折れても 大丈夫なのだ
ただ 暖かい日は気をつけないと
熊ん蜂がいる
こいつは 痛い
刺されると病院行きだ
刺されたその日は
気分がずっと悪い
一番の大敵だ
でもそうやって様々な事を覚えていく
山で 赤土の露出した 斜面で遊ぶ
ミカン箱をもらってくる
それに乗って滑り降りる
最高の気分だ
それでも滑りすぎて5m程下の
道路まですっ飛んでいった時がある
不思議とあの瞬間はスローモーション
になる。地面までの距離感まで
ゆっくりと掴める程のスローだ
あの時思った
時間は周りで進んでいるのではなくて
自分の体感時間が本当なのではないかと
急いで仕事をしていると早く時間が過ぎていく
のんびりしているとなかなか針が進まない
そんな感覚時間があるのだろう
ナイフで竹とんぼを作った
くるっと両手をしごいて回転をさせると
ふわーっと飛んでいく
大空へまっすぐに浮き上がる
斜めに飛ばすとすごい勢いで前へ飛ぶ
いつもこんな遊びをして過ごしていた
遊び道具はいくらでもあった。
山も 川も 野原も 学校も
全部が遊び場所だった
そういえば 家の前の道路に
蝋墨を使って丸を飛び飛びに書いて
ケンケン遊びをしたものだ。
車など一日に
一度くらいしか来ないから
思う存分に遊べる。
ゴム輪遊びもしたものだ
女の子と遊ぶと詰らない。
あやとりや お手玉や
一つも 面白くない。
やっぱり友だちは
男の子と遊ぶのが
最高だった。
山のカラスがなきだすと家に帰る合図
今日も一日遊びつかれて家に着く
幼い時期の思い出
時は あっという間に過ぎ去る
あんな時代はもう帰ってこないのだ
あの時のナイフももうすでにない
幼き日の思い出だけが 僕の胸に
きらきらと輝いているだけ
*****
霧笛咽ぶ 夜
作詞:たけぼんだぬき
私のマンションから
見下ろせる 浜の港
一人ブランデーを
飲みながら
音楽に浸る
一日のうちの
わずかな時間
夜の港を
眺めるのが好きだ
ビリージョエルを
聞いて飲む
一杯のブランデー
そして
レーゾンバター
これこそ
僕の唯一の時間
船の窓から漏れる
小さな灯りは
心を癒してくれる
レコードが終わり
少しうとうと
しかける頃
港から虚しいまでの
寂しさを含んで
霧笛がなる
はっと目が覚める
船は港の暗闇の中
霧笛だけが侘びを
私に伝えてくる
通り過ぎる時間は
あっという間に
目の前を
通り過ぎていく
時計を見る
夜中の2時半を回っている
今日もまた
現実世界の荒波に
立ち向かっていくのだ
マンションという
小さな私の港は
私の侘しさを乗せて
霧笛がなっている
今日という日はまた
一から始まっていく
どこまでも永久に
続いていくのだろうか
ブランデーのグラスが
部屋の隅にころがる
また深い眠りの中に
私を誘っている
気だるい思いを
眠りのベッドで癒そう
また明日疲れた
わが身をこの港に
停泊して
霧笛を鳴らそう
人生の終着港は
まだ遠いから
癒せる所は
ここしかないのだから
窓の外で
また霧笛がなった
暗闇の世界を
悲しむかのように
*******
雨が降る
作詞:たけぼんだぬき
心に雨が降る
しとしとと 心を浸していく
寂しさも 悲しみも
涙という 雨でずぶ濡れに
濡れてしまう
窓の外 天から涙の滴が
大地を濡らす
空も また泣いている
小さな 雨音が
まるで 天の涙声のように
僕には聞こえる
暗闇の天空が
その涙を隠すように
雲が一面に広がって
哀れなほど 悲しそうだ
僕の心にも 同じように
雲がかかって見えないけれど
涙の雨で しっぽりと
濡れている
こんな夜は 思いっきり
泣いた方がいいんだ
泣いて 泣いて 泣き疲れて
眠りにつくまで 思いっきり
静寂の暗闇から 寂しい雨が
悲しそうに 大地を濡らすから
僕も 悲しくて 寂しくて
見えない心の涙を流そう
心が 癒されるまで
明日という日が
笑顔で迎えられるように
思いっきり 泣こう
静寂の闇に 雨が降る
*********
夢旅行
作詞:たけぼんだぬき
讃岐の平野を 通り抜け
四国の山を 突き抜けて
今日も列車は 線路を
走っていく
緑の木々に 覆われた
四国の山々 急な斜面を
ジーゼル列車は 途中の
駅で休みながら 登っていく
線路脇に咲く 可憐な花も
今の僕には 悲しい気持ちを
慰めてくれる
何箇所もある トンネルを
くぐり抜けて 新しい町へ
突き進んでいく
山を乗り越えれば
新天地が 待っているはず
悲しい気持ちを 忘れ去る為に
飛び出した僕
きっと 変わるだろうと
信じて 出てきた
住み慣れた 町を捨てて
新しいものに 触れたくて
車窓から見える景色は
次第に新緑から
太平洋の蒼い海
の色に変わっていく
南国高知の入り口まで
来たのだろうか
高知の香りが列車の中に
入ってくる
傷心の旅という程でも
ないのだけれど
次第に 心も癒されてくる
僕は 四国を愛している
4県それぞれに 色がある
だから 好きなのだろう
温かく 迎えてくれる
優しい町々
太平洋の 潮の香りが
優しく僕を 受け入れてくれる
太陽の光も 心なしか
香川のそれとは
違っている
爽やかな 今の僕
旅に出てよかった
僕の時代を 呑み込んで
全てを 許してくれるから
優しい 温かい景色
太平洋の 広大な海は
陽の光を 浴びて
ぎらぎらと輝く
海岸線に 白波が帯のように
煌めいて 泡だって
そのラインを 見せてくれる
心に映る 旅の終わり
夢旅行
********
雨の国道
作詞:たけぼんだぬき
濡れる道路に
雨音が寂しくて
気分も滅入る
空にどんよりと
漂う雲が 心を
切なくさせる
ブレーキーランプの
光が妙に 眩しくて
目にしみこむ様だ
友の話が 車中の
暗さを打ち消すように
笑顔と笑いであふれている
心かよう 友はありがたい
来月は 満濃池でユル抜き
もうすぐ田植えの季節
農家ではもう 準備が
始まっている
休耕田が増えている
何か寂しさを
感じる
田んぼの雑草が
雨に打たれて
悲しそう
大地のめぐみを
人が受けて生きているのに
遊ばせるのは 勿体無い
雨に濡れる国道の
路面がきらきらと
車のライトに照らされて
哀愁帯びる
今日の道
明日は心も 空も
すっきりと 晴れて
くれよと 願うのみ
友と走る 国道の
思いよ 空へ届けよと
雨中の車は進み行く
********
霞む 山を見て
作詞:たけぼんだぬき
副題:核実験への怒りを込めて
讃岐の大地 雨にぬれ
霞みがかり 山侘びし
春の一時 我佇み
山を見る
晴れた朝には見える
真っ青な空も
今はなし
雨を含んだ雲は
どうしてこんなに
寂しい色をしている
んだろう
まるで悲しさを含んだ
私の心のように
悲しそうな顔をしている
山はいつも楽しそうなのに
今日の顔は空と同じ悲しみを
帯びてそこに佇んでいる
田植えを待つ田んぼは綺麗に
整地されて地上に降り注ぐ
悲しみを受け止めている
大地も 空も 私も
漂う 空気でさえ
侘しさを たもち
私を尚一層 物思いに
引き摺りこんでいく
笑顔の 太陽よ
慈愛を持って
この大地に豊かな
芽ぐみを 与えたまえ
人々の心にも
豊かな いのちを
蘇らせ 生命の
息吹を 与えたまえ
霞の 向こうに
幸せが 満ちているように
私は 山を見上げている
願い求めている
未だ 晴れぬ 心の闇を
豊かな力で 混沌の闇を
晴らしたまえ
空よ 雲よ 山よ 大地よ
私の愛すべき 国土よ
慈雨に打たれ
横たわる君たちよ
我に 笑顔を
永久に 幸いを
全地球の いのちに
その富を与えたまえ
平和の 鐘を
打ち鳴らしたまえ
原爆で 保たれる
平和など 欲しくもない
我が儘な 指導者など
私には不要だ
それよりも
争いのない 豊かな
心と 広大な いのちを
持った指導者が
今の時代をリードしゆく
そんな国土になって欲しい
人だけが 人を殺す
動物たちは わが身を
活かす為に 獲物を食らう
人は 名誉や 人権や
他愛もない 誇りの為に
人を 殺すのだ
なんという 愚かな
なんという 哀れな
なんという 虚しい
過去の戦争も 国という
プライドの為に 互いに
殺戮を繰り返してきた
太平洋戦争で亡くなった
日本人戦没者は300万人
をゆうに超える
戦争は プライドと
欲望と 自己顕示欲
の象徴だ
もうやめよう。
何度 叫んでも
同じ過ちを また
繰り返すのか
今日の霞んだ山のよに
僕の心は 虚しいのだ
平穏と 和む いのちが
平和を生み出すのだ
世界中から 原爆 水爆を
無くさぬ限り 人は
自らの文明を 滅ぼすだろう
今のこの時を 生きている
私には どうすることも
出来ないのか
虚しさ故の ため息か
一人より 二人へ
二人より三人へ
そうして広げれば
この大地にも 真の平和が
訪れるだろう
黙って佇む讃岐富士は
無言ゆえの 威厳を放つ
霞もうが 晴れようが
我が信念でそこに立つ
偉大なる大自然よ
我を包みたまえ
慈愛に満ちたその
腕で 温かく包んで欲しい
空に降る慈愛の雨よ
我を 静かに見守って
霞の彼方に 希望という
虹を見せたまえ
晴れ渡る大地に豊かに稲を
平和という稲をたわわに
実らせよ
田植えの時期がやってきた
讃岐の大地に 豊かな糧を
豊かな いのちの喜びを
与えたまえと 願って止まぬ
春の終わりに 雨が降る
讃岐の大地に 雨が降る
********
今宵も更けて 見た夢は
作詞:たけぼんだぬき
春の一夜 静寂の中
只虚しく 掛け時計の音
正確に 刻む リズム
その正確さゆえ
哀愁を感じる 一夜
眠りのその中に
君の夢を 見る
寝苦しくて 苦しくて
汗をかいて 目を覚ます
知らぬ間に 机にもたれて
眠っていた
枕にしていた 腕は 痺れて
指先の感覚も 薄れている
小一時間程 眠ったのだろうか
耳に入る音は 時計の刻む音だけだ
かけていたCDも 終って沈黙を
保っている
再生釦を 押すほど
聞きたいと 思わない
夢に現れた 君の姿を
思い出そうと努力する
白いワンピースに
ピンクのネックレス
髪留めの 大きなヘアーピンが
ブルーに光って 僕の記憶の中に
鮮明に見えていた
夢だと思うまでの わずかな時間
僕は青年に 戻っていた
時は確実に 過ぎているのに
すぐに 現実に戻った時
頬を 涙が伝わった
春のうつつの 夢幻
時の独楽は 鮮やかな
色を混ぜて 夢を飾るけれど
とまった 独楽は
転がり落ちるだけ
一時心が安らいだ
何故って 君と会えたからさ
眩しい程に 輝いていた
また逢おうね 夢でさ
*********
旅の空を 眺めながら
作詞:たけぼんだぬき
悲しみに くれながら
ここまで 歩いてきた
小さな 花たちが
僕を やさしく
つつんでくれたよ
坂道の 途中には
お遍路の 老婆の姿
腰につけた お守りが
紫色に 光る
杖の先で なりわたる
小さな 鈴の音が
チリン チリンと
杜の 木立を抜けて
私の 耳に 涼やかな
風を 運んでくる
傷ついた 私の心
目の前に 広がる
道が 優しく撫でる
海に沿った この道も
潮風が 涙で濡れた
いのちさえ そっと
そっと 慰めてくれた
旅の途中の 小さな森が
旅に疲れた 私の身体を
包み込み
優しく 癒してくれた
朝の日差しも 今日を寿ぎ
喜びの 笑顔で
私を 和ませる
大地 はるか
歩く 旅の途中での事
優しき 人々の
思いが 私を助けた
人生 只この道を
ひたすら 歩ければ
それだけで 私は
永遠に 幸せ
転がり落ちた 人生の道
傷ついた 身体を休め
横たわる その傍らに
あおき 草のにおい
旅立って もう幾年か
空を仰ぎ見る
飛び交う あの鳥たちが
私を いたわるよに
真っ青な空に 舞う
今日もまた 一日
生き延びられた
このいのちに 感謝しながら
足の痛みも 心の痛みも
川のせせらぎが 安らぎをくれた
遠く離れし 我が故郷
旅の空は あの懐かしき
町や 山や 海に 繋がり
今日の 癒しの場に
身を 横たえる
旅の果てに 人々の
温かき 人情に触れ
私は 今日も生きる
疲れた 身体を
引き摺りながら
ああ 楽しき人生
全ての いのちあるもの
全ての 人々に
ありがとう の言葉を
贈りたい
******
山梢に 里の音
作詞:たけぼんだぬき
ダム上流より眺め
風景 鳥鳴く声
味わい深し
故郷の山々 川の流れ
絶えずして 緑澄み
心 晴れやか
ダムの水 水門通り
下流の田畑 届く道
また 静寂にして
優雅なり
梢に 聞こえる
鳥のさえずり
草踏む 音
梢に 響いて
もの思い 耽る
小さな 遊具 杜にあり
ジャングルジムに
木陰落つ
小さき子供 駆けて遊ぶ
老爺 連れ立ちて
声をかける
公園長閑に
日は 西に傾き
情景また 興味深い
池に 飛び込む音
驚きて 音のするほう
見るに 亀の姿 池にあり
これもまた 興味深し
時間は過ぎて
友と帰宅す
あの日の わずかな時間
意味深く 我が胸にあり
今の この時 重みを
持ちて すぎゆく時間
大切なりやと 我に問う
意味もたせ 生きるは
己が思い次第なり
今日も一日がすぎていく
癒えぬ身体 引き摺りて
我は それでも 生きていく
早く癒えろと祈りつつ
鎮守の杜に 心 留め
春過ぎ行き 梅雨迎え
時の過ぎ行く ひとときを
願いて 今日も 我は生く
古里 ありて 我あり
梢の 音に もの思う
草の音に 我思う
踏みしめ 生きる
今日を 喜ぶ
*****
梅雨入り
作詞:たけぼんだぬき
四国もいよいよ梅雨入り
朝から路面を濡らす雨・・
目覚めの朝には寂しさが
私の心を占領している
熱いコーヒーを 入れる
香りが 部屋に広まって
コーヒーカップから
立ち上る湯気を 見つめる
今日一日がスタートした
椅子に 腰掛けて
ゆっくりと 味わいながら
飲むと 心にまで
あたたかさと 安らぎが
フワーっと広がっていく
朝の時間は 無情に早く
過ぎていく・・・
讃岐の地に 潤いの雨
私の心に 潤いのコーヒー
ブラックの 香りは
優しく 私を慰める
今朝の音楽は 村松崇継
彼の奏でる いのちの歌
マナカナの 歌とは
また味わいが違って
優しさと 安らぎが
私を安心させてくれる
雨の日のピアノは
少し 感慨深い
同じ楽器でも
演奏する人によって
味わいが違う
辻井さんのピアノは
力を与えて入れる
華麗さも持ち合わせている
奥深さもあって いいのだが
朝聞くのには 少し重たい
村松さんは 優しさに満ちあふれて
私をそっと抱きしめてくれる
朝聞くには 最高なのだ
コーヒーと 彼のピアノが
何故か私を優しく包んでくれる
今朝の雨が 慈雨となって
今日も一日 平和であれ
と願う あなたの元にも
この思いが 伝われば
嬉しい 今日一日が
あなたにとって 素敵な
一日でありますようにと
ただ ひたすら 願う
無事故であれと 願う
空は 悲しそうな顔を
しているけれど
きっとそれは
悲しいんじゃないんだ
憂いを帯びて 私たちを
そっと見つめてくれている
そんな朝
私は コーヒーと ピアノ
があれば いい・・・
********
夕方のひととき
作詞:たけぼんだぬき
夕陽 赤く燃えて
生きる いのちの如く
過ぎ去る 時を
僕は 一人
のんびりと
過ごしている
暑い 日差しの中
歩く 一人の老婆
渋色の 日傘を
さして ゆっくりと
一幅の絵画を見ている
そんな感傷に 浸る
小さな手提げ袋が
着ている服に 馴染んで
素敵な 女性に 思えてくる
道路に反射した 太陽の熱が
容赦なく彼女をせめている
どこか用事があって
出かけたのだろう
バス亭の方から歩いてきた
僕は扇風機にあたりながら
その行動を眺めている
空は 暑い太陽を浴びて
雲が ぽっかりと 浮かんでいた
こうしている時間にも
時は 過ぎてしまう
何処からか ピアノの音が
している
ドレミファソラシド の繰り返し
誰かが練習をしている
なにやら 過ぎ去っていく
時間のように感じる
時々つっかかるその音が
僕に笑いを誘う
一生懸命に 弾いている
様子が目に浮かんでくる
そういえば 昔私も弾いていた
クラブの 空いた時間に
先輩に教わった事を思いだす
さっぱり上達しなかった自分
指が動くのは ギターのおかげで
動くのだが 鍵盤と音符がつながらない
何故だろう ギターなら音符が
フレットとつながって分かるのに
ドレミファソラシド
ドシラソファミレド
・・・・
これの繰り返し
なんだかつまらなくて
途中であきらめたっけ
あのまま練習を続けていれば
今頃は それなりに弾けたのかな
だけど 一万5千円の家賃のアパート
4畳半一間の部屋に ピアノは
置けないものね
置いた所を想像して
一人 吹き出してしまった
ピアノの上で布団をひいて
寝ている様を想像すると
可笑しくなった
リビングでもあれば
それも出来たかも知れない
今の時代のように
電子楽器も進んで
ギターくらいの大きさの
エレクトーンがあれば
僕も練習できたのに
うまくなったら大好きな
女性に聞かせてあげられる
そんな事も思い抱いて
あの頃練習していた自分
可笑しくなった。
暑い日差しの中
ちょっと気持ちが安らいだ
ピアノの練習がまだ聞こえている
相変わらず つかえつかえの
音が暑い道路に流れている
きっと小学生くらいの子供かな
そんな事を考えながら
扇風機の風に あたりながら
冷たい ビールを飲んでいる
時間が少しの間 止まってくれれば
この楽しい時間がゆっくりと
楽しめるのに 叶うはずもない
淡い期待を 抱いている間も
容赦なく過ぎ去っていくんだ
軒先に とまった カラスが
僕を見て 笑ってた
生意気な カラス
お前も飛んでみろと
言わんばかりに
僕を からかっている
お前も扇風機にあたって
ビールを飲んでみろっと
言いたくなった
空は飛べないけれど
いつでも 心の中では
自由に飛べるんだ
大空をね。
お前のように 暑い日に
黒い服着て 偉そうに
人様にものをいうな
俺が鳥になるんだったら
真っ白い渡り鳥がいいなあ
大きな翼を思いっきりひろげてさ
青い大きな空を千切れ雲の間を
すり抜けるように 滑空するんだ
気持ちいいだろうなあ。
暑い梅雨の昼下がり
そんな空想が 僕を楽しませていた
ビールの泡に 喉を潤しながら
パンツとTシャツ姿のこの俺は
やはり変わり者なのかな
思いっきり わははっと
腹から笑えば 嫌な気分も
なくなるのかな
暑い夏直前の昼下がり
一人のんびりと過ごす
休日の ひととき
昔から不思議に 思うのは
ビールに 柿の種が
何故合うんだろう
下らん事を考えて
今日が過ぎていく・・・
********
朝陽の中で
作詞:たけぼんだぬき
朝の風景を 輝く太陽に
照らされながら 眺めている
地上に降り注ぐ 強い光りの
海が 僕を溺れさせてくれている
小さな自分が 広大な光りの海に
漂っている気分に浸れる
朝の風景 行き交う車が
仕事へ急いでいる
駆け抜けていく 時間の渦
そっと 僕は 縁側の椅子に
腰掛けて 朝のコーヒーを
飲んでいる
いつも朝のコーヒーは
ブラックに決めている
熱いコーヒーが甘い香りを
漂わせ 喉を通っていく時
爽やかな 春の草原に佇み
森の香りを楽しんでいる
気分に浸る事が出来る
コーヒーの味によって
その日の体調まで感じられる
体調の良くない時は 苦いのだ
調子が良い時は 苦さより
ほんのり 甘い味がする
舌に影響を与えているのかも
知れない
今朝のコーヒーは格別美味かった
雲一つない薄い青色の空
飛び交う鳥もなく 虚空
という正に名の通りの空
大地は 太陽に晒され
汚れた 闇の夜の空間を
そして大地を消毒するかの
ように 光りの塊が落ちてくる
梅雨というには相応しくない
今日の空 コーヒーから
立ちのぼる 甘い香りを
たっぷりと含んだ 湯気が
窓から差し込む光りの筋に
ゆらぎを与えて 面白く
見えている
今朝の洗浄された 空気を
吸い込んで 今日一日が
ゆっくりとスタートするのだ
僕の愛する朝の風景
気持ちのよい朝だ
思わず空に向かって
おはようと 声をかけて
しまう 自分がそこにいる
今日もよろしくと・・・
*****
のどかな 休日に
作詞:たけぼんだぬき
今日も朝から
強い日差しが
私をつつむ
夏がもうすぐ
そこまで来ている
川の流れは 糸のように
細くなって
今にも 切れそう
山々の木々は
光りを いっぱい受けて
嬉しそうに 輝いている
河川敷の遊歩道を
一人 歩くと
あちこちに
草の合間から
小さな黄色い花が
顔を出している
時々川面を流れる
いたずらな風に
揺らされて
迷惑そうな顔を
している
ちょっといじらしく
なるほど 可愛い
忘れてしまった
子供の頃の
原風景を 思い出す
青い空に
白い絵の具を
筆につけ
薄く
引き延ばしたような
白い雲
時々 ちぎれて
青い空が
見えている
あなたを 思い出し
ふと見つめてしまう
自分がいる
あの空のどこかに
君はいるのだろうか
僕の胸に きゅんと
痛みが 走る
今日の空のような
君の姿を 思うだけで
僕の側にいて欲しいと
願うんだ
人って寂しがりや
少なくとも 僕はね
強がり言って
何でもないような
ふりを見せても
心の隅に 寂しい
気持ちが 隠れている
楽しかった 日々が
昨日のように
浮かんできて
僕を覆ってしまう
君を失った頃の
僕は 空が嫌いだった
何だか 君を奪っていった
ように 思えてね
でも今はちがうんだ
いつでも 君は空にいる
そこから 僕を見守って
いてくれている
だから 今日のような
空はスキ
多分 スキ
じゃないかと
思う
きっと スキ
山の稜線に 薄い雲が
ひっかかって まるで
僕の心のように
見えた
空と山と大地を
僕が愛する理由は
そこに君がいるから
なのさ
空はね 山が好きなんだ
山も空が好き
大地は山と空に
あこがれている
だから きっとさ
その境界線で
お話をしているのさ
今日あった出来事を
楽しそうに 話してる
いいなあ 空も山も
大地にも 話し相手が
いてさ
僕にも話す相手は
いるけれど やっぱり
僕は 君と笑顔で
いつまでも 話したい
叶わぬ 思いだから
余計にそれを求めるのかな
人って さみしがりやさん
空や 山が
そんな僕を見て
笑っている
大地に寝転がって
草の匂いに 包まれて
どこまでも真っ青な空を
眺めていると 心に
ちょっとだけ
安心感がわいて来る
君が スキ だったから
*********
雨の 休日
作詞:たけぼんだぬき
部屋でのんびりと過ごす午後
雨が しとしと降っている
梅雨の雨 湿気を帯びた空気が
部屋の中にまで入ってくる
明日からしばらく天気が 悪いと
TVで言っていた
雨を待ち望んでいた 大地も
喜んでいる事だろう
ある程度まとまった雨が降らないと
水不足は なかなか解消しないだろう
ここに降っても 解消しない
四国の水瓶 早明浦ダムに
降らない事には解消しないのだ
ただ 暑さは凌げる
湿気は 嫌だけれど 降らないよりは
降ってくれた方がありがたい
お天気の影響だろう
体調が 良くない
朝から 頭痛薬を飲む
頭痛と体のだるさ、若干のふらつき
こんな時は 一度にくる
今も横になって 休んでいた
薬が効いてくれば 何とか凌げる
お天気もそうだが 体調も雨・・
お付き合いなんか しなくていいのに
気分が滅入るので 音楽を聞く
雨音に ピアノでは
益々落ち込むので
サザンの曲にした
湘南の香りがする
サウンドが 心地よい
茅ヶ崎 湘南 烏帽子岩
青春の日々を もう一度かな
ちょっと寂しいストーリーも
ある 湘南海岸だけど
気分を変えるには これがいい
夜明け前の 海も味わいがある
ひととき 青年に戻った 僕は
朝焼けの 赤い海を思い出して
感慨に浸る 波音と共に
潮風が 僕の前を通り過ぎて行く
自然の中に つつまれて
砂浜に座って 戯れる
あの日のひと時が 走馬灯のように
瞼の裏に うつるのだ
あの日の光景が 鮮明に・・・
*********
海から見た 太陽の光
作詞:たけぼんだぬき
遠い記憶の中 埋没して
しまっていたもの
ある日の夏 海へ両親と
海水浴 海の家に場所を
借りて海パンに着替え
海辺へ 乗り出す
白い波と 戯れて
少しずつ 体をしずめてく
首の高さに海面がきたら
思い切って 浜辺に沿って
平泳ぎ たんだん体が
暖まってきたら クロール
懸命に泳いでいる
ふと泳ぎをやめて 顔を上げると
自分のいた場所が分からなくなって
海岸線にまで戻っていく
この時の不安感が たまらなく
冒険に出たような気分になって
面白い
目印を泳ぐ前に決めておく
海の家の支えにしている
柱 右から数えて 何本目
だから 両親の顔が見えなくても
不安になって泣く事はなかった
いつも父に教わっていたから
怖くないのだ
海で足がつったときの対処法
潮の流れに引きずり込まれた
時の対処法等々
いろんな事を父は僕に教えてくれた
そのおかげで潮に引き込まれて10m
位海中に入ったけれど
中耳炎になるだけで 問題なく
助かった。
すごい力で 海の底へ
引っ張り込む 潮の流れ
あれできっと 海で死んだ人が
寂しくて泳いでいる人を
引っ張り込むんだという
お話が出来たのだろう
30m位下のほうに
海の底が あって
まあるく えぐられた
場所 海水の流れが
縦に廻っているから
こうなるんだと
後で父に教わった
海面上では分からない
潮の流れ ぐぐっと
引きずり込まれたら
体の力を全部抜く
潮の流れに全てをまかせる
少々海水を飲んでも
死ぬ事はない
ある所まで沈み込んだら
自然と穏やかな所に
置かれる 力を抜いた
ままにしておくと
急に きらきら輝く
海面が近づいてくる
そして体を少しねじって
顔が海面の方に向ける
すると生暖かくなって
ポカンっていう感じで
海面に浮かぶ
呼吸をゆっくりする
なるべくお腹に空気を入れる
浮かんだままで 手を
背泳ぎの要領で動かす
そのうちに力が戻ってきたら
体をひねって 陸地を探す
陸地の方へ 背泳ぎで
泳いでいく
これでいのちだけは
助かる
波が強いときは海岸線は
要注意 この時は平泳ぎか
クロール ゆっくりとする事
慌てると 溺れる
夏になるといつも
父の指導が思い出される
海では厳しかった父の
声が聞こえる
あの頃の海は
本当に綺麗だった
どこまでも青くって
澄んでいた
*******
子犬とじゃれた 夕方
作詞:たけぼんだぬき
夕日の落ちる 浜の町
小さな子犬が 目の前で
楽しそうに 遊んでいる
小さな 赤いボールが
子犬の 遊び道具
昼間に 遊んでいた
子供たちの 道具だろう
口にくわえたり ちっちゃな
前足で 蹴っ飛ばしたり
くるくると廻りながら
本当に楽しそうに
じゃれている
僕を見つけて くんくんと
近づいてくる
小さな頭を優しく撫でてやると
愛くるしい目で 僕に擦り寄ってくる
僕の所が 落ち着くのかな
しゃがんだ 足の間に入って
ズボンに摺り寄せる
しばらく 僕は子犬と戯れる
可愛い大きな目に 映っているのは
どんな景色だい そっと問いかけてみる
くんくんと 言うだけ・・
何かを目で訴えている
お腹が空いたのかな
そう思って 一度部屋に戻って
ソーセージを一本てにもつと
また子犬のいる道路へ
もうそこには 子犬はいない
わずか一分程の出来事
探したけれど もう見つからない
飼い主が見つけて 連れ帰ったのかも
しれない
なにやら 僕は悲しくなって
赤い夕日を 見つけてた
アパートの 前の道路
夕日の沈む 方向に
浜の 坂道が 続いている
あの子犬の顔が とっても
愛おしくって あの大きな
目が切なくて 僕は
ソーセージを 手に持って
子犬に食べさせるソーセージ
僕がかじって食べていた
ある日の 数分の物語
僕の記憶の一ページ
ちょっとした思い出
赤い夕日が綺麗だった
******
石榴の花咲く頃
作詞:たけぼんだぬき
私が子供の頃 歩いて5分ほどの
所に 私の子守をしていた
おばあちゃんの娘の嫁ぎ先が
ある。
別に親しくはないのだが
子守をしていたおばあちゃんの
家によく遊びに来ていた
僕はそのおばあちゃんの家に
預けられて幼児期を過ごした
もの心つくくらいから その
おばあちゃんを 実の
おばあちゃんだと信じていた
父母 両方のおばあちゃん
と逢ったのは 幼稚園にあがる頃
僕は保育園には行っていない
集団生活が始まったのは 幼稚園から
母の乳を欲しがると おばあちゃんが
勤めている職場まで連れて行って
僕に母の乳を与えていた
あの頃は 家庭的に貧しかったから
夫婦共稼ぎは 当たり前だった
後で聞いた話だが 母の一月の
給料は 3万6千円
当時としては高給なほうだ
僕の育児費として払っていた
のは 6千円 今で言えば
4万円くらいかな
それなりに支払っていたようだ
母に甘えた記憶は 小学校から
それまでは 子守のおばあちゃんに
あまえていた
そんな僕が ある事がきっかけで
小学3年位の時に 弟が欲しくなった
それは 子守のおばあちゃんの
娘に子供が出来て その子を
抱いた時からだった
可愛い弟が 欲しくなった
実際は 母の体の問題で 無理なのだが
何度か 僕は母に無理を言った
そうこうしている頃
ある日 父方の甥っ子が
遊びに来た
その男の子は とっても可愛くて
夏休みの間 うちにいた
昼間は 一緒に幼稚園や小学校
の校庭で遊んだ
子守のおばあちゃんの娘の家に
遊びに行った時、
庭に石榴の花が咲いていた
綺麗な 花を僕は甥っ子に
見せて 二人で楽しんでいた
都会から来た甥っ子にとって
自然がいっぱいの 我が家は
楽しかったのだろう
その後 夏と 冬と来るように
なり 僕とのつながりも深くなって
いった。
僕にとっては 弟だった
山で探検をしたり 川で泳いだり
校庭で走り回ったり 鬼ごっこを
したり 毎日遊んで暮らした
その時期の事を石榴の花を見る度に
思い出して 感慨にふける
今では 親戚との付き合いも
途絶えてしまった
その子がどうしているのかも
わからない
母に抱かれた 思い出も
数少ない おんぶされて
夜の暗い道を 歩いて
帰る 母の背中だけは
覚えている
母も辛かったのだろう
育児に専念したかったと
僕に話して 涙を流していた
今年もまた 石榴の花が
咲くのだろう
綺麗な花を 見せておくれ
僕の思い出が 鮮明になるように
*********
自動車道を 走りぬける
作詞:たけぼんだぬき
道は 日本を縦断し
僕らは 南へ向かう
山は 豊かに 緑をたたえ
空は どこまでも
青く 後ろに
飛び去る
高速の壁を眺めながら
カーオーディオから
流れる 音楽は
僕の好きな サザンの曲
どこまでも 滑らかに
タイヤの刻む リズムに
乗せて 桑田の歌が
響いてる
僕らは いつも 仲良くて
今日の空のように
明るい 笑い声が
車内を包む
会話の 絶えない
友との会話
いつまでも
続いている
サービスエリアの休憩
昼の 食事は 軽めのランチ
小さな 子供が 遊んでいる
休憩所
青い空は 僕らの
バケーション 喜ぶように
どこまでも 真っ青な空
爽やかな 風が暑さを
和らげてくれる
足を 延ばして
伊豆まで いこう
トンネルの オレンジライトが
車内を 貫いて
まるでダンスホールのように
光の ラインが 走っていく
チラチラ見える君の顔が
とっても素敵に 見えている
サザンの曲が 湘南の香りを
運んでいるよ
君と友達との楽しい 伊豆旅行
きっと 楽しい出会いが
君との 楽しい時間が
きっと 待っているよ
*********
朝の風景
作詞:たけぼんだぬき
家の前を 走り去る
車の姿が 僕の胸に
侘しさを 残していく
朝は 気忙しく
何かに 急かされて
追われるように
過ぎていく
今朝の コーヒーを
飲みながら 心を
落ち着かせ
空を 見つめる
初夏の空は 心に沁みる
通り抜ける 侘しさも
ふと 我を 哀れみ
僕に今日の 生を
感じさせてくれる
多くの 友に支えられ
こうして いのちを
延ばしてきたけれど
それに 報いる力を
まだ 持てていない
もう少し 時が必要
なのかも知れぬ
いつまでも このままでは
そういう 思いと
これまで よく生き延びた
という思いが
私の 心の中に 渦巻いて
小さな カップに 注いだ
コーヒーのように
黒い 暗幕が 覆っている
それでも 生きていく
いかねば ならないのだ
期待を 寄せる 友のためにも
自分を 頼ってくれる 人々の
為にも・・・
こんな小さな 自分だけれど
それでも 私は 私でしかない
そうであれば 朝の空のように
爽やかに 生きていたい
心の重荷は 外せないのなら
せめて 生きる 希望は
捨てないで 前に 向いて
進んでいこう
これからも ずっと・・・
----------
*******
しとしと 降れば
作詞:たけぼんだぬき
しとしと しとしと
どことなく 体がだるくなる
空を覆った 雨雲
落ちてくる 雨は
どことなく 鈍くて
重い
雨に重さがある
訳じゃないけれど
不思議に 梅雨の雨は
重い
きっと 人の心に
降る雨にも 重さが
あるのだろう
心を しっぽりと 濡らす
わびしさの 雨
心に 突き刺さるような
悲しみの 雨
心に 温かさを与えてくれる
慈しみの 雨
人には 色んな 思いが
すごい 速度で 移り変わる
今泣いたカラスが もう笑った
と言われる時期があった
子供というものは 日常の中で
ころころ 変化する
という意味だが またこれは
後に 根にもたないという
子供の素直さからとも感じられる
人は成長する中で 色んな感情が
交差し 絡み合い 複雑になり
その人の 人間を構成していく
素直な 心が 世間の荒波で
消えていく
ほんの些細な 言葉尻でも
大人は 鋭敏に反応する
それは その言葉を
過去の経験から こう言う
時は こういう意味を
潜ませている と判断する
本当に 嫌な人間には
特に 露骨に そういう
言葉で 相手に不快感を
与えようとする
僕の父が よく使っていた
言葉に 皮肉で 言っているんだと
言葉だけを聴くと ひどい言葉
その後で 補足をする
私は 皮 と肉しか 言っていない
骨まで断ち切る言葉は使わないと
僕は 子供ながらに あるほどと
思った事がある
皮と 肉は 言葉の刀で切るが
骨まで断ち切る言葉は使わないと
いう 父の奥深さを感じたものだ
言葉は 安易に 言うものではない
という教訓になった。
自分が 見えない所で
その人の皮肉を言うのを
聞いたことがないし
父自身も言うのなら
本人の聞こえるように言えと
口癖のように 僕を叱った
それからは 僕に 沢山の
男友達が 増えていった
本人が間違っていると
思えば 正直に 二人っきりに
なった時に 思うまま告げた
それでも 聞き入れない友達も
いたけれど 結局は 友達に
嫌われて 一人で 遊ぶことに
なっていった
友達といえど 人間だと
大切にしないと 自分が寂しい
思いをするのだと 教えてくれた
そんな父だった
そんな事を 雨音を聞きながら
思い出して 一人で苦笑いを
浮かべていた
雨は 自分の色々な心を
見せてくれる
人って やっぱり
可愛いものなのだろう
*******
果てしなき 心の旅
作詞:たけぼんだぬき
果てしのない 旅に出よう
君と 旅した時のように
駅のプラットホームに
幸せ行きの切符をもって
雨が降りしきる 線路を
見つめながら入ってくる
列車を待つんだ
君の バッグに
いっぱい詰まった
明日への希望
あふれ出んばかりに
膨れ上がって
白い手に 食込んでいる
二人だけの 婚前旅行
誰にも 邪魔される事はない
青い空に雨雲が一面に広がって
空を 黒く染めている
こんな幸せな 旅は
もうないというのに
どうして こんな
空なんだろう
青く 澄みわたった
空の下 旅に出たかったね
心には 春の花が咲き
とっても楽しい 気分なのに
海のある ホテルで過ごすんだ
周りから祝福されて
旅に出れば もっと君を
喜ばせる事が出来たのに
それだけが 心の気がかり
それでも君は 僕との旅を
本当に喜んでくれたね
今も 満面に 笑みを浮かべて
僕を澄んだ目で見つめてくれる
きっとね 空も嫉妬したんだ
だからわざと こんな雨雲を
いっぱい空に浮かべたんだ
君に贈った プラチナの指輪
バッグの持ち手が食込んだ手に
光ってる
着ているブルーのレインコート
とっても 似合って 素敵だよ
髪にそっと 添えられた ヘアーバンド
素敵な水玉模様 可愛いよって
言ったら 私が作ったのよって
くるって回って見せた
ピンクの下地に 緑の水玉
君の長い 黒髪にとっても
似合ってて 素敵に見えた
もうすぐ列車が入ってくるね
濡れたプラットホーム
滑り込んでくる 列車のドアが
僕たち二人の旅への始まり
いっそこのまま遠い所で
二人だけで 暮らそうか
誰にも 邪魔されない
緑あふれる 大地の上に
誰も知らない 家を建てて
ひっそりとさ
海の見える 小高い丘がいいかな
毎日海を 眺めて 暮らすんだ
青い空に 飛び交う鳥を見てさ
列車の中は 旅への香りを
いっぱい乗せて 僕らを
旅へと誘ってる
車窓から見える太平洋が
窓いっぱいに広がって
素敵な旅を 祝ってくれている
楽しい二人だけの世界が
始まるんだ
踏切の鐘の音が 僕らにとって
ウエディングベル・・・
雨に濡れた 道路が後ろに
飛び去って 次第に 畑が
目に飛び込んでくる
僕らの旅は 始まったばかり
幸せという駅へ 君と二人で
いつまでも どこまでも
走り続けたい・・・
*********
銭湯風呂につかって
作詞:たけぼんだぬき
湯気の向こうに 安堵感
体をつつむ 優しさに
そっと身を置く 心地よさ
銭湯風呂の 大きな湯船
首元 洗う 湯の流れ
声が響いて 気持ちよく
くつろぐ時間も 長くなり
老人一人 私の横に
頭にタオルを 乗せたまま
ざぶんと つかれば
大きな声で あーーーと言う
不思議に 声出る
湯船の中
誰に聞かせる わけでなく
心から 出る声なれば
意味もなし
大きな蛇口に 口をよせ
軽くいっぱい飲み干して
喉の渇きを癒しつつ
赤くなるまで 入る人
入ってすぐに飛び出る人
人それぞれの 楽しみ方
銭湯ならではの面白さ
湯船をでてから体に湯
3杯ほど かけて洗い場へ
石鹸泡を 多めに
タオルに付けて
体を洗う 気持ちよさ
隣のおっさん
いつもの なじみ
そっと手を出し
タオルを 取れば
おっさん私に背を向ける
大きな背中を ごしごしと
洗ってあげると
嬉しそう
今度は 私と入れ替わり
彼も 私の背を洗う
人と人とのつながりが
もっとも深かまる 集会所
見知らぬ人も 仲良しに
風呂を出てから コーヒー牛乳
いつもの定番 取って飲む
喉越し過ぎる美味しさは
銭湯ならではの醍醐味か
天井据えられ 大き目の
扇風機 起こす涼風が
火照った 体を冷やしてく
小さな 町の 銭湯に
ほのぼの 登る 人の情
湯気と一緒に 疲れも癒えて
今日の 帰りは 爽やかに
歩いてかえる 月夜道
その日の疲れを
その日のうちに
人と人との触れ合いが
私の心に 安らぎを
与えてくれた 銭湯の湯
懐かしき すぎゆく時代を
おもいだす
*******
静寂の朝に
作詞:たけぼんだぬき
朝の混沌とした 闇の中に
アランフェスのメロディが
優しく奏でる時 心の闇は
晴れ渡り 爽やかな朝の
日差しが 胸を通り抜けていく
悲しみを帯びた そのメロディに
爽快さすら 覚えるのは 何故だろう
慈しみを持って 私の心を癒し
懐かしさを 思い出させる
そのメロディに 心躍るのは
何故だろう
懐かしき 草の香り 太陽の匂い
草原に 寝そべって 青い空を
見上げている 気分にさせてくれる
何故だろう
秋の 枯葉を 踏みしめて
蒼き 森を 歩くがごとき
気分にさせてくれるのは
何故だろう
私の心の 原風景なのか
それとも 癒しを求める
我が心の いたずらか
ギターの 音色が そうさせるのか
哀愁を 帯びて 私に
優しく 語りかけ
慈しんでくれる 優しいメロディ
常に 混沌の闇に 巣食う
己が いのちの 故なのか
今朝も まだ闇が 空を山を
大地を 覆い尽くしている
なのに 心だけは
澄み切った 春の空のように
清々しく 爽やかなのだ
何故だろう
今日も アランフェスの
メロディが 流れている
静かに 穏やかに 荘厳に
私の部屋を 嘗め尽くしていく
その 音色は 昔聞いた
竹笛の 故郷の 音に似て
私を 優しく 誘うのだ
今日も 目覚めた 闇の中に
さっと 広がる 春の日差しが
私の心を とらえて離さない
アランフェス 我が心の古里
爽やかな 朝が 光と共に
やってくるのだ
*******
曇る朝
作詞:たけぼんだぬき
空に 覆う雲
どんよりと 鈍く
雨雲に覆われ
風はなく
体を湿らせる
行きかう車 少なく
通勤前の 静けさか
道は 濡れて 重たし
山の頂上 雲に隠れ
恥ずかしがる 乙女の如し
湿気に包まれた空気は
眠気を 覚ますに
程遠く 夢の中の
景色のよう・・・
心は 空っぽで
虚しさも 霞の向こう
囀る鳥の声も なし
静寂の 霞に消えて
寂しさ 見えるが如き
朝の風景
曇る朝の 景色
讃岐の空に
悲しみにさえ ひたる
道路沿いに
植えた
木々の緑
湿気を吸って
緑をたたえ
それのみが
鮮やかに
見える事
面白き光景
こんな朝に 流す音楽は
荘厳さをたたえた 曲がいい
ピアノは寂しさを 誘う
交響楽の 音色に
朝の思いを たくす
シューベルト?
モーツアルト?
ベートーベン?
ヴィヴァルディ?
色々聞いてみる
どれも 心に合わない
結局 ギター演奏に落ち着く
私は ギターの音色に
ぞっこんなのだ
こんな朝だから 爽やかな
曲がいい
オーバー・ザ・レインボウ
が今の私に 合っている
清々しく ちょっと
切ないギターのメロディに
心目覚める
曇りの空に あっている
出発の朝に ふさわしい
*******
愛に包まれた 君よ
作詞:たけぼんだぬき
草の香り漂う 森に
君は 果実を採っている
楽しそうに 笑顔をたたえ
果物かごには まだ果実は
入っていないのかい
緑の森に オレンジ色の
果実は 光を浴びて
輝いているというのに
君が はしゃいで採っている
ものって何なんだい
裸足になって走り回って
怪我でもしたら どうするの
そんな事はお構いなしの君
困ったものだね
緑が嬉しいのかい
それとも太陽の光が
嬉しいのかい
豊かなめぐみに
包まれている事が
嬉しいのかな
静寂の光に包まれて
君は 森の中を楽しそうに
遊んでいる
大自然の 富に
魅了されたのか
光に 輝いて
君の 笑顔が
零れ落ちる
声をかけることすら
はばかれて・・・
ただそれを眺めている
僕には もう
何もしてあげられない
ただこうして椅子に
腰掛けて 見守るだけ
時間という 空間は
どこまでも ゆっくりと
広がっていく
君という 光を乗せて
僕は乗り遅れた
ダサイ 男
時間は君と戯れながら
光の粒に満たされながら
ゆっくりと僕の前を
通り過ぎていくだけ
僕という存在すら
消え去っていく
緑に包まれた 森の中へ
******
心の 花
作詞:たけぼんだぬき
朝の日差しが厳しい
早く目覚めた朝に
歩く道すがら
ふと 小さな黄色い
花が 目にとまる
日差しを浴びた
花の 健気に咲く
その姿に 僕の心は
癒されるのを 感じる
細い茎に支えられ
強い風が吹けば
今にも折れそうに
見える
雑草の中に 一つの花
何やら 味わいさえ
感じる そんな朝
空は 雲ひとつなく
晴れ渡っている
風がない
きつく感じる
太陽の光
その中に僕は
体力を戻したくて
散歩をする
体の調子がいい時は
出来るだけこうして歩く
雨に打たれる時
虚しさを感じ
明るい日差しに
嬉しさを感じ
曇りの空に
切なさを感じ
毎日の 日々の
暮らしを思いながら
こうして僕は 歩んでいく
いつまでも歩いていたい
小さな黄色い花のように
支える体は細く頼りなく
思いだけ 先に歩みを
進めながら ずれる
思いと体
小さな体に 空は
微笑んだり 怒ったり
優しく見守ってくれたり
冷たく 突き放したり
毎日の移ろい行く
思いを 励ましてくれる
まるで母のように
まるで父のように
いつも側にいてくれる
空よ 山よ 大地よ
私の折れそうになる
心に いつも側にいて
励ましてくれるあなたの
その心に 元気になって
必ずこたえる
それが 私の今の祈り
大きな空に
豊かな山に
微動だにせぬ大地に
私は 生きる意味を
見つける
心の 憧憬
いつもそれは
自然
僕は 自然が大好き
幼き日に見た 真っ赤な夕日
走り回った 豊かな山の緑
泳いで 楽しんだ 碧き海
すべてが
私の 故郷
私の 憧れ
私の 原点
こんな 素敵な
大きな 自然を
見られる 今日の喜びを・・・
また私は 歩いている
ゆっくりと 進む光の中
歩ける 喜びに浸りながら
自然を 愛でながら・・・
********
星たちの 出会いは
作詞:たけぼんだぬき
恋人と語る夜に
星が光る 満天の夜空に
きらきら 輝く愛の星
素敵な 夜だね
君とこうして側にいて
同じ星を見上げられるなんて
なんて素晴らしい夜なんだ
君の浴衣姿につい
うっとりする僕
浴衣の襟元から見える
白いうなじに 僕は
そっこんさ。
団扇を持つ手が 愛おしい
いつまでも こうして星を
見上げていると 誰にも
邪魔される事はないんだって
思えるよね。
天駆ける 白馬に乗って
一緒に駆け巡りたい
空が どこまでも
透き通って 綺麗だからさ
世界中から 争いという
言葉をなくしたい
人と人とお互いに 愛せる
時代が 来ないかな
僕らのように 星に願いを
かけてみようか
争わないで 喧嘩をやめて
暴力を止めて みんなが
安心して暮らせる世の中に
なりますようにって・・・
そして一番大切な願い事
君とこうして いつまでも
愛し合えますようにってさ
君の手をとって 駆けて
いきたいな どこまでもさ
自由な 世界へ 草原へ
二人だけの 世界へさ
きっとそうすれば
二人の願いも叶うよね
きっと さ・・・
だって いつもこうして
お互いの目を見つめながら
話し合える 君の思いへ
僕が 深く入っていって
同化してしまえばさ
いいんだもんね
一つに なった
二人の いのち
宇宙の星になって
大きく輝くんだ
いつまでも
永遠にね・・・
********
一夜の夢
作詞:たけぼんだぬき
優しさの香りを 漂わせ
街に灯りが 戻る時
空に 星が瞬いて
輝く 家の 窓から
漏れる 優しい
団欒のともしび
僕は 街路樹を
一人 いく
小さな 子犬が
僕に近寄って
可愛い声で
くんくんと
甘える声で
囁いて
悲しみの中にいる僕は
頭を 撫でて
胸に抱く
眠りの前に 散歩道
歩く習慣 常のよに
いつもの道を いつもの時間
何処へともなく 歩く癖
空に 輝く 月さえも
心に 安らぎ 与えると
家々の 窓から漏れる
団欒の灯火 闇を飾って
光ってる
いつもは 心安らいで
家に戻って 眠りの中
明日への希望 胸に抱き
ゆっくり眠りに つけるのに
今宵は 胸が 収まらず
一杯の ブランデー
グラスに注ぎ 飲み干して
ごろりと 横になったまま
いつしか 夢の世界へと
入っていった 夜の夢
君との 海でのバカンスを
夢に 現れ 楽しい時間
過ごした 過去の夢物語
夜中に目覚め 切なさが
胸に迫って 窓開ける
空に 満天星光る
切なき 一夜の夢なれど
胸に 深い悲しみと
別れた君の 最後の言葉
思い出しては 涙に耽る
潤んだ僕の目に映る
景色は 歪んで
悲しげに 今宵の夢に
残された 一人ぽっちの
虚しさが 涙にくれて
夜は更ける
切なき一夜の夢
遠い 昔の楽しい時
月さえ 歪んで 悲しみに
包まれて・・
きっと 君の好きだった
犬を 抱いたせいだろと
思いは 遠く 過去の君
犬抱く 君の優しき瞳
僕の 記憶に蘇る
一夜の 儚き夢
想う・・・
*******
一度も終わりまで見たことがない番組
作詞:たけぼんだぬき
実家に TVが来た
まだ僕が 小学校へあがったばかり
まだ我が家にTVはなかった
TVというものを知らない僕は
夜になると 早く眠っていた
9時前には寝ていたように思う
幼い頃の自分の身体は ひ弱で
すぐに熱を出した
体力もなくて 走ったりして
遊びすぎると 夜には熱が出た
小学校3年の時 やっと我が家に
中古のTVが来た 親戚が新しい
のを買ったから 我が家にお古が
廻ってきたからだった
それでもTVというものが
どんなものなのか 僕は
分からない 父が 夕方に
TVの電源を入れると
ニュースや 天気予報
漫画 ドラマ等を見るように
なって 食事の風景も
一変する
父は 無類の酒好きで
一日に 5合は飲まないと
収まらない人だった
飲んでも いつも優しい
父で 酔わないのかと思った
程の 強さだった
何曜日だったか忘れたが
夜は9時に寝るのだが
その日は 父の誕生日で
お祝いが我が家であって
僕も眠い目をこすりながら
起きていた
十時になった時 父がTVを
つけた
TVから 音楽が流れてきた
いまでも 夢のように 覚えている
夢であいましょう♪
と歌いながら 番組が始まった
とっても素敵な歌声と 映像に
僕は釘付けになった
音楽とトークで 楽しい番組だった
しかし途中まで見た時もう僕は
本当に夢の中にいた
眠ってしまったのだ
母の腕の中で見ていたのは覚えている
母の 優しく温かい腕の中で
気持ちよくなって寝てしまったらしい
だけど あの日の番組だけは
どうしても続けて見たいと
母に駄々をこねて その日だけは
起きるように努力した
次の日の朝が辛かったけれど
どうしても見たかったから・・
でも結局最後まで見れた事は
一度もなくていつも途中で
母の腕の中で眠っていた
幼い時のかすかな記憶に
この番組が焼き付いている
そして母の腕の中の気持ちの良い
時間も一緒に 覚えている
きっとあの時って 幸せだった
のだろう
母も 父も そして 私も・・・
*********
ブランデーとウッドベース
作詞:たけぼんだぬき
土曜の夜 風呂上り
10階の窓を開け放ち
静かな港の灯りを
見つめながら
ボリュウムを少し絞って
回転する ターンテーブルを
眺めながら 針をそっと下ろす
スピーカーから流れ出る旋律は
ジャズだよねえ
夜の港に良く似合う・・・
ロンカーターのベースの響きに
酔いしれながら 一週間の
疲れを癒す
黒のバスローブじゃないけれど
Tシャツに半ズボン
色気も何もないけれど
これが一番 気楽でいい
台所に大切に置いてある
ローヤル・ブランデー
小さな ナイフで 封を切り
ブランデーグラスに注ぐ
とくとく という音が
ジャズのウッドベースに
よく似合う
テーブルの上には
先日から 取り組んでいる
帆船 日本丸の プラモデル
ロープの括り方 アロンアルファ
の使い方 味のある色合いにしたくて
買った アクリル塗料
資料を眺めて 出来上がりを
想像する
作りかけの船を眺めて
ブランデーに また口をつける・・・
まだ2/3しか出来ていないけれど
もう心は 大海原・・・
軽やかで シックで 渋い
ウッドベースの音が 部屋に
広がって 心地よい空間を
作っている・・・
贅沢を言えば きりがないが
今なら アロマキャンドルでも
燈せば もっと最高なんだろう
藤棚商店街で買った
チョコレート 冷蔵庫から
取り出して ちょっとずつ
かじりながら ブランデーを
飲む・・・
残業ばかりの毎日
一月に四回だけの贅沢
土曜の夜に ジャズが合う
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