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隔たった

久しぶりの世界滅亡

 時計の秒針が懐かしい音を奏でる。


 さっきぶりの自宅は嫌に寂しく感じる。


 自分で歩いて、この目で見てきた世界は

あまりに美しく、あまりに醜かった。


 世の理不尽に涙した。平和の体現に頬を弛ませた。仕方ないと自分を無理矢理頷かせた。神の手を幻視した。


 焼いた肉を喰らう人、捌かれる家畜と捌く人、草野絨毯を歩く獣、黒煙の立ち上る戦場、死ぬ人殺す人、ゴミで出来た果ての無い山、世界を思い声を張る人、道端の亡骸。


 この世を真っ黒に恨む人から百歩歩けば、笑う誰かの顔を拝む。


 人も自然の一部なんだ。


 腰を下ろしたソファーに結論を投げ捨てる。


 人間は至る所にいたけれど、所詮はそんなものだった。


 今ようやっと、人をもっと特別な何かに勘違いしていた時間が過去になった。


 今深く溜め息をつくこの時間で何が起こっているのか思い出すだけで、何もかもが虚しくなる。


 正しいという言葉を本当の意味で使ってみたくて、あの旅に赴いた。


 赤い水晶は落ちる花弁を宙に縫い付け、クルクルと回り続ける地球をピタリと止めてくれた。


 随分と世界は勝手気ままだった。


 もっと簡単に纏められてしまえば、もっと簡単に幸せになれるだろうに。


 喧嘩なんてするな。人を壊してしまう様な物を作るな。ゴミを出さない様に気を付けろ。ちゃんと謝れ。手を取り合って生きていけ。


 分かりきっているだろう。それが出来ない理由が人の外にないだろう。


 自分で自分を殺してどうするんだ。


 そんな些細な事で人なんて殺すな。


 子供にそんな事をするな。


 誰か助けてやれよ


 

 なぁ…



 分かるじゃんかよ。




 駄目だって




 そうするべきだって




 だけど、分かるんだよ




 これからも無理だろうって





 だから





 赤い水晶が手から滑るのを




 許してくれ




 笑顔と泣き顔は共に灰に塗れていく。


 

分かっている

苦しい程に分かっている

七夕に書いた願い事はバラバラだった

仕方ない、人は人に対して無力だ

だから、世界よ滅びてくれ

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