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ほこりを被った花瓶  作者: 逆さのカカシ
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研修会と駄犬2

今、私の隣には最悪が座っている。


追い返す上手い言葉を探していたら

いつのまにか隣に座っていた。


男の名前は飯田透、以前からお誘いの話をしつこくしてくる男だ。


その飯田が話しかけてくる。


「まさかこんな所で会うなんて

思いもしませんでしたよ!」

にこやかに笑っている。



私はこの状況から早く逃げ出したかった。


田城聡美の顔を見つめ早くここから逃げたいという念を送り続けた

だが、それは全く意味を成さなかった。


「飯田さんは涼子ちゃんに会いに来たのでしょ?

なら、私は退散するね」


「ちょ!田城さん!」


田城の一声を皮切りに他の三人も去って行った。

最悪だ。田城さんにも裏切られてしまった。

こうなったら適当に流して

ここから逃げよう、そう決めた矢先

飯田が突拍子も無いことを言ってきた。


「あの、宜しければ午後の合同研修

一緒にやりませんか?

確かペアを組んでやる事になると思うので

店舗外の人とも組めるはずなのでどうですか?」


優しい瞳でこちらを見てくる。


何故、そんな目で見てくる。

これでは断りづらいではないか…。


私は観念した。


「はい…良いですよ…」


「本当ですか!?ありがとうございます!

では、また後で!」


走って行ってしまった。


昼食終了の鐘が鳴る。

午後の合同研修が始まった。


案の定、私の隣には飯田がいる。


こんな私を遠くの方で田城たちがこちらを見て笑い合い楽しんでいる。

仕返しに少し睨みつけてやった。

四人の声は聞こえないが楽しそうだった。


今回の研修会の進行役の人が号令をかける。

「二人一組のペアを作って席に座ってください。余ってしまった方は他店のでも構いませんので組んで

なるべく早く席に着席してください」


飯田は号令がかかるなりこれ見よがしに私の肩を掴み席に座った。


席に着くと前から紙が配られた。

「今お配りした紙に自分の名前をフルネームで書いていただいて、お隣の方と紙を交換してください」



紙に名前を書き、飯田と交換した。


「これからですね、今ペアで座っていると思うのですが1人がお客様役

もう1人が店員役といった形で接客のデモンストレーションを全員の前で行っていただきます」


え、嘘でしょ。つい本音が漏れる。



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