第2話 ふぞろいな歯車たち(下)
『対策課警備班』
警備部から対策課へ派遣された専任者は4名、必要に応じた機動隊への出動要請と現場での助言が任務。
元中隊長1名と派遣された機動隊員3名で構成される。
機動隊は必要に応じて当直の中隊がその任務に当たる。
筑総再開発公団管理地、自走防盾(御楯製作所製Hi-Shieldシリーズ)
「ママー!れいぞうこ!れいぞうこがはしってる!!」
「あ!奥さん、お騒がせして申し訳ありません。」
「何かあったんですか?」
「いえ、今日は機動隊がここの空き地をお借りして訓練をするんです。」
「筑総公団の管理地ですよね?ネットで見たわ!
開発を止めて訓練場になるんですか?」
「いえいえ、借りるのは今日だけですよ、
1年半も前からお願いしてあって、決まったのも去年の今頃でしたから、
関係は無いと思います。」
「あら、失礼。でも若い人いっぱいで凄いわね。」
「おかげさまで、訓練をしても出動が無いのが一番なんですが。」
「ママ!ソージキ!ソージキが付いてる!カッコイイ!!」
「あはは、坊や、あれは悪いロボットをやっつけるロングショックバトンだよ。」
「ろんぐしょ・・・?」
「悪者があの棒の先に触るとビリビリって痺れちゃうんだ。」
「イイコは?」
「えー・・・あぁ、良い子は大丈夫。
だけど危ないから動いているときには近づいちゃいけないよ?」
「うん!」
「良いお子さんですね。あ、そうだ・・・これをどうぞ。」
「・・・パンフレット?ロボット禁止法?」
「いや、これの見開きの
・・・ほら、右側に自走防盾、この「冷蔵庫」の写真と紹介が載ってるんです。
坊ちゃんにどうぞ。」
「まぁ、すみません。有難うございます。」
「ママ!ロボットもある!おじさん!これもわるいロボット?」
「おじ・・・いや、これは良いロボットだよ、悪いロボットと戦う正義の味方だよ。
・・・だけど、もしも見かけたら、近くに悪いロボットも居るから、
お母さんや先生と一緒に逃げてね。約束だよ?」
「うん!」
「怖いわ、ロボットなんて居なくなればいいのに・・・」
「奥さん、力が足りず、ご心配をおかけしており申し訳ありません。
一日も早く違法ロボットが無くなるように頑張ります。」
「いえ、おまわりさんが悪いわけじゃないわ、それじゃ、訓練頑張ってくださいね。」
「はい有難うございます。お気をつけてお帰り下さい。」
今回は本当に会話だけに。
次の幕間はあれこれ書いた挙句にバッサリ会話をカットしたのですが、
こういったのも楽しいですね。
自宅近くの空き地でも訓練されていたのですが、最近宅地になりました。
炎天下でも完全武装な方々には本当に頭が下がりますよね。
次回は幕間です。




