09
夕食後、俺たち兄弟は一番上の姉に呼び出され、部屋に集められた。
「どうして集められたか、大体は理解できてるわよね?」
他の4人を見ると、リストバンドやイヤリング、指輪、昨日まで付けていなかったはずの物をそれぞれが持っていた。
というか、竜兄と紗良姉の付けている指輪が、どう見てもペアリングなんだが・・・・・・
「ねぇ、お兄ちゃんとお姉ちゃんって夫婦なの?」
愛良ナイス!
心の中でそう叫ぶ。
竜兄たちも視線に気がついたのか、諦めたような顔をした。
「違う。それと、姉さん、後は頼んだ」
「・・・・・・わかったわ」
紗良姉は諦めたような顔をしつつ、そう答えていた。
「とにかく、今はこれのことよ」
指輪を外して俺たちの前に置いた。
「大体わかってるけど、これも白箱?」
「ええ、竜斗の付けている物もそうよ。なんでこんな見た目なのかはわからないけどね」
「へ~」
わざわざ掘り返さずともいいことを言ったばかりに、愛良が疑わしげな眼を向けている。
「確認だが、みんな白箱を手に入れて、2度目の今日を過ごしたってことであってるよな?」
竜兄が全員を見渡しつつ、全員を見渡しそれに答えるように、全員が頷く。
「なら、早速本題に入るとしよう。率直に言うと、俺たちで協力しないかということだ」
協力というのは、白箱の能力を相互活用しようという意味だろうが、愛良たちは分からないといった様子だ。
そのため、紗良姉がため息をつきながらフォローを入れる。
「竜斗はここにいる全員でグループを作ろうって言ってるのよ。戦うとしても人数は多い方がいいでしょ?」
確かに戦闘の可能性もあるが、【付与】の能力である俺としては他の能力をもっている人と協力できるだけで、かなりありがたい。
「俺は賛成だ」
「愛良たちもはいる~」
(たぶん)世界初の白箱ギルド、本川家の誕生がここに決まった瞬間だった。