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削除を終えもう一度投稿します。
一部の内容が変わるかもしれません・・・
家を出ると、スマホで時間を確認する。
歩いて行ってもまだ間に合うな。
今朝からのことを振り返る。
起きると、布団の中に白い箱があった。
箱は現在、俺の眼鏡として付けられている。
その眼鏡は以前からつけていたものという事になっている。
日付が一日戻っている。
スマホのメモ帳に、そう入力した。
やはりどっきりとしか思えない。
どうしてこんなことになっているのかと考えながら歩いていると、神社の前を通り過ぎた。
時間が戻っているなら、この後……
余談だが、昨日(日付が戻った今となっては、今日の事だが)と同じ時間に家を出ていた。いつも一緒の沙良姉がいないため、ゆっくりと寝すぎてしまったのだ。
「おっはよ~」
そうそう、こんな感じで……
俺は女子に飛びつかれた。
「おい、美月抱き着くな」
「いいだろ~それくらい、減るもんじゃないんだしさ。それに、朝からかわいい子に抱き着かれて、修斗もうれしいだろ?」
そんなことを平気で言ってくるこいつは 塩沢 美月 さっき通った神社の一人娘だ。男兄弟が多い家庭で育ったためか、男勝りな性格で、長いと鬱陶しいという理由で髪を短くしている。だが、顔立ちが良いことや誰とでも気楽に接するという事もあり、男女問わず人気がある。噂ではファンクラブ的なものがあるらしい。
小学生の時に同じクラスになったことがきっかけで話すようになった。だが、ここら辺の子供は高校生になるとほとんどが町の外の高校に出てしまう。そのため、高校には同じ中学のやつが少ない。幸い俺たちの学校はそれなりに人気があり、偏差値もそこそこであることから、生徒が極端に少ないという事はない。
そんな事情もあってか、俺はこいつとつるむことが多かった。
「いや、痛いんだよ。主にむn…グエッ!!」
「それ以上言ったら、絞める」
「ギブギブギブ!!」
美月に首を後ろから絞められた。
俺は痛みをこらえながら美月の腕を数回タップすると、ようやく解放される。
このやり取りで気が付いたと思うが、こいつの胸はほとんどない。本人は「着やせするタイプなんだ!」とか言っているが、絶対に違う。中学から成長した痕跡もなく、こうやって首まで絞められても一切ふくらみが感じられないことから、ないと言ってもいいだろう。
「おい、てめぇ! なにしやがる! 殺す気か!!」
「修斗が胸のことを言うからいけないんだろ! これでも気にしてるんだよ!」
「クッションもないからガチでいたいんだぞ!」
「こ、これでも少しくらいはあるもん!」
「嘘つけ!」
「着やせするタイプなんだよ! 脱いだらボクだってすごいんだぞ!」
「そんなに言うなら、自分の目で確認してみろ!」と言い名がら、上着を抜き始める。
「やめろ! やめろ!」
慌てて止めた。
こんな登校中の生徒がいる中で、脱がれたら困る。
近くにいる俺にも絶対に被害が来る。
ふと、昨日も同じやり取りをしたことに気が付いた。
このせいで沙良姉に怒られたことを思い出し、帰宅後を考えると嫌な気分になる。
俺はそのまま美月と話をしながら、学校へと歩いて行った。