脱出へと(3)
「それでは脱出方法についての話を進めます。脱出するために必要不可欠な奴らの気を引く役を決めます。これは私も参加します。一人でも多くの人に助かってほしいのであまり進んで頼みたくはないのですが、残念なことにこの役目は私一人では足りないので他に参加してくださる方はいませんか。」
「俺は参加するぜ。お前だけに良い恰好させるわけにはいかないからな。」
と武史が言ってくれた。これで二人。あと二人は欲しいと思っていると、
「私もやろう。」
という声が挙がった。それに続いて、
「それじゃあ僕もやります。」
と立て続けに手を挙げてくれる人が二人、これだけいればいいだろう。そう考えていると、
「私もやる!」
と愛が言ってきた。
「愛は皆と一緒に逃げるんだ。この役目は危険なものだということはわかるだろう。」
そう言ったのだが愛は、
「やだ、私はお兄ちゃんと一緒に行く。」
と言って聞かなかった。結局俺は愛を止めることが出来なく犯人の気を引く役を一緒にやることにした。
俺は犯人の気を引く役を決めたところで、
「では脱出の作戦が開始して私が合図したら皆さんは玄関めがけて走ってください。これで話は終わります。脱出作戦が始まるまで皆さん決して奴らに気取られないように気を付けて準備しておいてください。」
俺がそう言って話し合いを終了した。それと同時に集まった人たちは解散していった。
俺は犯人の気を引く役をやる四人を集めた。
「改めて自己紹介させてください。俺は工藤聡と言います。」
「私はこの人の妹の工藤愛です。」
「俺は斎藤武史だ。よろしく。」
「私は倉橋だよろしく頼む。」
「僕は坂井です。よろしくお願いします。」
倉橋は口調は落ち着いているが身体はいかにも体育会系という感じで坂井はどっちかというと文化系なタイプの見た目をしていた。
「これは作戦とは関係ないんですが、なぜこの役目に立候補したんですか?」
と俺は聞いた。すると倉橋は、
「ここにいる人たちを助けたくてそれの手伝いがしたくなったからだ。」
と言った。続けて坂井は、
「僕はここをどうしても出たいからです。でも集まった人たちはなんとか他人任せにしようという雰囲気だったのでそれが嫌で立候補しました。」
という理由らしい。なんにしてもメンバーが多いに越したことはない。
「なるほど。協力してくれてありがとうございます。それではさっそく具体的な方法の話をしたいんですがいいでしょうか?」
そう聞くと全員頷いた。これを合図に俺は脱出方法について話を進めた。




