脱出へと(1)
脱出するためにはまずこの状況を把握しなくてはならない。
一番の方法はここから少人数の人間が逃げ出し助けを呼びに行くということだ。
俺達の今いる場所は大きな体育館みたいなところであり、そこにはもちろん非常口のような出入り口も存在するのだがそこは「奴ら」によって塞がれていて内外ともに入れないようになっている。
また窓もあるにはあるのだがはめ殺しのタイプの窓のため開けることが出来なかったり、
高すぎて手が届かない場所にあったりするのでここを使うのも現実的ではない。
だとすると脱出するためには正面玄関から出るしか方法はない。だが正面玄関には「奴ら」の
見張りがついている。「奴ら」は武装もしているため正攻法で勝つことは難しい。
だが出ることが可能な場所は正面玄関以外ないためこの問題を解決しなくては脱出する方法はない。
ということは強硬策に出るしかないようだ。これをやるには俺一人では出来ないので仲間を集めるために
愛を呼んだ。
「愛にやってほしいことがあるんだ。」
「やってほしいこと?」
「俺はここからどうにかして脱出したい。だがそれには俺達だけじゃ出来ない。だから愛には
俺たちの仲間を集めてほしいんだ。」
「それはいいんだけどどうやって脱出するの?」
「それは皆を集めてから教える。今は人数を集めてくれないか。」
「もしかして乱暴な方法なの?」
「あぁ。ここを脱出するにはそれしかない。」
「そんなの危ないよ。大人しくここで助けを待ってようよ。」
「そんなことをしていても助けが来る保証はない。」
少し強い口調で言ってしまったため愛は俯いてしまった。
「誰か助けを待ってここで大人しくしていたら俺たちも奴らと同じと同じように銃を持って人を殺すことになるかもしれない。俺たちに拒否権はないんだ。だったら少し強引でもここから脱出したほうがマシだ。」
そう言うと愛は渋々納得したような顔をして人を集めに言ってくれた。
その間に俺はここから脱出する方法の具体案を考えなくてはならない。人が集まってくれても具体案がなくてはすぐにバラバラになってしまうし、そもそも協力してくれないだろう。
脱出方法の最大の問題点はやはりあの玄関だ。あそこをどうにかしなくては脱出不可能だろう。一番妥当な作戦は全員で玄関に突入して混乱を起こし脱出を図るというものだ。
だがこれには必ず犠牲者が出てしまう。
これの他に方法はないか俺は懸命に考えた。だが俺はわかっていた。これ以外には方法はないと。
もっと大がかりな作戦ももしかしたらあるかもしれないが、「奴ら」は定期的にここに監視にくる。
玄関にいる分には音を立てなければ問題ないのだが入ってきてしまっては隠し切れない。
なので簡単ですぐに実行できる方法でなくてはならない。
俺はこの方法を実行すると決心したとき、愛が集めた人を連れて戻ってきた。




