異変は突然に(4)
動けないでいた俺だったが徐々に近くなってくる銃声が俺を正気に戻した。
「愛、武史、ここから逃げるぞ!」
そういって二人を連れ来た道を走って戻った。だがその戻った先でも銃声が聞こえてきた。
「うそだろ、さっきの場所からは逆方向なのに。」武史が走りながら吐き捨てるようにいった。
最初の轟音からまだ何分も経たないまま町は大混乱である。銃声と悲鳴がやまず鳴り響いている。
そんな大混乱の中必死に銃声から逃げいていると突然、
「動くな!」
そう俺たちに向けた怒声が響いた。その声の方を向くと身なりは俺達と変わらない普通の10代から
20代の男が立っていた。だがそいつは手に銃を握りこちらに向けていた。男が持っている銃は拳銃なんて生易しいものではなく、テレビやドラマでしか見ないようなサブマシンガンを俺たちに構えていた。
「もう一度言う、動くな。動いたら容赦なく撃つ。」
「お前だれだ!なんでそんなもん持ってるんだ。なにが目的だ。」
そう言ったときの俺は心が麻痺していた。相手が銃を持っているということに慣れていないせいか俺はその銃を持った相手に気づいたら強気に叫んでいた。
「お前たちに説明する義理はない。死にたくなかったら静かにしろ。」
そう言って俺たちに手を上げさせ軽い身体検査をすると。
「よし、歩け。」
と言われ、言われるがままに歩かされた。そうして少し歩くと市民ホールのような場所に連れていかれた。
そこには自分たちのような10代の人たちが多く収容されていた。というか俺たちくらいの年代の人たちしかいなかった。俺が周りを観察していると、
「大丈夫ですか?」
と収容されている人に話かけていた。俺は他人と接するのは苦手なので愛が話している内容を盗み聞きしていると愛と話している人が
「はい、私の家は完全に壊されてしました。」
と言って愛は「そんな・・・。」と言葉を失っていた。周りの人の顔色を見ると同じような境遇の人がいるようで、すでに死んでいるかのような表情をしている人たちが多くいた。愛はそんな人たちの暗い話にもめげずに
「大丈夫ですか?」
「怪我はしてないですか?」
「なにがあったんですか?」
など励ましながら色々な人に話を聞いて回っていた。俺は愛のようなことは出来ないので混乱している頭を無理やり冷静にさせた頭をフル回転させて現状の把握をすることにした。
今は俺たちが捕まったところから歩いて5分ほどのところにある小学校の体育館に収容されている。この体育館に収容されている人数は150人程度で年代は俺たちのような中高生がほとんどだった。
だがいくらこの町が田舎だからといってそこまで人口は少なくない。俺たちの年代はまだ他にもいることを考えると他の学校の体育館やそれに類似した建物に収容されている可能性は高い。
そして俺たちの年代じゃない人たちがいない。
この体育館にもいないしそもそも10代の人間を集めていったいなにをする気なのだろうか。こうして考えをまとめようとしていると頭は冷静になってくるが「奴ら」のやりたいことは一向に見えてこない。「奴ら」がなにをしたいかあれこれ考えていると愛が帰ってきた。




