異常の中の日常(3)
「俺たちがこれから雨風をしのぐ場所についてなんですが俺には心当たりがあります。愛、俺たちが小さい頃遊んでた場所、わかるか?」
そう聞いたら愛は納得したようで頷いていた。
俺たちは今「奴ら」から隠れながら移動して住宅街のはずれに来ていた。そこは林になっているのだがもうすこし行くと散歩道のある山がある。その山の中に俺たちが小さい頃遊んでいた洞窟があるのだ。
洞窟って言っても迷路みたいのではなく壁に穴が少し空いている程度のものではあるが一時的にクラスには十分である。なにより町でクラスことが難しい現在、人気のないところに行くしか選択肢は残されてなかった。
「俺たちが昔ここで遊んでいたころに見つけた小さい洞窟があるんです。そこにこれから行こうと思っています。」
「じゃあそこでとりあえずは過ごすというわけですか。」
「そうです。それにここなら住宅地から離れているんで奴らの目も届かないんじゃないかと思って。」
「それに山の中って言ってもそんなに奥深く入るわけではないので移動も大変じゃありません。なので武史が帰ってきて食料の問題が片付いたらすぐに洞窟に向かいましょう。」
と噂をしていると武史が帰ってきた。
「武史、コンビニはどんな感じだった。」
「コンビニは壊れずちゃんとあったよ、だが問題があってな。コンビニに奴らの見張りがいた。だがら入って食料を持ってくることはできなかった。すまん。」
「それじゃあ食料調達は別の場所を探さなくてはいけないですね。」
と言いながら坂井は少しがっかりした表情をしていた。
「大丈夫、それは想定してた。武史、見張りは何人ぐらいだった?」
武史は思い出すように、
「確か俺が行ったときは二人だったがあの感じは入れ替わっただけでおそらく見張りは一人だと思う。」
「それなら大丈夫だ。」
俺が予想していたより人数が少なくて助かった。一人ならコンビニから遠ざけることは簡単だ。俺はそのコンビニで食料調達をすることにした。
「予定通りそのコンビニから食料調達をする。」
「でもお兄ちゃん、入口には見張りがいるんでしょ。どうやって入るの?」
「コンビニは住宅地の中にある。だから近くの家を使って物音を立てて見張りを誘導している隙に食料を調達する。」
「そんなうまく行くか?」
と倉橋が言った。
「町の人間を片っ端から拉致監禁する奴らですよ。もしまだ捕まってないやつがいたら捕まえに来るでしょ。家で物音を立てれば家の中に人がいると勘違いして探しに聞いてくれるはずです。」
「なるほど。まぁどっちにしても他に方法もないしこのまま夜になったらどっちみち凍え死んじまう。やるなら早くやろう。」
倉橋がそう言った。時間はすでに6時を回っていた。辺りは暗く寒さも増してきた。これ以上の猶予はない。
「コンビニには俺と倉橋さんと武史で行く。坂井さんと愛は洞窟に行って燃やせるものを集めておいてくれ。」
「わかったよ。」
「わかりました。」
二人の返事を聞いて、俺たちはコンビニに向かうことにした。




