異常の中の日常(2)
「確かコンビニはこの近くだったはずだが。」
俺は聡に頼まれてコンビニまで向かっていたが行くのに時間が掛かっていた。俺たちは体育館を出た後茂みや林の中、川沿いの草が生い茂っているところを歩いていた。理由はもちろん「奴ら」に見つからないためである。なので外に出た割には「奴ら」に合わないで済んでいた。
だがコンビニがあるのは普通の住宅街の一角だ。林や茂みに比べたら障害物がなく見晴らしがよすぎる。
こういう広い道に出てみると「奴ら」が町を巡回していた。「奴ら」に見つからないようにするために動いていたら時間が掛かっていたのだ。
やっとの思いでコンビニに着いてみると、
「くそ、ここにも奴らがいる。とりあえず聡に報告しにいかねぇと。」
と一人愚痴を言いながら聡たちの場所に戻ろうとしたとき奴らの会話が聞こえてきた。
「こんなことしてほんとに変わるのかね。」
「さぁな。だが俺たちは始めちまった。もう後戻りは出来ない。」
「まぁそうなんだけどね。」
「あいつらは何を言ってるんだ。」
俺には「奴ら」の言っていることがわからなかった。
とりあえず俺はその会話を気にしないようにして聡たちの場所に戻ることにした。
「聡がコンビニの様子を見に行っている間にこちらはこれからどうするかを具体的にしましょう。」
そう俺は話を切り出した。仮にコンビニから食料調達が可能だとしても食料にも限界はあるしこのままでは「奴ら」に見つかってしまう可能性も依然として高い。だからせめて安心して生活することが出来る場所だけでも確保しなくてはならないと考えていた。
「まずこれから俺たちが寝起きするところを探さなくてはなりません。」
「確かにそうだな。このままでは体力が無駄に消耗されるだけだ。」
「それには僕も賛成です。捕まってから緊張しっぱなしでもうヘトヘトです。」
「でも寝るとこって言ってもどんなとこがあるかな。町の中の家はいつ気づかれるかわからないから危ないと思うんだけど。」
俺も愛と同じ考えだ。町の中の家を使ったら物音を少しでも立てることは「奴ら」に気づかれる原因になってしまう。
仮にうまく音を立てずに生活できたとしてもそれでは今の逃亡生活と同じ緊張状態で身体も休まらないだろう。
だが俺にはこれから雨風をしのげる場所に心あたりがあった。




