第一章お化け探しへ
お化け探し当日はひどい土砂降りになった。
外が見えないほど強く降りつける雨をみて、これは中止…かな?と思ったその時
プルルルルル…
持ってたケータイがなった中川からだ。
「もしもし?」
「おい、ミナトなにしてんだよ。早く来いよ。」
「は?来いって…まさか、波止場にいるのか?」
「そうだよ。」
「イヤイヤ、おかしいだろ。こんな土砂降りの中行くやついるか?普通。早く帰れ。波に飲み込まれるぞ?」
「俺は、真実を知りたいんだ。着いて行きたいって言ったのはお前だろ?」
「…マァそうだけど…」
「お前が行かないんだったら、おれ一人で探す。」
「わ、分かった。おれも行くよ。」
そう言って俺は電話を切って、出かける準備に取り掛かった。持っていくものは
かっぱ、ライト、カメラ、お菓子だ。
波止場に着くと、中川が見えた。赤のポロシャツに、緑の七分丈のズボンといういでたちだが、かっぱを来ていない。
「遅いぞミナト。」
「あ…ああ。」
俺は、中川と共に波止場のお化けを探し始めた。
この波止場は、もう何年も使われていない。もちろん、人なんか誰も通らない。
なのに、なぜか人の気配がする。
「なぁ中川、俺、人の気配を感じるんだけど、これって…」
「うん。俺も感じる。間違いないね。多分おばー」
ピシャーン!ゴロゴロゴロゴロ…
雷が、俺達の会話を断ち切った…
「なぁ中川、もうやめにしねぇか?雨風もひどいし、お前かっぱ来てねぇだろ?風邪引くしさ。今日はもう帰ってー」
「嫌だ!」
そう言って中川は、行ってしまった。
妙だ。
俺はそう思った。
あいつは、元々一つのことに集中するタイプではない。飽きっぽい性格なのだ。そんな中川が、ここまでして探しているのはすこしおかしい。
何より、なんであいつはかっぱを着ていないんだ?おかしいことが多すぎる。
俺は、ライトを片手に中川を追った。
中川は、小さな小屋の前にいた。人を待っているように、その場を行ったり来たりしていた。
「おーい中川。ここにいたのか。この小屋はなんだ?」
「あっミナト。ここ。ここにお化けがいると思うよ。」
確かに。人の気配が強い。
「じゃあ開けるよ。」
「ちょっまて!」
「ん?なんで?」
「まだ心の準備が…」
いきなり開けるとは思っても見なかったからびっくりだ。
「…よし。オッケーだ。」
「じゃあ開けるよ。」
そう言って中川は、小屋の扉を開けた。




