序章 終業式の出来事
突然だが、あなたは妖怪や神様を信じるだろうか?まぁ信じるか信じないかは自由だが、これだけは断言できる。
神様や妖怪は、いる。
なぜそう言い切れるかって?それは、この話を全て聞いたら、わかるだろう。
俺の名前は、長谷川ミナト。ごく普通のなんの変哲もない高校1年生…だった。あの出来事が起こるまでは…まぁとにかく聞いて欲しい。
その日は、終業式だった。
みんな、明日の夏休みの計画を話しているやつもいれば、部活で休みがほとんどないと嘆いているやつもいる。俺もその中の一人だ。親友の中川と、どう過ごすかで、盛り上がっていた。
中川は、学級委員だ。だけど、学級委員らしからぬ行動、性格を取る時がある。
銀縁メガネのしたは、キリッとして、深い黒色の目。シャープな鼻。意味ありげな笑顔をする口元。すらっとしているが意外と筋肉質な体。滑らかそうな白い肌に、栗の髪。頭脳明晰だが、授業中にたまに寝ると言う行動をとり、口癖は、
「ルールはやぶるもの」
そのギャップがあってか、クラスの女子にはモテモテだった。
そんな奴だが、実は意外に臆病である。
その中川が、意外なことを話した。
「なぁなぁ中川、夏休みどこ行く?」
「まだ決めてないけど…調査したいことがあるんだ。」
「調査?」
「そう。浜名湖近くでさ、幽霊が出るって言う噂があるんだ。それを確かめるために調査したいんだよ。本当かどうかを…ね。」
「ふーん…面白そうじゃん!俺も一緒に行きてぇ!」
俺には、霊感がない。だから、幽霊や神様、妖怪のことは全く信じていない。でも、みてみたいとは常々思っていた。
「いいよ。じゃあ場所はー」
「おーい、席つけー。」
丁度、担任の海猫先生がやって来た。
海猫先生は、学校で一番の人気者だ。恰幅のいい体格に似合わない、長くて綺麗な薄栗色の髪。べた凪のように穏やかな青い目。体格に似合う団子鼻。浅黒く日焼けした肌。その体格通り、明るく穏やかな先生だ。
「また後で話すよ。」
そう言って中川は自分の席へ戻って行った。今思えば、あれが全ての始まりだと思う。
先生の説明を、俺は半ば上の空で聞いていた。頭の中は、幽霊の想像いっぱいだった。
そんなこと考えていたら、
「おーいミナト話し聞いてたかー?」
突然海猫先生によばれた。
「は、はい。すんません聞いてませでした。」
「全く…大丈夫か?ボーッとしてると事故起こすから気をつけろよ?」
「はい。」
「じゃあ、みんな一学期お疲れさん!ハメ外すなよー。」
そう言って海猫先生は、教室を出た。
すぐさま中川の席へ行き、予定を聞きに行く俺。
「で、どーする?」
「そうだね…場所は、浜名湖にある波止場。時間は午前0時かな。」
「分かった。あー楽しみだなぁー!」
「気をつけろよ。もしかすると、メッチャ怖い怪物が出てくるかもよ?」
「またまたー。そんなことないってー。じゃあなー。」
そして、俺は実感する。自分の考えが甘かったことを。そして、俺は進んでしまう。血と、闘いと、茨の道へ。




